勝手に応援、桃太郎日記

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「江戸しぐさ」で、心豊かな共生社会をつくりましょう。 (2)

2007年11月20日 | 本を読めども、箴言にふれても・・・
  公共広告機構で使われていた「江戸しぐさ」のポスター


特集WORLD:ちょいと江戸しぐさ 共生目指す粋な暮らし-特集ワールド:(毎日)

(抜粋)代表的な江戸しぐさは、すれ違う際、傘を人のいない方に傾ける「傘かしげ」▽ぶつからないよう右腕を引く「肩引き」▽腰を少し浮かせて空席を作る「こぶし腰浮かせ」。でもこれらはほんの序の口。一説には、江戸しぐさは約8800にも上るといわれる。

 著作や講演で、その伝承活動に取り組んできた越川禮子さん(79)によると、徳川幕府の最盛期、江戸には100万人以上が住み、その半分を町方と呼ばれる商工業者が占めた。だが、町方の居住面積は江戸全体の約16%。狭い場所での暮らしをできるだけ心地よくしようと、リーダー格の商人たちが考案したのが江戸しぐさだった。

 越川さんは20年ほど前、江戸しぐさに興味を持ち、研究を始めたが、江戸の町人たちは「文章にすると俗化する」との考えから、もっぱら口伝えで体で覚えるようにしてきたため、文献らしきものは残っていなかった。

 91年に、ようやく伝承者の芝三光(しばみつあきら)(本名・小林和雄)氏を探し当てた。芝氏は芝白金三光町(現在の東京都港区白金)の旧家出身。戦中は国文学、戦後に電子工学を学び、科学雑誌の編集長を務めたが、体を壊して引退。以後約40年間、先祖伝来の江戸しぐさの講演などに専念した。越川さんは「消えつつある口承文化を、ぜひ聞き書きさせてほしい」と説得。99年に芝氏が亡くなるまで面接を重ね、その成果をこれまでに3冊の本にまとめている。

 越川さんが苦労の末に発掘した江戸しぐさの中から、いまも活用できそうなものをピックアップしてみよう。

 <三脱(さんだつ)の教え>初対面の人に年齢、職業、地位の三つを聞かないしきたり。江戸後期になると、経済力を蓄えた町方は武家に対して身分の差を意識しなくなった。こうした機運の中で先入観を捨て、誰とでも同じ目線で付き合う姿勢が生まれた。

 最も下品とされたのが、弱い立場の人に威張ること。「たかが選手が」と言い放った球団経営者などは、この精神を学ぶべきか?

 <用心しぐさ>昨年は女児の殺害事件が相次いだが、江戸も人の出入りが多く、油断ならなかった。だが、当時は地域ぐるみで子供を守る意気込みがあり、万が一、地元で人さらいなどが起きれば、住民全員の恥。子供たちも、知らない人の言葉をうのみにしないようしつけられていた。

 <百人番頭>江戸のビジネス界は、適材適所主義で活気にあふれていた。大店(おおだな)には「島耕作」のようなやり手の管理職がおり、部下を大勢動かせることからこんな別名があった。

 「商家は女次第」ともいわれ、特に旅籠(はたご)や料亭などでは女性が活躍した。「明和の三美人」の一人とされる笠森おせんは、豊かな教養と落ち着いた声で武士らに応対し、谷中の水茶屋を繁盛させたという。

 江戸っ子は腕比べ、知恵比べの競争心にあふれていたが、決して弱肉強食の社会ではなかった。失敗こそ次へのステップと考え、「負け組」を励ますことも忘れなかった。例えば花相撲の後、タニマチは黒星力士だけを集めて盛大な宴会を催した。

 <尊異論>異質な意見や価値観にも耳を傾け、外国とも共存することを心がけていた。芝氏は「明治以降、天皇が現人神(あらひとがみ)になり、批判精神が許されずに戦争が起きた」と嘆いていたという。戦後、GHQ(連合国軍総司令部)でアルバイトしたこともある同氏は、その合理主義、理想主義に江戸しぐさとの共通点を見いだし、大いに示唆を受けたそうだ。ひょっとしたら江戸しぐさは、日本土着の民主主義だったのかもしれない。

 江戸しぐさが完成したのは江戸末期の文化文政時代(1804~30年)で、町民文化はらん熟していた。いまと同様に物が余り、少子化傾向もあったという。

 越川さんは「江戸しぐさは単なるマナー、処世術ではありません。日本のある絶頂期に生まれた、誇り高い人生哲学といえるものです。自由かっ達な共生社会を目指すその思想は、21世紀を生きるわれわれにも十分ヒントになります」と話す。

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「江戸しぐさ」道徳教材に :(読売新聞) 
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20060407ur02.htm


【江戸1】〜【江戸 8】
http://n-geneki.com/edo_01.htm 




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★「江戸しぐさ」で、心豊かな共生社会をつくりましょう。
http://blog.goo.ne.jp/momotaro-1941/e/fa4e7cf58c9345c382392cba610b1c17

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