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森の里ホームズのブログ

コロナワクチンによるIgG3減少とIgG4の異常増加

今年もよろしくお願いします。

正月早々恐ろしいデータの紹介ですが、コロナワクチン接種後、

・接種 2回目から時間の経過と共に IgG3 が最大ゼロにまで減少する

・接種 3回目から IgG4 が異常値といわれる水準まで上昇する

というサイエンスのデータがあります。

Class switch towards non-inflammatory, spike-specific IgG4 antibodies after repeated SARS-CoV-2 mRNA vaccination

【RNAワクチンは、SARS-CoV-2のパンデミックに対する効率的な予防策である。高レベルの中和SARS-CoV-2-抗体は、ワクチン誘発免疫の重要な構成要素である。最初の2回のmRNAワクチン投与後まもなく、IgG反応は主に炎症性サブクラスIgG1およびIgG3から構成される。2回目のワクチン接種から数ヵ月後、SARS-CoV-2特異的抗体は非炎症性IgG4で構成されるようになり、3回目のmRNAワクチン接種やSARS-CoV-2亜型の破瓜感染によってさらに増強されたことを報告する。スパイク特異的IgG抗体のうちIgG4抗体は,2回目接種直後の0.04%から3回目接種後期には19.27%に平均的に上昇した.このIgG4抗体の増加は,アデノウイルスベクターを用いた同種または異種のSARS-CoV-2ワクチン接種後には認められなかった.単細胞解析とフローサイトメトリーにより、3回のワクチン接種後、スパイク結合メモリーB細胞集団の中に、メモリーB細胞全体のレパートリー(中央値1.3%、IQR0.9-2.2%)と比較してかなりの頻度でIgG4スイッチドB細胞が存在することが判明した。重要なことは、このクラススイッチが、抗体依存性の細胞貪食および補体沈着を媒介するスパイク特異的抗体の能力低下と関連していたことである。Fcを介したエフェクター機能は抗ウイルス免疫に重要であるため、これらの知見は、SARS-CoV-2に対する将来のブースター免疫など、mRNAワクチンを用いたワクチン接種レジメンの選択およびタイミングに影響を与える可能性がある】

液性免疫応答において重要な役割を果たす免疫グロブリン(IgG)には4つの IgG サブクラスがあります。

自己免疫疾患で異常値(SLE で IgG1、IgG2、IgG3 が高値、関節リウマチで IgG2、IgG3 が高値、アレルギー疾患で IgG4 が高値、AIDS で IgG1、IgG3
が高値、自己免疫性膵炎で IgG4 が高値など)を示すことがあります。

また、IgG2欠損が認められないので、肺炎球菌、インフルエンザ桿菌による反復性気道感染が起こりにくいかもしれません。

接種 2回目から時間の経過と共に IgG3が減少しています。IgG3は通常4~8%しか含まれていませんが、IgG3 欠損症になると免疫不全症になります。細菌感染,とくに肺炎球菌やインフルエンザ桿菌に対して易感染性を呈し,中耳炎,気管支炎,肺炎を繰り返す,重症化する,抗生剤治療に対する反応が不良になる場合があります。
(参考:IgGサブクラス検査:IgG2,IgG3

IgG4関連疾患では、主に膵臓、唾液腺、涙腺、腎臓、血管/後腹膜などを含む全身のいろいろな臓器が腫れたり、硬くなったりする原因不明の病気で、何らかの免疫異常が関わっていると考えられています。多くの患者さんでみられる特徴的な免疫異常の一つとして、IgG4という免疫グロブリンの一種が血液中で高値であること、おかされた臓器にIgG4を産生する細胞が数多く浸潤していることが挙げられます。唾液腺、涙腺がおかされる患者さんでは男女差がはっきりしませんが、膵臓や腎臓、血管/後腹膜に病変を持つ患者さんでは、一般に高齢の男性に比較的多くみられます。
おかされる臓器により現れてくる症状も異なり、膵臓や胆管の病変では腹痛や皮膚の黄染(黄疸)が、唾液腺、涙腺の病変では同部の腫れに加えてドライアイや口腔乾燥が、肺の病変では咳や喘鳴が、血管周囲や骨盤内の病変ではむくみや腹痛、腰痛などがみられることがあります。また、この病気自体は悪性腫瘍ではありませんが、病気の診断の前後や治療の経過中に、悪性腫瘍(悪性リンパ腫、いろいろな臓器のがん)を認めることが一般人口における頻度よりも多いとされています。
検査結果では血液中の免疫グロブリン、特にIgG4値の増加がしばしばみられ、またおかされる臓器により腎機能障害(腎臓、血管周囲・骨盤内病変)、血中ビリルビン値や肝胆道系酵素の上昇(膵臓、胆管病変)などを認めることがあります。CT検査などの画像検査で、おかされた臓器は全体的もしくは部分的に腫れることが特徴ですが、早期の段階では腫れが目立たないこともあります。確定診断のためには、おかされている臓器の一部を採取(生検)することが望ましく、得られた組織ではIgG4の産生細胞を含んだ炎症像や線維化を認めることが特徴です。

ワクチン接種後体調不良がある場合、IgG4を測定してもらうのも良いかもしれません。


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