■マーケット
「口先介入」効かず… 1ドル=105円台も?
きょうも為替市場でドル円相場の円高が進み、午前中には一時1ドル=107円61銭となりました。政府が連日、円売りの介入をほのめかす「口先介入」を続けていますが、もはや市場には通じていないようです。今後のドル円相場の見通しについて三井住友アセットマネジメントのシニアストラテジスト市川雅浩氏は「①アメリカの早期利上げ観測の浮上②原油価格の反発③日本の為替介入の可能性が高まる。この3つがそろうと円高が反転するきっかけになるのではないか。場合によっては105円を割れる展開も想定が必要になると思う」と話しました。
中国の“個人消費”に異変
中国当局が発表した3月のCPI消費者物価指数は前年比で2.3%上昇しました。中でも食品物価は大幅に上昇し、市民生活にも変化が出始めています。特に、庶民の食卓にのぼることの多い野菜や豚肉の供給量が減り、食品価格は7.6%と急上昇しました。中国は製造業主体の経済からサービス業主体の経済への構造改革を急いでいます。しかし、サービス業発展の原動力である個人消費が物価の上昇によって減退すれば改革の屋台骨が揺らぎかねません。
《みずほ銀行・中国事業部/細川美穂子主任研究員》
「(中国の)構造改革が進む中で賃上げや失業が生まれる場合に、インフレが加速すると厳しい。(市民の不満が高まる)恐れはある。構造改革のペースを少し落とすなど、よく見て運営するのではないか。」
中継担当:上海支局 徳地英孝記者
■特集 ソニーが挑む新家電とは《技術のソニー・再生への一手》
日本の家電メーカーが苦境に立たされる中、東芝の家電部門やシャープは海外企業主導での再建の道を選びました。そんな中、社長直轄プロジェクトという独自の取り組みで復活を狙うのがソニーです。技術力と発想力で世界を席巻したソニーのモノづくりは何処へ向かうのか。平井社長に独占インタビューしました。
インテリアショップで新商品の体験イベントが開催されました。それが一見ライトに見えるスピーカーです。ソニーが2月に発売した商品で注文しても1ヵ月待ちの人気ぶりです。実はこの商品、住空間での新たな体験をコンセプトにしたライフスペースUXの商品です。ソニーはゲームなどの成長分野とは対象的に、電化製品はいまだ厳しい状況が続いています。そこで革新的な商品作りを目指し、2年前に社長直轄プロジェクトとしてスタートしました。求められるのはスピードで、通常は商品化まで2、3年はかかるところを1年で販売までこぎつけています。さらに商品化にあたり社内の“眠れる技術”に注目。4年前に発売が終了したスピーカー搭載されたソニー独自の駆動方式の技術を使いました。売出し方も従来とは異なり、高級旅館などのリラックス空間でも積極的に商品を発信します。技術力とアイデアで一時代を築いたソニー。復活への挑戦が始まりました。 取材先 ・ソニー ・星のや京都
【存在感を消す新家電!?】
アルフレックスショップ大阪(大阪市)で新商品の体験イベントが開催された。これはソニーが2月に発売したスピーカーとしての機能も備えているライト「グラスサウンドスピーカー(7万4000円)」。注文しても1か月待ちの人気商品です。
《TS事業準備室・伊藤景司さん》
「欲しいのはスピーカーの物体ではなくて良い音。客が極上のリラックス体験できる空間をコンセプトに商品を開発した。」
スマートフォンで専用のアプリを使って操作します。一見わかりませんが、音は照明を覆うガラス部分と開口部から出ていいます。これまでのスピーカーとは違う、空間に溶け込む姿が魅力です。
【社長直轄の新プロジェクト】
実は「グラスサウンドスピーカー」はソニーの新たな攻めの一手なのです。
平井一夫社長が自ら案内してくれたのは、ライフスペースUXの商品が見られるショールーム。ライフスペースUXとは、住空間での新たな体験を作り出す家電の新しいコンセプトです。住空間でいかに快適に過ごすか、これまでとは違った視点で商品開発を行います。主役は家電ではないのです。
2年前、社長直轄のプロジェクトとしてスタートしました。
--プロジェクトを作らなければいけいほど何かうまく行かない部分があったのですか。
「ソニーの利益は一時期チャレンジの時もあったので、そうしますとなかなかリスクをとって新しい商品を出すスピリットが失われていた。」
ソニーの財務状況は2014年度の1259億円の赤字から2015年度は1400億円の黒字を見込むなど、回復の兆しを見せています。ただゲームやエンターテインメントなどの成長分野とは対照的に携帯電話などの電化製品は未だ厳しい状況です。そこにはウォークマンなど革新的な商品を次々と生み出してきたかつてのソニーの姿はありません。
「これすごいねって言われる商品を常に市場に出していって、客に喜んでもらうのがソニーらしさ。」
そこで革新的な商品づくりを目指しライフスペースUXを手掛ける新たな事業部を設立。求めらるのはスピードです。通常、発案から商品化まで2~3年かかるが、「グラスサウンドスピーカー」は1年で販売までこぎつけました。
【眠れる技を掘り起こせ!】
グラスサウンドスピーカーを企画したソニーTS事業準備室・伊藤景司さんが商品化に当たり目をつけたのは社内の眠れる技術です。
4年前に発売が終了したスピーカー・サウンティーナ(当時105万円、12年に販売終了)。透明な有機ガラス管から360度音が出るという全く新しいソニー独自の駆動方式を使ったスピーカーです。眠っていた独自技術は新製品で甦りました。その魅力は他社が真似できない独自の音です。
《伊藤景司さん》「人の声帯や弦楽器をはじく音と構造上近いので、その再現性が非常に高いです。」
特徴的な音が出るのはガラス部分で、音の振動を信号に変える加振器という器械と接続します。これが細かく震えガラスを叩くことで、本当に楽器を叩いている様な音が生まれるといいます。
《サウンド開発部/鈴木伸和さん》
「開発のネタで世に出ない物が沢山ある。手軽にコンパクトな形で世に出たのが開発者冥利に尽きる。」
【高級旅館で家電を売れ!】
売り出し方も従来とは違います。
高級旅館の星のや京都(京都・嵐山)。都会の喧騒を忘れさせる非日常の空間。
TS事業準備室・伊藤景司さんは宿泊客に向けてこの特別な空間でグラスサウンドスピーカーを体験してもらおうと考えました。設置するのは自然を一望できる空中茶室です。ソニーは家電量販店だけではなく、こうしたリラックス空間でも積極的に商品を発信します。
《TS事業準備室/伊藤景司さん》
「どんどん新しい商品を市場に出していく、製品化していくのが大事だと思っている。その中の一部の商品が次の時代を創る、文化を変える、社会をつくる商品になると思っているので、チャレンジし続ける事が大事だと思っている。」
確かな技術力とアイデアで一時代を築いたソニー。再生に向けた取り組みは始まったばかりです。
■【コメンテーター】熊谷亮丸氏(大和総研 執行役員 経済分析室長 チーフエコノミスト)
・現在はインバウンド頼み・ファミリー層に伸びしろ
--大型連休はテーマパークにとっても力の入れ時だと思うのですが、最近のテーマパークの入場者数はどのような傾向になっているのか。
かなり好調です。内訳を見ると個人(青線)はちょっと増えているぐらい。他方で団体(赤線)はインバウンドが含まれますけども、まさに
インバウンド頼みの様な状況です。ですから個人のファミリー層を掘り起こすのが非常に大きなポイントです。
--そのために東京ディズニーシーも家族層に力を入れていくということですが、今年のゴールデンウィークはどうなるか。
カレンダーの並びで見てみると、5月2日に休めば7連休になる。過去に1日だけ休むと7連休以上になるケースは1985年以降で計8回あった。そのデータを調べると平均的には前年と比べてレジャー消費が3.7%伸びている。そのため今年も並びが良いのでレジャー消費が期待できる。
・2月の機械受注統計
【緩やかな回復続く】
--民間企業の設備投資の先行きを示す「船舶・電力を除く民需」の受注額が3ヵ月ぶりに減少した。これはどう分析していますか。
鉄鋼の大型受注の反動がありましたから、これを除いてみると、前月比ではプラス5.1%です。ですから大きな流れとしては緩やかな回復の方向という認識です。
【人手不足で"省力化投資"へ】
--これは今後も続きますか。
非製造業の合理化、省力化投資がかなり設備を支えてくる。グラフで示しているのは、企業にとって雇用と設備のどちらが足りないか。これは日銀短観で設備判断DIから雇用判断DIを引いたものですが、上に行くほど相対的に雇用が足りない。下に行くほど設備が足りない。
--今でみますと圧倒的に雇用の方が足りない。
どんどん賃金が上がりつつありますから、人手不足になってなかなか人が集まらない。そうなってくるとロボットなど合理化、省力化投資を非製造業が行っていくということです。
--その合理化、省力化投資によって今後も緩やかな成長を続けると・・・
能力増強投資が出ないので大きくは伸びないですが、下支え役として合理化、省力化投資が設備を支えるという見方です。
--それは考え方として、人件費を増やすよりも省力化投資をやったほうがコスト面でいいという判断になってくるということですか。
そのことによって生産性が上がるということもありますし、また業種によっては人が集まらなくて全く雇用が増えないという状況がありますので、仕方なく合理化省力化投資をやるという状況です。
--でもそれが次の成長につながる投資になるんでしょうか。
生産性が上がるということであれば、例えば今IoTというのがあります。そういう形でやっていけば、ある程度日本の生産性の改善に寄与するということです。
・“遊び”と“規律”のバランスを
家電等のはこれまで部屋の中にものを追加するという発想で作られていた。それを変えようというソニーの新たなプロジェクトを今日は取材しましたけれども、失敗のリスクを背負ってもスピード感を持って商品を世に出していこうという新たな挑戦をどうご覧になりますか。
一つは“遊び”という要素が非常に重要です。例えばホイジンガというオランダの歴史家がいますけども、この人はホモ・ルーデンス(遊戯人)という本を書いていて「遊ぶ人」という意味です。人間にとって遊びというのが本質だと言っている。それから日本でも梁塵秘抄というのがあって「遊びをせんとや生れけむ」と書かれている。遊ぶということは人間にとって非常に本質的なことであって重要である。
--それは企業にとっても大切ですか。
例えば東レが研究者に研究開発の時間の2割位を自由なことをやっていいと言っている。これを受けて炭素繊維、これは50年かけて飛行機の素材になった。ですから遊び心からいろんな発明が生まれる。ただ他方でちゃんと規律をやるということ。例えばロスカットルール、どれだけ損を出してもよいとか、もしくは失敗してもそこから新たな成功の目を出していくというような、遊びと規律のバランス、これが永遠のテーマであり、最大のポイントです。
■ニュース
注目テーマパークの実力は?
ゴールデンウィークを前にディズニーリゾートとバンダイナムコが、相次いで新たなショーとアトラクションを発表しました。激しさを増すテーマパーク間の競争。注目の施設を取材ししました。
開業から15周年を迎えた東京ディズニーシーは、15日から始める新しいショー「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー」を公開しました。3年前に年間入園者数が3,000万人の大台を突破した東京ディズニーリゾートですが、今後も維持していくため、シーでは、これまで客層の中心だった大人だけでなく、子連れのファミリー層の集客も強化します。今回、クリスタルコンパスと呼ばれるグッズと園内にある端末を連動させて、音と光を発する演出などを新たに始めました。一方、バンダイナムコエンターテインメントはダイバーシティ東京プラザで、仮想現実技術を体験する施設を4月15日から10月中旬まで期間限定で開設すると発表しました。地上から200メートルの世界や、断崖絶壁のスキーを仮想現実技術で体験できます。体験料金は1回700円からで、今後、客の意見をいかしながら、仮想現実の可能性を追求していくと担当者は話します。
(1)【“親子”狙うディズニーシー】
東京ディズニーシーは今日、15日から始める新しいショー「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー」を初公開しました。このショーは今年、開業15周年のディズニーシーにとって集客の最大の目玉です。さらに10年前に公演を始めたブロードウェイミュージックシアター「ビッグ バンド ビート」も今回、グーフィーを中心とした演奏シーンを新たに追加するなどリニューアル。集客に繋げたい考えです。
ディズニーリゾートの年間入園者数は30周年を迎えた3年前、初めて3000万人の大台を突破。今後も3000万人台維持していく為に新たな客層を強化するといいます。
《オリエンタルランド広報部/宮内良一部長》
「もう少し家族向けの楽しめる場所を広げていった方が両方のパークをホテルに滞在しながら楽しんでいただけるんじゃないか。」
ディズニーシーはこれまでディズニーランドとの差別化で大人が楽しめるショーなどの充実に力を入れてきました。しかし今後はボリュームの大きい子連れのファミリー層の集客を強化する方針です。
その1つがクリスタルコンパスと呼ばれるグッズ(3000円)。これを園内にある端末に置くと音と光を発します。この端末は園内に7か所あり、場所ごとに異なる演出が楽しめます。
一方、ディズニーは入園のチケット料金を3年連続で値上げし、3年前から1200円高くなりました。値上げについてディズニー側は自信を示します。《宮内良一部長》「やはりお子さんにも十分楽しんでいただける場所もいろいろ工夫しながら作っていく。」
《宮内良一部長》「ソフトとハードの両方で様々な施策を投入してきてパークの価値が上がってきただろうという判断の下で価格改定させていただいた。」
(2)【仮想現実で客を呼べ】
一方、ダイバーシティ東京プラザ(東京都・江東区)では・・・
バンダイナムコエンターテインメントは今日、仮想現実の技術を使った施設を報道陣に先行公開しました。ゴーグルやヘッドホンをつけ体験したのは地上200mの世界。エレベーターが開き、細い板の先に残された猫を救出するミッションです(高所恐怖SHOW、1000円)。このほか断崖絶壁でのスキー(スキーロデオ、700円)など6種類のアトラクションを用意。中でも異彩を放っていたのが、廃墟と化した病棟から脱出するというもの(脱出病棟オメガ、800円)。
この施設は4月15日~10月中旬までの期間限定オープン。仮想現実の技術はエンターテインメントとしてどこまで受け入れられるのか検証していきます。
《バンダイナムコエンターテインメント/小山順一朗さん》
「約170坪の面積で世界最大の遊園地ができるといったコンセプトもある。」
“世界最速”の美術館公開
JR東日本は今日、4月29日から地域限定で運行を始める新型の新幹線を報道陣に初公開しました。全車両丸ごとアート作品にするという大胆な発想から誕生した世界最速の美術館です。
【“世界最速”美術館の実力】
JR東日本が今月29日から運行を始める「現美新幹線」。現代アートをテーマにした新幹線です。外観は、写真家の蜷川実花(にながわみか)さんが撮影した新潟県長岡市の花火で彩られています。車内も、まるで美術館のよう。自由席はすべてソファーでくつろぎながら新潟の日常を映した写真の展示を鑑賞できます。車両ごとに違う作家の作品が展示され、鏡を使って車窓の風景を絵画のように切り取る作品などもあります。ツアー料金は5,400円から5,900円。上越新幹線の「越後湯沢」と「新潟」間を土日祝日を中心に運行します。なぜ新潟県内のみで運行するのか。
《JR東日本鉄道事業本部/菊地隆寛次長》
「ぜひ新潟に来てほしいという思いがあって、あえて新潟地区を限定して走る車両にしている。」
最近、JR各社が観光新幹線を相次いで投入している。山形新幹線では車窓を眺めながら足湯が楽しめる「とれいゆ」、山陽新幹線ではアニメ・エヴァンゲリオンをテーマにした新幹線も。いずれも退役前の車両を有効活用したものといいます。
《菊地隆寛次長》「余った車両を有効活用して、内装をアレンジしたり外装を貼り直して新しい新幹線に仕立てる。新しく作るより比較的安上がりで作れる。」
【“北陸新幹線”にアートで対抗】
現美新幹線に地元の自治体は熱い期待を寄せています。
《新潟市地域・魅力創造部/野坂俊之課長》
「北陸新幹線という強力なライバルがいるので、アートの力も重要なエンジンにしながら新潟の魅力を発信したい。」
北陸新幹線の開業で金沢などの観光地が脚光を浴びる中、上越新幹線沿線の新潟県は危機感を募らせていた。
越後湯沢から車で40分程の十日町市。現美新幹線が運行を始める4月29日からアートのイベント「大地の芸術祭」の里越後妻里2016春を始める(5月8日まで)。10年程前に廃校になった旧真田小学校には流木で作られたオブジェが飾られている(鉢&田島征三・絵本と木の実の美術館)。廃校の空間を丸ごと作品にしたといいます。地元の人も町おこしに協力します。
《十日町市産業観光部芸術祭企画係/小島拓也さん》
「現美新幹線が走ることによって新潟がアートを頑張っているというふうに効果が現れることを期待しています。」
地元の期待を一身に背負う現美新幹線。ゴールデンウィークの予約は既に9割埋まっているのといいます。
ドローンで都市問題解決
千葉市とイオンなどは11日から、ドローン宅配の実証実験を始めました。ドローンをイオンモールの建物屋上から飛ばし、ワインを運ぶ実験を成功させました。千葉市は国家戦略特区の規制緩和を活用し、今日から毎月1回ドローンを使った物流の実験などを実施する。
《自律制御システム研究所/野波健蔵社長(ドローンを開発)》
「世界初の試み。大都市の実験でどんな課題があるかさえもまだわかっていない。その課題を抽出していくことが実証実験では必要になります。」
実は千葉市では高齢化が進み日々の買い物に苦労する人が増加しているのです。千葉市美浜区内の団地では1970年代から80年代に移り住んだ人が多く、急速に高齢化が進んでいます。千葉市の人口のうち、65歳以上の比率を示す高齢化率は27%。2040年には38%に達し、首都圏の政令指定都市でもっとも高くなると予想されています。高齢者の買い物を支援する取り組みはすでに始まっています。商業施設が運行する無料の買い物バスです。利用者からは便利との声がある一方、混雑やバスの本数が足りないとの声もあがります。こうした不満を解決するのがドローン宅配なのです。千葉市では高齢者が自宅に居ながら買い物ができる未来を実現したい考えです。更にに千葉市はイオンと共同で超高齢化社会に向けた新たな街作りを進めていくことも発表しました。例えばITを活用してより便利な交通網を整備します。日本郵政や三越伊勢丹HD何度の大企業や大学・病院などと協業して、健康管理や高齢者の見守りなどのサービスを提供し魅力ある街作りを目指します。
《千葉市/熊谷俊人市長》
「ボランティアベースではなくて人や事業やノウハウがを持っている、そうした持続可能性のある企業の方々と地域づくり、絆づくりをやっていく。」
米国務長官が広島訪問
広島で2日間にわたって行われたG7=先進7ヵ国の外相会合が閉幕しました。アメリカのケリー国務長官も参加し、アメリカの現役閣僚として初めて被爆地広島を訪問しました。ケリー長官はG7の外相とともに、平和記念公園を訪れ、慰霊碑に花をささげました。また、ケリー長官の提案で、各国の外相は当初予定になかった原爆ドームも急きょ視察し、広島市の松井市長の説明に熱心に耳を傾けました。アメリカの現職閣僚が被爆地で犠牲者を追悼するのはこれがはじめてです。
《ケリー国務長官》
「オバマ大統領もいつか広島を訪れる人の一人になってほしいと思う。オバマ大統領が広島に招待されていることは知っています。いつか来たい、と公言していたからです。」
G7として初めて世界の政治指導者らに被爆地訪問を呼びかける「広島宣言」をとりまとめました。今後、日米両政府は来月来日するアメリカのオバマ大統領の広島訪問、実現にむけた調整を進めます。
麻生大臣「増税は予定通り」
麻生財務大臣は、OECD=経済協力開発機構のグリア事務総長と会談し、来年4月に予定される消費税率の引き上げについて、「リーマンショックや東日本大震災のようなことが無い限り予定通り引き上げるのが選挙の際に約束した内容だ」と述べ、予定通り実施したいとの考えを示しました。会談後、都内で記者会見したグリア事務総長は、OECD加盟国の消費税率の平均は20%だと指摘した上で日本の消費税増税は「重要な約束だ」として予定通り増税すべきだとの考えを示しました。一方で、増税と同時に財政出動して経済活動を1年から2年の間底上げすることも可能だと述べました。
2月機械受注3ヵ月ぶり減
内閣府が発表した2月の機械受注統計によりますと、民間企業の設備投資の先行きを示す「船舶・電力を除く民需」の受注額は、前の月より9.2%少ない8,487億円と、3ヵ月ぶりに減少しました。1月に鉄鋼業で大型投資があった反動が最大のマイナス要因ですが、自動車などの製造業も振るいませんでした。ただ、運輸や情報サービスなどの非製造業は堅調でした。
甘利氏 金銭授受問題で聴取
甘利前経済再生担当大臣の事務所が建設会社から現金を受け取っていた問題で東京地検特捜部は建設会社の元総務担当者・一色武氏を聴取しました。一色氏は甘利前大臣や秘書に対し現金あわせて600万円を渡していて、金銭の授受や補償交渉の経緯などについて話を聞いたものとみられます。
シャープ新卒採用倍増へ
経営再建中のシャープは、2017年度の新卒採用を290人とする計画を発表しました。2016年度の151人から、ほぼ倍増となります。台湾の鴻海精密工業の傘下に入り、抑えてきた成長投資を実行していく方針です。新卒の人材は、インターネットにつながった次世代家電や、ロボット関連などの成長分野に重点的に投入する考えです。
大塚家具訴訟で父が勝訴
大塚家具創業者の大塚勝久前会長が、長女の久美子社長が役員を務める資産管理会社に対し、社債の償還を求めた裁判の判決で、東京地裁は、勝久前会長の請求通り、15億円の支払いを命じました。久美子社長側は「相続対策の一環で、償還の必要なはい」との認識を示していましたが、判決は「書面もなく、正式な合意とは認められない」とし、勝久前会長の請求を認めました。
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【トレたまキャスター】北村まあさ
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