ワクチン副反応対策で需要増の解熱鎮痛剤 降圧剤などとの飲み合わせリスク
021.09.12 07:00(週刊ポスト)
『全国の65歳以上の新型コロナワクチン接種率(2回目)が8割を超えるなか、多くの人が接種後の痛みや発熱を訴えている。
そのなかで処方薬はもちろん、市販薬の売り上げが急増しているのが解熱鎮痛剤だ。厚労省が「必要な場合は解熱鎮痛剤を服用するなどして、様子を見ていただく」と推奨したこともあり、8月第1週の市販解熱鎮痛剤の販売額は、前年同期比66%増となる18億8400万円を記録した。
しかし銀座薬局代表で薬剤師の長澤育弘氏は「解熱鎮痛剤は組み合わせに注意が必要だ」と語る。』
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ワクチン接種後の急激な運動にも注意が必要ですが、安易に飲まれている解熱鎮痛剤も他の薬を常用している人にも注意が必要です。
【非ステロイド性抗炎症薬の併用でまず注意すべきは高血圧の患者】
・降圧剤のACE阻害薬と併用すると、血管を広げる作用があるプロスタグランジンが抑制され、降圧作用が弱まる恐れがある。
・高血圧でチアジド系利尿薬を飲んでいる患者も非ステロイド性抗炎症薬の併用で降圧作用が減る恐れがある。
・糖尿病の薬のなかでもSU薬は効果が強い薬ですが、非ステロイド性抗炎症薬と併用するとSU薬の血中濃度が高くなり、血糖値が下がり過ぎて低血糖になる可能性がある。
・向精神薬や抗リウマチ薬も非ステロイド性抗炎症薬との併用で作用が増強する恐れがある。
・抗凝固薬(ワルファリン)とで、抗凝血作用を増強する恐れがある。
【アセトアミノフェンのなかで大きなリスクとなるのが「肝障害」】
・アセトアミノフェンは抗凝固薬や抗てんかん薬との組み合わせもリスクが指摘されている。
・抗凝固薬(ワルファリン)とで、抗凝血作用を増強する恐れがある。