地球人のたわ言

日々の驚き、感じたことを書いてみます。

知恵と苦労の結晶

2024年05月29日 12時06分33秒 | 日記
 昔、母の弟、叔父は養鶏家で小さなスーパーも経営していました。
 母と私は時々、叔父の家に泊りがけで遊びに行きました。
 叔父は私たちが帰る時、お土産に産みたての卵を沢山、200個位持たせてくれました。
 叔父にとって、卵は知恵と苦労の結晶だったはずです。
 その卵は親類や近所の人におすそ分けしました。

 ところが母は、叔父のスーパーのレジスターにお札が次々入ってくるのを見て羨ましいようでした。
 母は叔父に
 「あんなに沢山お金があるのに、私にお小遣いをくれない、、、」

 母はそのずっと前に、叔父に背広など買ってあげたことがありました。
 私は母から何度もその話を聞きました。それが自慢だったのでしょう。
 だから、あんなにお札があるのだから、卵よりお札をくれればいいのに、と。

 叔父は
「姉さんは卵はタダの物と思っているのね。卵は僕にとっては現金と同じ。売れば現金になる物なんだよ」
 母は黙っていましたがどう思ったか分かりません。

 このことは子供だった私に強い印象を与えました。
 誰かに何かを頂いた時、
「畑になったものだから」
とか言っても、その人は、種を撒いたり肥料を与えたり草取りしたりとご苦労があって出来たもの。
 あるいはまた
 相手が
「頂いた物のおすそ分けだから気を使わないで」
とか言っても、その人がそれなりのお付き合いをしているから「頂いた」のである。
 決して軽々しく思ってはいけない、と。

 叔父はもうとっくに養鶏業をリタイヤしましたが、私は今でも卵の値段が下がると嬉しい反面、養鶏家のご苦労が気になります。

     


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