小枝ちゃんの肉球

メイサと一緒に小枝ちゃんを連れて病院へ行きました。
ご飯はパクパク食べるようになったのですが、うんちが真っ黒なのです。明らかに消化器系からの出血…

先生に診てもらいました。
前回は自分の預かり犬では無かったので、話の最後の部分だけ聞いていただけだったのですが、今日は先生に詳しく聞きました。

骨と皮に包まれただけの身体に不似合いな大きなお腹。
これは全て癌だそうです。


脱水症状があると辛いそうなので、輸液をすることになりました。
手順の説明を受け、明日から私が家でやるのです。

時間があれば小枝ちゃんを抱っこしています。
身体中を撫で回し、話し掛け…。

肉球を触りながら「小枝ちゃんの肉球可愛いね～…」

…
…
…

そこで私は言葉に詰まってしまいました。
まるで子犬のように柔らかい肉球…
おそらく一度も散歩したことの無い…
そしてこれからも…

ももの堅いがっしりとした肉球を思い浮かべ、泣きました。


本来ならば草の上でかけっこしたでしょう。
いろいろな所に出掛け
いろいろな景色を眺め
花や風の匂い、落ち葉をカサカサ踏む感触
お日様の温かさを感じて…

それら全て、この子にはないのかと…

こんなに可愛くて素直で人懐っこくて。

なんで‥‥‥

くやしくてくやしくてくやしくて
小枝ちゃんの肉球をいつまでも撫でていました。