モモ(DVD)
モモは8歳か12歳の大きな黒い瞳を持つ、ちいさな少女です。その大きな黒い目で相手を見つめ、だまってはなしを聞くだけなのです。町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気もちになるのです。
「ほんとうに聞くことのできる人はめったにいなものです。モモに話をきいてもらっていると、ばかな人にもきゅうにまともな考えがうかんできます。モモがそういう考えを引き出すようなことを言ったり質問したりした、というわけではないのです。彼女はただじっとすわって、注意ぶかく聞いているだけです。その大きな黒い目は、あいてをじっと見つめています。するとあいてには、じぶんのどこにそんなものがひそんでいたかとおどろくような考えが、すうっとうかびあがってくるのです。」
不思議なことに、町の人たちの諍いも止んでしまうのです。「ほんとうに聞く」って大事なのですね。
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-映画批評空間-CinemaScape/モモ(1986/独=伊)
●時間の花 ・ 「 時間とはいのちなのです。」 エンデ著『 モモ 』から ( 1 )