自己免疫性リンパ増殖性症候群(ALPS)のページを更新
- 自己免疫性リンパ増殖症候群(Autoimmue lymphoproliferative syndrome)はアポトーシス(細胞死)の障害によりリンパ球の増殖を示し、肝脾腫、リンパ節腫脹が起こり、自己免疫疾患を合併する症候群である。またリンパ性腫瘍の発症頻度が高いことでも知られる。原因としてFAS依存の細胞死経路にかかわるFAS、FASリガンド、カスパーゼ10の遺伝子異常があげられる。またその類縁疾患としてカスパーゼ8欠損症やRAS関連自己免疫性リンパ増殖症候群様疾患 (RALD)、 Dianzani自己免疫性リンパ増殖症 (DALD)、X連鎖リンパ増殖症 (XLP1)が知られている。
リンパ節腫脹、肝脾腫を示す。自己免疫異常の結果、血小板や赤血球、好中球に対する抗体が産生され、血小板減少症、溶血性貧血、好中球減少などを示すことがある。自己免疫性の血小板減少症、溶血性貧血を示すエバンス症候群の半分程度がALPSであるとの報告もある。自己免疫性の腎炎、肝炎、ぶどう膜炎、関節炎などを合併することもある。自己免疫病態は主として乳児期に目立ち、成長とともに軽快するものが多いとされているが、一部の症例では成人してからも多様な自己免疫疾患の合併が認められる。RALDを始めとしたALPS類縁疾患とALPSを症状より鑑別するのは難しいが、カスパーゼ8欠損症は免疫不全を強く呈することが知られている。