勝手に応援、桃太郎日記

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サブプライム・ローンは、悪魔の知恵 (詐欺のようなもの)

2008年01月22日 | 戦争と平和(政治・経済・安全)

サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉』(宝島社新書)

●(寺島実郎)・・・サブプライム・ローンとは何か。米国経済の下支えとされた「住宅投資ブーム」を長引かせるためにはどうすべきかというテーマが背景にあった。本来、家など建てる資産も収入もない貧困層に家を建てさせることに思いが至り、住宅ローンなどを借りる条件を満たさない黒人・ヒスパニックを中心とする低所得層に審査基準の緩い、しかも低金利での貸し出しシステムが創案されたのである。

当初は低金利での融資で借入者への負担を軽くして家を建てさせ、数年後急に金利が引き上げられる条件になっている。常識的には、そんな無理なローンを組んでもやがて返せなくなり延滞が発生すると考えるはずだが、住宅ブームが続き、住宅価格が値上がりを続けるという前提でこのビジネスモデルは成立している。

例えば、購入した住宅が三年後に二倍に値上がりしていれば、それを担保により有利な条件でのローンを組み直すという楽観シナリオでこの仕組みが回ることになる。しかし、住宅ブームがいつまでも続くわけはなく、低金利融資の年限がきて、ローンを返せない延滞者が急増し始めたということである。

・・・冷静にいえば、サブプライム・ローンの総額は一・三兆ドル程度だという。そのすべてが焦げ付いているわけではなく、延滞比率はプライム・ローンが四%未満なのに対して一四%前後、したがって、実際に焦げ付く規模は約一八〇〇億ドル(約二〇兆円)である。先に述べたように先進各国が市場に緊急避難的に投入した資金総額は五五兆円にもなり十分に機能してもよいのだが世界の不安は収まらない。

何故ならば「証券化」という手法によってサブプライム・ローンが埋め込まれた金融商品、例えば不動産ローン担保証券(MBS)や債務担保証券(CDO)などが七兆ドルもの規模で売り込まれ、肥大化した世界中の過剰流動性が買い手となったからである。「リスクが見えないから安心」という証券化手法が、皮肉にもリスクを世界中に拡散させ、焦げ付きの兆候が現れるや、関連金融商品全体の信用崩壊へとつながり、連鎖的に際限なき「証券投資からの資金引き上げ」「同時株安」が進行する。市場を騙した悪魔が市場によって逆襲されている構図である。・・サブプライム・ローンなる悪魔の知恵岩波書店「世界」2008年1月号 脳力のレッスン69

サブプライム・ローンは、詐欺のようなものですね

サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 [宝島社新書] (宝島社新書 254) 春山 昇華 (17件のカスタマーレビュー)   「だれが」「どういう目的で」「何をした」 かが記されているので、問題の本質を筋道だてて理解できました。 事例が豊富にあるので 金融や経済の入門書としてもいいんではないでしょうか。


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