2009年10月18日(日)7時 サントリーホール
小菅優さんの
ピアノリサイタルへ行って来ました。
現在ヨーロッパで高度なテクニックと美しい音色、若々しい感性と深い楽曲理解で最も注目を浴びている若手ピアノニストの一人である。
特に、『ダイナミックな音楽表現』(ハノーファー・アルゲマイネ紙)や『天使の翼の先端が頬に触れた瞬間を感じさせるピアニシモ』(フランクフルター・アルゲマイネ紙)など、ヨーロッパの群衆から熱狂的な支持を得ている。
~プログラム・ノートより~
現在もドイツ在住の小菅優さんは、9歳に単独でドイツ留学を『自らの意思』で果たし、以来、着実に演奏経験をされ、数々のコンサートでの名演を積み重ね絶賛され、世界的なピアニストへと成長された若手ピアニストです。
9歳でのドイツ留学の決断にあたって、当時この年齢での留学は前例がなかったため、VISA発給・言葉や学校のこと等、渡独の際はたくさんの問題が山積みだったとか。

小菅優さんを知ったきっかけは、数年前にテレビ放映された『
情熱大陸』。 それ以来の大ファンです。 放映中のたった数十秒間で聴いたピアノ曲に、とっても私の心に響くものがありました。 ただ打ち付けるだけではない、深く情熱的なフォルテ。 切なくて心に浸み渡る、鍵盤をただ触れているかのような美しいピアニシモ。 彼女から紡ぎだされるダイナミクスは、特にフォルテが素晴らしく、全ての気持ちがここに籠められているようでもありました。 リストやショパンなどの超絶技巧も彼女は簡単に弾きこなしてしまいますが、それがただテクニークだけに及ばず、一つ一つ音色を積み重ねて演奏されてるように感じます。

(←オススメCDです)
今回初めて生演奏を拝聴しましたが、ソロピアノにもかかわらず、鍵盤一つ一つがまるでオーケストラでの楽器をそれぞれ奏でるような、深さや厚み、幅広く、そして迫力のあるオーケストラゼーションを感じ、とっても感動・感激しました。
2歳からピアノを始めた小菅優さんは、ピアノのことを『家にある一番大きなおもちゃだった』、『ピアノは自分の気持ちを表現できるもの』とおっしゃいました。 その時のインタビュー映像が、とても自然で”一演奏家”として、飾らない素直な気持ちなのが伝わりました。

(←こちらのCDもオススメ)
いい演奏を聴くと、自分もあんな風に弾ける気分になり(言い過ぎ?!)、あーーー、ピアノやりたい!!!などと図々しく思ってしまいます(笑)
ブラバー

ちなみに、私たちが普段呼んでいる楽器名『ピアノ』は、イタリア語で『PIANOFORTE(ピアノフォルテ)』と呼びます。
ピアノフォルテ(=ピアノ)はチェンバロ、という楽器から生まれました。 ピアノはチェンバロとは違って、強い音も弱い音も段階を追って表現できる楽器です。 ということで、私たちが音楽の強弱記号として学校で習った、『PIANO(ピアノ=弱く)』と『FORTE(フォルテ=強く)』の2つの言葉がそのまま楽器の名前に当てはめられました。
ピアノが発明されたのはイタリアのフィレンツェで、クリストーフォリというメディチ家のチェンバリスト(=チェンバロ演奏者)によって1698年~1700年頃に考案されました。
現在のピアノは『PIANOFORTE(ピアノフォルテ)』と呼ばれていますが、実は初期の段階では『FORTEPIANO(フォルテピアノ)』と呼ばれていました。 いつのまにかFORTE(フォルテ)とPIANO(ピアノ)の位置が入れ替わったそうです!
Program
ワーグナー/リスト編 「タンホイザー」序曲 S.442
シューマン 交響的練習曲 op.13 (遺作変奏付き)
ブラームス ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 op.5
~アンコール~
メンデルスゾーン 無言歌集より「デュエット」
メンデルスゾーン 無言歌集より「紡ぎ歌」
モーツァルト ピアノソナタ K330 第1楽章