勝手に応援、桃太郎日記

応援したい人・組織などを、勝手に応援しています。
私の 「忘備録」・「切抜き帳」の、公開でもあります。

成果主義・拝金主義・組織の劣化から「偽」の大量生産へ 

2008年01月04日 | 戦争と平和(政治・経済・安全)

道をひらく』(松下幸之

・・・作家の藤本義一氏が若いころ、あるラジオ番組でゲストに故・松下幸之助氏を呼んだことがあったらしい。その番組内で藤本氏は「メーカーが次々に新製品を出して買い替えさせようするものだから消費者は大変迷惑している」などと、持ち前の毒舌をもって家電批判を繰り広げた。そう言われた幸之助氏は、真っ赤になって怒った。けど、適当な反論ネタが思い当たらない。結局、「何だ、そんな長い髪をして(当時藤本氏は長髪だったらしい)。お前なんかウチの入社試験を受けに来ても絶対に合格せんぞ」などと、見当違いな個人批判を藤本氏に浴びせた。ふとスタジオの外を見ると、幸之助氏の「取り巻き幹部」のような人たちが、親の仇でも見つけたような恐い顔をして藤本氏を睨んでいたという。  

この話には後日談がある。タクシーに乗っていると、運転手にこう話しかけられた。「藤本義一さんですよね。先日松下幸之助さんをお乗せしたのですが、ずいぶん褒めておられましたよ」。「冗談でしょ」と言ったけど、どうも本当らしい。「いやね、えらく気骨のある方だとベタ褒めでした。けどね、自分の周りにはそんな人が誰もいなくなったと、それは嘆いておられましたよ」。さすがに幸之助氏くらいになると、まっすぐに意見できる人は周囲にただの一人もいなくなるらしい。けど、そういうことに自ら気付いて、嘆くなどということは、誰にでもできることではないだろう。

-----------------  

・・・成果主義の導入に歩調を合わせるように、多くの企業が派遣社員や契約社員などの、いわゆる正社員以外の労働力を大いに活用するようになったことだ。正社員を階層化し、さらに正社員の下に新たな階層を設けるということか。何だか、狡猾な徳川幕府の身分制度に似てなくもない。  

・・・日本を除く世界各国はバブル景気に沸いてきましたが、世界の主要都市の不動産賃貸料は世界一高かった東京を追い抜いている。いわば80年代の日本のバブルをアメリカをはじめとする世界が体験しているのです。いわば日本で生まれた不動産資本主義で世界は好景気が続いてきたということが出来る。  

・・・しかし日本で起きたようにバブル崩壊はいつかは起きるのであり、アメリカでバブル崩壊が起きたときに真のアメリカの経済力が問われる時が来るだろう。アメリカの空洞化した経済はIT産業や農業軍需産業などを除いて国を支える産業が無い。成果主義を突き詰めていけば国によって保護された産業を除いてみんな人件費の安い国に行ってしまう。  

・・・このままでは日本もアメリカの後追って産業は空洞化していくだろう。そして成果主義は日本人の労働賃金を低下させていく。ソニーはかつては高給エレクトロニクス製品のメーカーでしたが、今では普通の電気製品の会社になってしまった。それは1995年に取り入れられた成果主義が原因なのだ。・・・   拝金主義の台頭,組織の硬直化,密告社会という三つの現象は、「成果主義」が導入された結果として「偽」の大量生産に結びついた - TORA 2007/12/30 から  

---------------  

藤本義一 - Wikipedia  松下幸之助 - Wikipedia

成果主義 - Wikipedia  成果主義では個人に掛かる負担と責任が大きくなる。その為、従業員の残業や自宅作業が増加するなど、従業員の労働管理が難しくなる。一方で実績や評価が得られていない場合や不当に低いと感じた場合、これに絶望する者が出る場合もある。その為、企業にとっても従業員の過労死自殺鬱病・職場放棄・成人病増加などの潜在的なリスク要因が増加する事がある。

(ブログ内の過去の記事)近江商人の、三方よし「売り手よし、買い手よし、世間よし」   

「市場原理主義」から「共生主義」へ。江戸」から学ぶことが多いようです 


最新の画像もっと見る