リクエストにお応えして、ついに登場。ニッポン放送の宮崎裕子デスクです。
かしこい主婦の幸福術 #2
固定費と変動費のどちらを節約するのか
※写真が一体何なのかは、文末で明らかになります。
私は、どんなことが起こっても、安心できるように、家計は普段からリストラしておくことが重要だと考えています。なぜかというと、いつ収入が途絶えるか分からない時代には、ある程度の貯金を持っていないと、不安が取り除けないからです。
私はとりあえず3年分の生活費は貯金しておこうと言い続けています。それだけの貯金があれば、いざというときに安心だからです。
例えば、リストラを言い渡された時、会社が倒産してしまった時、そして会社が敵対的買収で乗っ取られてしまった時、もし貯金を持っていないと、その日から生活に困ってしまいます。「会社が乗っ取られたって、関係ないじゃない」と思われるかもしれませんが、そうでもないことも多いのです。会社を乗っ取るのは、大抵は金の亡者の人です。早期に利益を上げるために、賞与のカット、大幅な賃下げ、それに逆らえばクビです。それだけではありません。毎日終電までサービス残業を強要され、鉛筆1本買うのも安い店を探して許可を取らなければならないなど、あらゆる締め付けが行われるのです。いままでの暖かい社内の人間関係や取引先との関係がガラガラと崩れていき、社内に残れても針のムシロというケースも、実際に私の知り合いの会社ではありました。
そうした時に、3年分の生活費を持っていれば、会社をスッパリ辞めるという選択肢を持つことができます。もちろん、その間に新しい就職先が見つかる保証はありませんが、それでも再就職先をあせって探さなければならないのと比べれば、随分ましです。
それでは、3年分の生活費を持つには、どうしたらよいのでしょうか。私が「年収の3年分」と言っているのには、意味があります。年収の3年分、例えば年収600万円の人が1800万円の貯金をするのは、大変です。ところが、年間300万円で生活できるようにしたらどうでしょうか。「生活費の3年分」は900万円となり、目標自体が半減します。しかも、年収600万円の収入があって300万円で暮らすのですから、5年もあれば目標金額を貯金することは可能になるでしょう。
「貯金ができるほど生活に余裕はないよ」と思われるかもしれません。しかし、もしあなたの世帯が年収300万円台を超えていたら、貯金は可能なはずです。なぜなら、統計で見ると、年収300万円台の世帯は、テレビ、冷蔵庫、洗濯機といった基本的な耐久消費財がほとんどの世帯で揃っていて、乗用車も7割の世帯が持っていて、しかも家計は黒字だからです。
いまでもギリギリの生活だと思われているあなた。本当に余裕はないですか?無駄な見栄をはっていませんか?見栄のすべてが無駄とは言いませんが、見栄をはるために家賃の高い場所に住んで、高い食材を買って、高い車にのって、高い服を着ていませんか?
それほど年収があるわけではないのに、「世間並み」の生活を続けようと、無理して働いて、結局定年を迎えたときに残ったモノは、ボロボロになった心と体だけというのでは、泣いても泣き切れません。
それでは、具体的にどうしたらよいのでしょうか。
まず、平均的な家庭がどのようにお金を使っているのか、2004年の「家計調査」でみてみましょう。勤労者世帯の月間実支出は41万5899円となっています。統計上、住宅ローンの支払いは「借金の純減」にカウントされていますので、この実支出には含まれていません。生命保険や個人年金の掛け金も同様で、実支出以外の「保険掛金」として扱われます。この二つの扱いは私たちの生活実感とは合いません。住宅ローンの支払いも保険の掛け金も、給料のなかから出ていくお金としては一緒だからです。
そこで上記の月間実支出に「土地家屋借金純減」の3万6246円と「保険掛金」の3万5318円を加えると、一ヵ月の支出合計は48万7463円となります。
この合計支出のなかで、すぐには減らせないものは何があるでしょうか。住宅ローン3万6246円(家計全体の7.4%)、保険料3万5318円(7.2%)の他に、簡単に思いつくものだけでも、家賃1万4932円(3.1%)、住居の設備修繕・維持5872円(1.2%)、保健医療1万1531円(2.4%)、自動車関係費2万5983円(5.3%)、通信費1万3421円(2.8%)、教育費1万9714円(4.0%)となっています。これらの固定費が、合計支出に占める割合は、合計33.4%で、全体の3分の1になっています。
つまり、家計の3分の2は、工夫次第で減らせる経費ということになります。雑誌で節約特集が組まれると、必ず登場するのが「大根を葉っぱまで料理に活用しよう」とか、「こうすれば洋服を長く使える」とか「新聞紙を使って汚れを取る」といったケチケチ作戦であるのは、このためだと思われます。
ただ、日々の生活費をいかに安くあげるのかという節約術は確かに大切なのですが、問題はそれが長続きするのかということです。最初はやる気になっても、いつの間にかタガがゆるんでしまい、もとの生活に戻ってしまうということは日常茶飯事なのです。
私は、毎月必ず出ていく固定費を削減するほうが、ものぐさの人にとっては効果が大きいと思います。多少手間がかっても、一度削減してしまえば、苦労なしにずっと節約を続けられるからです。
そこで次回からは、固定費の節約をどうするのかを取り上げていきますが、今回はおまけで、最近やった我が家の変動費節約をひとつだけ御紹介しておきましょう。
学研の『おはよう奥さん』の2005年4月号に掲載されていたアイデアです。題して「マカロニの代わりにうどんで洋食」!
記事にはこう書かれています。「1袋98円のマカロニに対し、うどんは1玉14円、しかもゆでる手間がないから、こっちのほうがラクチン!子どもが喜ぶ洋食が簡単にできます」。
一食272kcal、34円。
要は、マカロニの代わりに、生うどんをマカロニと同じ長さにカット、あとはマカロニと同じようにグラタンを作るのです。私はできないので、カミさんに作ってもらいました。それが写真のグラタンです。
作ってびっくり、何と私とカミさん以外の家族全員(と言っても3人ですが・・)、誰一人、マカロニでないことに気づかなかったのです。
これで、家計が数十円節約できました。なぜ数十円かというと、もともと安い店でマカロニを買っているので、生うどんとマカロニの価格差は、さほどないからなのだそうです。
固定費と変動費のどちらを節約するのか
※写真が一体何なのかは、文末で明らかになります。
私は、どんなことが起こっても、安心できるように、家計は普段からリストラしておくことが重要だと考えています。なぜかというと、いつ収入が途絶えるか分からない時代には、ある程度の貯金を持っていないと、不安が取り除けないからです。
私はとりあえず3年分の生活費は貯金しておこうと言い続けています。それだけの貯金があれば、いざというときに安心だからです。
例えば、リストラを言い渡された時、会社が倒産してしまった時、そして会社が敵対的買収で乗っ取られてしまった時、もし貯金を持っていないと、その日から生活に困ってしまいます。「会社が乗っ取られたって、関係ないじゃない」と思われるかもしれませんが、そうでもないことも多いのです。会社を乗っ取るのは、大抵は金の亡者の人です。早期に利益を上げるために、賞与のカット、大幅な賃下げ、それに逆らえばクビです。それだけではありません。毎日終電までサービス残業を強要され、鉛筆1本買うのも安い店を探して許可を取らなければならないなど、あらゆる締め付けが行われるのです。いままでの暖かい社内の人間関係や取引先との関係がガラガラと崩れていき、社内に残れても針のムシロというケースも、実際に私の知り合いの会社ではありました。
そうした時に、3年分の生活費を持っていれば、会社をスッパリ辞めるという選択肢を持つことができます。もちろん、その間に新しい就職先が見つかる保証はありませんが、それでも再就職先をあせって探さなければならないのと比べれば、随分ましです。
それでは、3年分の生活費を持つには、どうしたらよいのでしょうか。私が「年収の3年分」と言っているのには、意味があります。年収の3年分、例えば年収600万円の人が1800万円の貯金をするのは、大変です。ところが、年間300万円で生活できるようにしたらどうでしょうか。「生活費の3年分」は900万円となり、目標自体が半減します。しかも、年収600万円の収入があって300万円で暮らすのですから、5年もあれば目標金額を貯金することは可能になるでしょう。
「貯金ができるほど生活に余裕はないよ」と思われるかもしれません。しかし、もしあなたの世帯が年収300万円台を超えていたら、貯金は可能なはずです。なぜなら、統計で見ると、年収300万円台の世帯は、テレビ、冷蔵庫、洗濯機といった基本的な耐久消費財がほとんどの世帯で揃っていて、乗用車も7割の世帯が持っていて、しかも家計は黒字だからです。
いまでもギリギリの生活だと思われているあなた。本当に余裕はないですか?無駄な見栄をはっていませんか?見栄のすべてが無駄とは言いませんが、見栄をはるために家賃の高い場所に住んで、高い食材を買って、高い車にのって、高い服を着ていませんか?
それほど年収があるわけではないのに、「世間並み」の生活を続けようと、無理して働いて、結局定年を迎えたときに残ったモノは、ボロボロになった心と体だけというのでは、泣いても泣き切れません。
それでは、具体的にどうしたらよいのでしょうか。
まず、平均的な家庭がどのようにお金を使っているのか、2004年の「家計調査」でみてみましょう。勤労者世帯の月間実支出は41万5899円となっています。統計上、住宅ローンの支払いは「借金の純減」にカウントされていますので、この実支出には含まれていません。生命保険や個人年金の掛け金も同様で、実支出以外の「保険掛金」として扱われます。この二つの扱いは私たちの生活実感とは合いません。住宅ローンの支払いも保険の掛け金も、給料のなかから出ていくお金としては一緒だからです。
そこで上記の月間実支出に「土地家屋借金純減」の3万6246円と「保険掛金」の3万5318円を加えると、一ヵ月の支出合計は48万7463円となります。
この合計支出のなかで、すぐには減らせないものは何があるでしょうか。住宅ローン3万6246円(家計全体の7.4%)、保険料3万5318円(7.2%)の他に、簡単に思いつくものだけでも、家賃1万4932円(3.1%)、住居の設備修繕・維持5872円(1.2%)、保健医療1万1531円(2.4%)、自動車関係費2万5983円(5.3%)、通信費1万3421円(2.8%)、教育費1万9714円(4.0%)となっています。これらの固定費が、合計支出に占める割合は、合計33.4%で、全体の3分の1になっています。
つまり、家計の3分の2は、工夫次第で減らせる経費ということになります。雑誌で節約特集が組まれると、必ず登場するのが「大根を葉っぱまで料理に活用しよう」とか、「こうすれば洋服を長く使える」とか「新聞紙を使って汚れを取る」といったケチケチ作戦であるのは、このためだと思われます。
ただ、日々の生活費をいかに安くあげるのかという節約術は確かに大切なのですが、問題はそれが長続きするのかということです。最初はやる気になっても、いつの間にかタガがゆるんでしまい、もとの生活に戻ってしまうということは日常茶飯事なのです。
私は、毎月必ず出ていく固定費を削減するほうが、ものぐさの人にとっては効果が大きいと思います。多少手間がかっても、一度削減してしまえば、苦労なしにずっと節約を続けられるからです。
そこで次回からは、固定費の節約をどうするのかを取り上げていきますが、今回はおまけで、最近やった我が家の変動費節約をひとつだけ御紹介しておきましょう。
学研の『おはよう奥さん』の2005年4月号に掲載されていたアイデアです。題して「マカロニの代わりにうどんで洋食」!
記事にはこう書かれています。「1袋98円のマカロニに対し、うどんは1玉14円、しかもゆでる手間がないから、こっちのほうがラクチン!子どもが喜ぶ洋食が簡単にできます」。
一食272kcal、34円。
要は、マカロニの代わりに、生うどんをマカロニと同じ長さにカット、あとはマカロニと同じようにグラタンを作るのです。私はできないので、カミさんに作ってもらいました。それが写真のグラタンです。
作ってびっくり、何と私とカミさん以外の家族全員(と言っても3人ですが・・)、誰一人、マカロニでないことに気づかなかったのです。
これで、家計が数十円節約できました。なぜ数十円かというと、もともと安い店でマカロニを買っているので、生うどんとマカロニの価格差は、さほどないからなのだそうです。
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