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2017.3.10 Newsモーニングサテライト

2017年03月10日 14時33分52秒 | MS
■マーケット

NY株 揃って小幅に上昇
ヨーロッパ経済の改善期待と原油価格50ドル割れという材料の間で、株価はもみ合ったあと午後に入って振れ幅が拡大しました。ECB理事会では、景気見通しの上方修正や金融緩和の切迫感が後退したとの認識が安心感につながりユーロが対ドルで上昇しました。一方、原油価格が終値で、去年12月初め以来の50ドル割れ。原油在庫の増加が尾を引いているようです。株価は、8年前の3月9日、リーマンショック後の最安値を付けた日から上昇を続けてきました。このトレンドを維持出来るのか、明日の雇用統計もその材料となりそうです。ではニューヨークの株価終値は揃って上昇です。ダウは4日ぶりの反発2ドル高、2万858ドル。ナスダックは続伸の1ポイントプラス、5,838。S&P500も1ポイントの上昇の2,364で4日ぶりの反発でした。 

【NY証券取引所中継】原油50ドル割れ 今後は…
解説は三井住友アセットマネジメントNYの曽根良太氏

--引け間際にも細かく動いているようですね。

そうでしたね。金利の上昇を受けて、金融株は比較的堅調でしたが、原油などの商品市況の下落を受け、関連銘柄が足を引っ張り、午後にかけて一時軟調に推移していましたが、引けにかけて買戻しされています。

--原油価格が今年初めて50ドル割れとなっていますが、いま何が起きているんでしょうか。

かなりあっさり割り込んだことに少し驚いていますが、きっかけは昨日の週間在庫統計で、原油在庫が市場予想を大幅に上回る増加となったことです。この背景として、実はこの時期、原油を精製するための製油所が定期メンテナンスを終え、稼働を再開するタイミングですが、想定されていたほど稼働率が上昇しなかったため、原油在庫の増加が市場予想より上振れたようです。

--ただ、それにしても、昨日から下げ方が急ですよね。

(フリップ:原油"48ドル半ば"を意識)
はい、テクニカル的な要因が重なったことも大きいと思います。在庫統計を受けた下落で、節目となる100日移動平均線を割り込み、さらに大口の投機筋の買いポジションが過去最高水準だったことも売りが加速した要因です。今後、次の節目である200日移動平均線である、48ドル半ばが意識される展開が予想されます。
 

【NY証券取引所中継】原油上昇のカギは…“砂”?
解説は三井住友アセットマネジメントNYの曽根良太氏

--主要指数はぎりぎりプラスですね。

そうでしたね。金利上昇を受けて、金融株は比較的堅調でしたが、原油などの商品市況の下落を受けて、関連銘柄が足を引っ張り、午後にかけて一時軟調に推移していましたが、引けにかけて買戻しされました。

--さて原油価格の今後を見るうえで、意外なものが関係しているようですね。

はい、それは砂です。実は、シェールオイルを抽出する時に、地層にひびを入れて原油を取り出しますが、そのひび割れが崩壊しないように、ひび割れの中に砂を入れます。その砂の隙間を縫ってシェールオイルがにじみ出てくるという仕組みです。

--その砂に何か問題が起きているわけですか。

はい、実は先週、テキサス州のシェール生産現場を取材しましたが、その砂の調達に苦労しているようです。大きな理由の1つは、砂を運ぶトランクの不足、特にドライバーが不足しています。井戸の仕上げをする際には、井戸1本あたり、6千トンの砂が使われます。これはトラック300台分です。砂の採掘現場からシェール掘削地域のターミナルまでは、鉄道での運搬なので、大きな問題はないものの、そこから井戸までの数マイルがボトルネックになっています。現場ではラストワンマイル問題と言われています。

--そうなんですね。これは原油価格にはどういう影響なんでしょうか。

はい、価格上昇の要因となりそうです。今年に入り、これらの影響で砂の調達コストが20%上昇し、4-6月期にはさらに20%の上昇が見込まれています。この砂の調達コストは、井戸を完成させる費用全体の10%強を占めています。最近、原油価格が50ドル台を回復していたことで、多くの生産会社の収益性は改善していましたが、このコストアップ懸念が今後の増産ペースを和らげる懸念があり、結果として原油価格上昇の可能性が高まると思います。


【為替見通し】注目ポイントは「トランプ効果が雇用押し上げ」
解説はフィスコNYの平松京子氏

--NY市場は115円をうかがう展開ですね。

そうですね。アメリカの輸入物価指数が予想を上回るなど、3月の利上げを織り込むドル買いが継続しました。一方で、ユーロは反発、ECBが成長やインフレ見通しを引き上げたことや、ドラギ総裁が追加金融緩和には緊急性がないと指摘したことなどが背景となります。

--今日の予想レンジは、114.00-115.50円、注目ポイントは「トランプ効果が雇用押し上げ」です。

そうですね。雇用統計と最も相関性が強いとされる、民間部門の雇用動向を示すADP雇用報告で、製造業や建設に加え、鉱業や燃料セクターの雇用の増加で、2月分は3年ぶりの大幅な伸びを記録しました。トランプ効果が奏功した証拠となります。トランプ大統領は政策で、景気押し上げを最優先課題として掲げており、特に製造業や炭鉱事業の再編を公約、業者は自信を強め、雇用ペースを加速させています。

--そうなると日本時間の今夜にも発表される2月の雇用統計、これも強い結果が予想されていますが、為替はどう反応しそうでしょうか。

そうですね。2月雇用統計の雇用の伸びが20万人を超えると市場は見ていますけれども、その通りの結果になると、発表直後は利上げペースの加速を意識したドル買いが強まると考えております。その際には対円で115円突破も可能だと見ています。

【日本株見通し】注目ポイントは「3月第4週は株高」
解説はいちよし証券の大塚俊一氏
 
--今日の予想レンジは、19200~19500円です。

アメリカの利上げ観測の高まりを受けて、やや円安が進んでおり、輸出株などが上昇しそうです。きょう発表される1-3月期の法人企業景気予測調査では、企業の景況感の改善が続いているかが焦点ですが、良好な結果内容となれば、日本株には追い風となるのではないでしょうか。

--注目ポイントは「3月第4週は株高」、第4週は再来週ですね。

来週第3週はFOMCでの利上げ判断やオランダの議会選挙など、重要イベントが控えていますが、その結果が明らかになれば、透明の不透明要因が払しょくされ、第4週は株高となりそうです。
(フリップ1:3月第4週は株高)
過去10年間の日経平均と日経ジャスダック平均の3月各週の週間騰落率を調べると、第2週と第3週は下落ですが、第4週は上昇です。10年間の第4週の上昇回数は、日経平均が7回、日経ジャスダック平均は8回で、これは期末の決算対策売り一巡による需給改善や期末の配当取りなどが株高の要因と思います。


--日経ジャスダックに関しましては昨日で20連騰と堅調なんですが、中小型株の堅調さというのは、この後も続くでしょうか。

(フリップ2:7月までは上昇傾向)
日経ジャスダック平均は過去10年間の月間騰落率を見ると、7月ごろまで連続して上昇する傾向があります。また来週月曜日からは、中小型株の新指数=JPX(日経中小型株指数)の算出公表が始まるなど、引き続き中小型株に注目と思います。
 

■【プロの眼】ECBを読み解く
景気、物価が順調に回復しているユーロ圏ですが、それはあくまでもユーロ圏全体としてみた景気や物価の改善であり、個別国のレベルでは事態はそう楽観できないといいます。域内国の経済のばらつきが調整出来ない状況では、最終的には弱い国自身が対外競争力や金融システムの面で構造改革を進めることが求められます。しかしこれには時間がかかり、さらに強い国が財政移転などの形で弱い国を支える事も必要となります。ヨーロッパでは今年、主要国で相次いで重要な選挙が行われますが、「ユーロ圏離脱」などが実現しなくても、ユーロ圏の内部からひびが入る可能性があるということです。解説は野村総研井上哲也氏。
 
ECB総裁 緩和維持の必要性訴える
ECB=ヨーロッパ中央銀行は9日に開いた理事会で政策金利の現状維持を決めました。理事会後に記者会見したドラギ総裁は金融緩和を維持する必要性を改めて訴えました。
《ECB・ドラギ総裁》 「ECBの金融政策は引き続き緩和的な姿勢を継続する。緩和策は物価目標を継続的に達成するために必要だからだ。」
ただ、追加緩和を講じる緊急性はないとの考えを併せて示しました。また、ユーロ圏の消費者物価指数がECBが目標とする2%弱を上回るなどこのところ上昇が続く物価については、「上昇圧力は依然として弱い」と述べました。その一方で、ECBは今年の経済成長見通しを去年12月の時点から0.1ポイント上方修正し1.8%のプラスになると予想しています。
 
--いまお伝えしたように、景気と物価は順調に回復しているところですけれども、そこに実は落とし穴があるということなんですね。どういうふうに見ればいいでしょうか。

(フリップ1:各国でバラツキ)
「これが今の経済成長率とインフレ率ですね。それから17年、18年については、欧州委員会の予想で伸ばしてあります。だんだんと景気が良くなってくるわけなんですけれども、そうするとむしろバラツキが出てきてしまうということなんですね。(左図でGDPを見ると)ドイツはまあ水準は低いように見えますけれども、ドイツの体力からするとかなり過熱気味の状況ですし、スペインはこの(グラフの14年の)前が金融危機で悪かったので、その部分をいろんな改革をして、かなり高いレートですけれども、またそれはずっと続けるわけにはいかないので、下がってきている。それからフランスはちょっと見通しは甘めなんですけれども、ちょっと停滞感が出ていて失業率がなかなか下がらなくなってしまってますし、それからイタリアは前にもこの番組でもご説明しましたけれども、金融システムに相当大きな問題を抱えていますので、この通り行きそうにはないという感じですね。ですから各国の経済パフォーマンスがかなりばらついてきてしまうということがあると思います。」

--全体で見ると、良いんだけれども、各国個別にみると、それぞれの事情が全く違っている。それがここにきて目立ってきていますか。

「そうですね。危機の時はその意味では低成長にみんな固まっているわけですよね。それがだんだん良くなってくると、体力を反映して、いいところは良くなっていくし、悪いところはなかなか浮上できないということで、差ができてしまうということだと思います。」

--これもちょっと皮肉なことですね。危機の時は団結してまとまれるけれども、景気が回復してきたら、それぞれの個別のものが見えてきてしまう。

「ですから金融政策にとって言えば、ドイツがご覧の通り、早く金融緩和をやめてくれと言っているのは、過熱気味になってしまっているからなんですけどね。イタリアなんかにとってみればとんでもないという話になるわけですね。」

(フリップ2:貿易収支(対GDP比))
--これを見ても分かりますね。貿易収支を見てみますと、コチラもやはり体力の差が見えてくる。

「そうですね。ユーロ圏というのはご覧の通り金融政策1本、為替レート1本でやっているわけなので、ドイツにとってはおそらくユーロ相場が過小評価になっているわけですよね。ですからどんどん輸出が伸びちゃうということになるわけですけれども、フランスみたいな国は表面的にはユーロ安になっているのに、どの恩恵を生かせない。貿易収支がずっとマイナスになっている。」

--そもそも論なんですけど、これは指摘されてはいますけれども、こういった問題を一括して解決する方法というのは無いんでしょうか。

「王道としては、ちょっと言葉悪いですけど、足の遅い国々が構造改革をして、追いついていくということが必要なわけです。例えば、労働市場の改革をするとか、それからイタリアの場合には金融システムの問題を治すとかですけれども、やっぱり時間がかかってしまうわけですね。」

--しかも今は流れとして、そういった構造改革を求めるには、国内の国民たちの声というのがかなり厳しいですね。

「ええ、移民の問題もありますし、それから危機の時には本当に緊急性、切迫感があるわけですけれども、多少良くなっちゃうとその切迫感も無くなっちゃうわけですね。」

--これは景気が回復してくるにつれて、いい内容ではあっても、国内のこういうそれぞれの体力の差が見えてきて、「ではEU崩壊なのではないか」、と囁く声も出ていますか。

「そうですね。ユーロ圏がなかなか、経済が本当はコンバージしていかないと・・・、収斂していかないといけないわけですけども、むしろバラツキが出てしまうという意味では、むしろ金融危機の時よりも、もしかしたらその点では危ないかもしれない、という議論があると思いますね。」

--これから政治の季節になります。選挙もあります。しばらくはドイツが頑張るしかありませんか。

「ええ、先ほど申し上げた通り、構造改革を頑張っていただく間は、ドイツがある程度みんなを助けてあげないといけないということなんだと思います。」

--それができるかどうかというのが、今後問われてきますね。
 

■【中国NOWCAST】
今回の中国ウオッチャーは三井物産戦略研究所の小泉芳雄氏です。ピックアップトピックは「全人代主要数値目標出揃う」「消費者物価0.8%増」「“315晩会”に戦々恐々」です。中国では国会に当たる全国人民代表大会が5日から始まりました。小泉氏は軒並み引き下げられた経済の数値目標の中、都市部の就業者数の目標数値が上積みされたところに注目しているということです。

(フリップ1:今週のピックアップトピックス)
(1) 全人代、主要数値目標出揃う
(2) 消費者物価 0.8%上昇
(3) “315晩会”に戦々恐々

(1) 全人代、主要数値目標出揃う

5日、北京で始まった全人代(全国人民代表大会)。李克強首相は今年の経済成長率の目標を去年より引き下げ、6.5%前後にすると発表したほか、固定資産税投資や消費の目標も相次いで引き下げた。

《三井物産戦略研究所/小泉芳雄氏》
「多少、実態に即してというか、あまり地方政府に無理させないレベルまで、出来る限りのところまで落として、6.5%前後という数字が出来上がったものと思います。」

一方で、雇用や貧困対策の目標は去年並みかそれ以上で、小泉さんが特に注目したのは、都市部の新規就業者数の数値目標が引き上げられたことだという。

《小泉氏》 「今年、大卒者が約100万人増えるという中で、あえてこの数値を100万人上積みして、1100万人にしたというのは、結構びっくりしたし、結構意図があるのだろう。高学歴の人がどんどん増えていく。この辺(の人材)が就職難に陥ると、将来、社会不安の種になりかねないという危機意識があるところから、ここにある程度、強いメッセージを込めたものと思います。」

--秋の党大会を控えて、国民ファーストといったところなんでしょうかね。
 

(2) 消費者物価 0.8%上昇

(フリップ2:大幅下落の要因は春節)
昨日発表された2月の消費者物価指数は、1年前に比べて0.8%の上昇にとどまった。上昇率は前月比1.7ポイント下落した。小泉さんは物価が上昇しやすい春節が、今年は1月だったことが最大の要因と見ていて、去年の夏から続く緩やかな物価上昇の傾向は変わらないとみている。
 

(3) “315晩会”に戦々恐々

中国では今月15日、毎年恒例の“315晩会”が放送される。“315晩会”とは、中国中央テレビが世界消費者権利デーの3月15日に合わせて、中国の消費者の権利を侵害したとみなす企業やサービスを名指し批判する特別番組である。去年やり玉に挙げられた企業の1つは、ネットを使った外食宅配サービス企業で、サイト上では清潔な店舗写真が掲載されているのに、実際には汚い厨房で料理が作られていた行為が標的になった。

《小泉氏》 「CCTV(中国中央テレビ)は前年の10月頃から極秘に対象を絞って、必要に応じて潜入調査を行ったりして、一方、対象となる企業は最悪の事態を想定して、謝罪文を用意したり、当日は番組を最初から最後までしっかり社員全員で見るというような対応に追われていると聞いています。」

過去には日産自動車やフォルクスワーゲン、アップル、ニコン、マクドナルドなど外資系企業もやり玉に挙げられたが、去年は外資系企業の名前はなかった。今年の対象企業について、小泉さんはどう見ているのか。

《小泉氏》 「今年に関しても、基本的に中央政府は、外資系企業の誘致を掲げているので、あまりいたずらに外資系企業を刺激したいとは思っていない思います。ただ昨今の(政治的)情勢を見ると、外資系企業の中でも、韓国、アメリカ、あるいは日本辺りの企業が必ずしも上がらないと言い切れる状態にはないと思います。」

--15日、これは注目ですけど、ある意味、聴視者ファーストの番組ですね。
 

■日経朝特急

知財、過度な節税防止
財務省は、企業が特許権などの知的財産を税金の安い国の子会社に移す、といった節税策を取りにくいようにする。現在は知的財産を海外に移す時にしか課税ができないが、あとで稼ぎが膨らんだ場合に、日本から再課税できる仕組みの導入を検討する。知的財産を低い税率の国に移して、租税回避するやり口が国際的な問題になっていて、日本企業にも広がる前に先手を打つ。2018年度の税制改正で導入を目指す。
 

東芝、ウェスチングハウスを非子会社に
東芝としては海外の原子力事業から撤退することになる。連結対象から切り離し、原発リスクが業績に与える影響を最小限に抑える。ただ譲渡先探しは難航も予想される。またニュースでもお伝えした破産法の適用申請も有力案として関係者と調整している。


アラムコ誘致、懸命のトップ外交
日本取引所グループの清田CEOがサウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」のIPO誘致へトップ外交を繰り広げている。サウジアラビアのサルマン国王は来週、来日する見通しだが、清田氏は随行するアラムコ経営陣などと会談し、現地の証券取引所とも協力関係を結ぶ予定だ。ただ外国籍の東証上場企業は減少が続いている。1991年の127社をピークに減少し、今は6社だけだ。サウジ側が上場市場を決めるとされる今年半ばまで、日本取引所の勝負の時は続く。
 

■日刊モーサテジャーナル

米トランプ大統領、インフラ投資、早期着手目指す
トランプ大統領、肝いりのインフラ投資を今後どのように進めるのか、大統領はホワイトハウスの関係者にインフラ投資の指針を作成するよう指示した模様だ。
ウォールストリートジャーナルによると、「例えば道路の整備について、トランプ大統領は、新たな道路の建設よりも既存道路や高速道路の修復を優先する考えだということ。また州政府が連邦政府から拠出された予算を使って公共事業を進める場合、拠出されてから90日以内にプロジェクトを開始するよう要請する構え。」
できるだけ素早く経済効果を実現させる狙いがあるようだが、ワシントンポストは、「財政赤字が膨らむ中、そもそも1兆ドルにものぼるインフラ投資の財源をどこから調達するか、不透明だ。」、と指摘したうえで、「早期に着手するといっても、果たしてできるのか。」、と疑問を呈している。
 

ビジネスクラスで激しい価格競争(ウォールストリートジャーナル)
アメリカのLCC(格安航空会社)「ジェットブルー」が提供するビジネスクラスのシート。一部LCCは長距離便を中心に高級シートを格安で提供していて、ビジネスクラスの価格競争が激しくなっている。記事は、ジェットブルーのほか、エアアジアなどがフルフラットになるシートを備えたビジネスクラスを格安で販売していることに注目。例えば、NY-ロサンゼルス間のビジネスクラスでは、ジェットブルーでは往復およそ1500ドル。一方、ある調査によると、大手航空会社のビジネスクラスは2014年は片道平均2200ドルだったのが、2017年には1300ドルに下がった模様だ。デルタ航空はビジネスクラスの正規料金を前年比25%値下げしていて、記事はLCCがもたらしたインパクトは大きいと分析している。
 

ネアンデルタール人歯垢に抗生物質成分(USAトゥデイ、ワシントンポスト)
5万年前のネアンデルタール人の歯の写真。オーストラリアなどの研究チームがスペインやベルギーの遺跡から見つかった歯に残った歯垢のDNAを調べたところ、現在では鎮静剤や抗生物質に使われる成分を含む植物やカビが付着していたことが分かった、と伝えている。こうした植物やカビで化膿した部分を治療していた可能性も浮上し、研究チームは現代段階では確証はないが、高度な医療知識を持っていたという証拠に繋がるかもしれない、と話している。
 

・ 「米トランプ大統領、インフラ投資」、どう見る?

--アメリカのインフラ投資、どうでしょう、期待通りすぐに出るのでしょうか。

《野村総研/井上哲也氏》
「ええ、オバマさんのやった実例を元にやはり(アメリカの人たちが)議論をしていたんですけれども、あの時は2年半ぐらいかかっているというんですよね。法律が成立してから、実際にお金が集中して出るまで。ですからその点をやっぱり前提に、60日以内だとか、90日以内だとかいう、そういうオーダーではないんじゃないかという議論なんだと思うんですね。」

--ずいぶん時間がかかりますね。日本だとすぐに出て即効性があるという感じですが・・・。

「皮肉を言われましたけど、君たちみたいに毎年やっているわけじゃないかねっていうふうに言われました。」
 

■今日の予定

1-3月期法人企業景気予測調査
メジャーSQ
米2月雇用統計
米2月財政収支
 

■ニュース

ECB総裁 緩和維持の必要性訴える
ECB=ヨーロッパ中央銀行は9日に開いた理事会で政策金利の現状維持を決めました。理事会後に記者会見したドラギ総裁は金融緩和を維持する必要性を改めて訴えました。
《ECB・ドラギ総裁》 「ECBの金融政策は引き続き緩和的な姿勢を継続する。緩和策は物価目標を継続的に達成するために必要だからだ。」
ただ、追加緩和を講じる緊急性はないとの考えを併せて示しました。また、ユーロ圏の消費者物価指数がECBが目標とする2%弱を上回るなどこのところ上昇が続く物価については、「上昇圧力は依然として弱い」と述べました。その一方で、ECBは今年の経済成長見通しを去年12月の時点から0.1ポイント上方修正し1.8%のプラスになると予想しています。
 
 
米 人員削減数 ↓19%
アメリカの雇用市場の堅調さが改めて確認されました。民間の雇用サービス会社が発表した2月の人員削減数は、前の月に比べ19%減少しました。既存店の売り上げが不調の百貨店など小売セクターの人員削減は依然、高い水準にあるもののシェールオイルの掘削が再び活発化しているエネルギーセクターの人員削減は1年前に比べ87%減少しました。一方、労働省が発表した先週1週間の新規失業保険申請者数は24万3,000人と前の週に比べ2万人増加しましたが低い水準を維持しています。4週移動平均は2,250人の増加でした。
 
 
米 輸入物価 3ヵ月連続上昇
アメリカ労働省が発表した2月の輸入物価指数は前の月に比べ0.2%のプラスとなり3ヵ月連続の上昇となりました。石油を除く工業用の素材や食品の輸入価格が上昇し全体を押し上げました。また、1年前と比べると4.6%プラスで、上昇幅は2012年2月以来の大きさでした。
 
 
EU首脳会議 トゥスク大統領の再任決定
EU=ヨーロッパ連合は9日に開いた首脳会議で、任期切れが迫るトゥスク大統領の再任を決めました。ただ、トゥスク大統領の出身国、ポーランドは、与党の党首がかつての政敵ということもあり、再任に反対したもようです。今回の決定を受け、トゥスク大統領は「EUをより良くするため最善を尽くす」と抱負を述べました。
 
 
物流倉庫火災でアスクル社長が陳謝
オフィス用品通販大手アスクルの岩田社長はきのう、東京都内で記者会見し、埼玉県の物流倉庫で発生した火災に関して「多大なご迷惑を掛けた」と謝罪しました。(アスクル・岩田社長)「近隣の皆様多くのお客様、取引関係先の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした」2月に埼玉県の物流倉庫で発生した火災は鎮火におよそ2週間かかるなど、大規模な被害をもたらしました。岩田社長は、欠品や遅配を解消するため今後、東京都内と埼玉県所沢市などに代わりの物流施設を整備する計画も説明しました。また、一部サービスを休止している個人向けのインターネット通販事業「ロハコ」についても、9月末をめどに完全復旧させる方針を示しました。
 
 
東芝の米原発子会社 破産法弁護士と契約か
経営再建中の東芝が、アメリカの原発子会社に、破産法の適用を申請させる方向で調整していることがわかりました。ロイター通信は、東芝が巨額損失を負う原因となったアメリカの原発子会社「ウェスチングハウス」が、破産法を専門とする弁護士と契約を結んだと報じました。「ウェスチングハウス」は、原発工事の遅れなどにより今後、さらに損失が膨らむ可能性があることから、東芝は、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条を使い、切り離すことを検討しています。ただ、破産法が適用された場合、アメリカ国民の負担が発生することになるため、外交問題に発展する可能性があります。「ウェスチングハウス」を巡っては、来週半ばに、世耕経済産業大臣が訪米し、アメリカのエネルギー担当の高官と協議する模様です。
 
 
セブン&アイのプライベートブランド 生鮮食品に拡大
セブンアンドアイ・ホールディングスは、10周年を迎えるプライベートブランド商品の新戦略として、生鮮食品の取り扱いを始めると発表しました。第1弾は、標高1,000メートル以上のフィリピンの農園で栽培したバナナなど3商品で、イトーヨーカドーなどで順次取り扱います。ブランド力があり利益率も高いプライベートブランドを生鮮食品に広げ、苦戦するスーパー部門を強化したい考えです。
 
 
独 新興右派AfD 「状況次第でEUから離脱すべき」
9月のドイツ連邦議会選で第3党に躍進する勢いを見せる新興右派政党、「AfD=ドイツのための選択肢」は9日、選挙公約を発表し状況次第で、EU=ヨーロッパ連合から離脱すべきを訴えました。AfDはEUは中央集権的だとしてドイツの利益をより追求する国家の連合に改変するよう要求し、実現できなければ「EUから離脱せざるを得ない」と主張しました。EUの中心的な役割を果たし「EUの盟主」とも称されるメルケル首相が率いる与党に対し、対決姿勢を鮮明にした形です。下院選でAfDが躍進すれば選挙後のドイツのEU政策に影響を与える可能性が高まります。
 
 
「森友小」の現地調査 大阪府 途中で打ち切り
国有地の売却問題で、学校法人「森友学園」が小学校を建設している土地に、大阪府が調査に入りました。しかし、調査はほとんど進まず、途中で打ち切りとなりました。調査では、工事費用や、ごみ搬出計画などについて、学園側から説明を求める予定でしたが、森友学園の籠池理事長の妻が府の職員を撮影し始めたため、途中で打ち切られました。大阪府は再度調査を実施する方針ですが、籠池理事長の妻が同席する場合は行わないと学園側に通告しました。
 
 
小池新党「国政研究会」設立へ
東京都の小池知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が、国政についての勉強会を今月中にも立ち上げることが関係者への取材でわかりました。勉強会の名前は「国政研究会」で、参加者は小池知事が設立した政治塾「希望の塾」から選ばれます。会の目的は、都政と国政の関係を研究するためとしていますが、衆議院選挙の候補者を発掘する狙いもあるとみられます。
 
 
サムスン側 起訴内容を全面否認
韓国の国政介入事件で、贈賄の罪などで起訴されたサムスングループの事実上のトップ、李在鎔被告の初公判に当たる公判準備手続きがきのう、開かれました。李被告はグループ内の企業合併で、政府に便宜供与を受けた見返りに朴槿恵大統領側に巨額の賄賂を贈ったとされています。李被告は出廷しませんでしたが、弁護人は起訴内容を全て否認しました。
 
 
「大統領のフェラーリ」が競売へ
今月31日からフロリダ州で行われるクラシックカーや希少価値の高いスポーツカーを集めたオークションでトランプ大統領が所有していたフェラーリが競売にかけられる見通しです。トランプ大統領が過去に新車で購入したという2007年モデルのフェラーリF430の予想の最高落札価格は、35万ドル=およそ4,000万円です。当時の販売価格が18万ドル程度だったので2倍近く価値が上がったことになります。トランプ大統領はこの車を4年間保有し、合計で3,800キロほど乗った、ということです。
 

■【コメンテーター】野村総研/井上哲也氏

・ ECB理事会・タカ派の印象

--ECB理事会が経済見通しを出しました。これを見ますと、景気には強気なほうに見て取れますね。19年は据え置きましたが、GDP・インフレ率ともに、17年・18年ともに上方修正です。

《ECBによる経済見通し(前年比%)》
            17年         18年       19年
・ 実質GDP   1.8(前回1.7)  1.7(1.6)  1.6(1.6)
・ インフレ率   1.7(前回1.3)  1.6(1.5)  1.7(1.7)
・ コアインフレ率 1.1         1.5       1.8 

「はい、そうですね。潜在成長率が1.1とか、1.2ぐらいのレベルですので、この(表の)1.8とか1.7という数字がかなりたかいですよね。」

--そうですよね。それからインフレ率に関しましては、前回よりも17年はかなり強く(1.7と)見ていますが、これは一時的で、原油の価格なんだと・・・。

「ええ、そうですね。それから食料品の価格も上がりましたので、ということですけれども、ただ実はあまり注目されていませんけれども、コアインフレ率で見ますと、18年にはだいたいコアインフレ率とヘッドラインのインフレ率が収斂するということは、一時的要因がなくなって自力でもこのぐらいのレベルになるというふうに見ているということですので、やっぱりこのドラギさんの説明と少し数字がちょっと違う感じがありますよね。ドラギさんは少し抑え気味に言ったという感じがありますね。」

--こういう数字を見ますと、やはり出口論というものも出てきますね。

「そうですね。ですからヨーロッパのマーケットでは、18年に、もしかしたらテーパリングとともに利上げが始まるのかなというふうに話し出した人が出てきているという感じですね。」

--量的緩和の縮小と利上げを一緒にするんですか。

「いまECBは、アメリカと同じように、量的緩和が終わった後に、利上げを始めるというロジックで言っているわけですけれど、その声明文自体が変わるんじゃないかということを考え始めているという感じがして、昨日の記者会見でもその質問が出ていました。」

--となると量的緩和を、今は12月まではやるというふうに言っていますけれども、その後、徐々に少なくしていくのではなくて・・・。
「ええ、時間をかけないで、もしかしたら変更的にやるのか、あるいは量的緩和をかなり速いペースで落としていくのか、ということを考え始めたのかなというふうに思います。」
 

・ きょうの経済視点 「forward guidanceへの信認?」

「forward guidanceって、中央銀行が先行きの政策について約束するということです。今まで日本もアメリカもヨーロッパも使ってきましたけども、正常化を始めたときにはだんだんこれを外していかないといけないわけですね。ですから今回のヨーロッパについても、量的緩和を続けてそのあと政策金利を上げます、という話がだんだん、本当にそうなのかなというふうに思い出していると思いますし、来週のFOMCも、本当に3回なのかなという話になってきているわけです。」

--でもそれはしないといけないことですか。環境がそれだけ急激に変わってきたということもあるんでしょうか。

「正常化をするプロセスでは、経済状況に合わせてフレキシブルに動かさないといけないので、なかなかもう約束はできなくなってしまうわけですね。」

--日本もいずれそういう日が来るでしょうか。

「結構先かもしれないですけどね。」