第16章 潜在意識と調和的人間／ためになる人間関係の指針(J.M)

①　あなたの潜在意識は録音機のようなものであって、あなたが習慣的に考えていることを再現します。他人のことをよく考えなさい。そうすれば実際には自分のことをよく考えていることになります。

②　憎悪や忿懣(ふんまん)は心の毒です。他の人を悪く思ってはいけません。というのは、そうするのは自分のことを悪く思うことだからです。あなたは、自分の宇宙の中で思考している唯一の人です。そして、あなたの考えていることには創造力があります。

③　あなたの心は創造力ある媒体です。ですから、あなたが他人について考えたり感じたりすることを、あなたは自分の体験という形で実現させているのです。これが黄金律の真理学的意味です。他人が自分のことをこう考えてくれたらよいなあと思うように、他人のこともそう考えなさい。

④　他人を欺き、奪い、だますことは、欠乏、損失、不自由を自分にもたらします。あなたの潜在意識はあなたの内なる動機や考えや感じを記録します。これらは、否定的性質のものですから、無数の方面で損失、不自由、紛争があなたにやってきます。実際、あなたが他人にやることは、あなた自身にやっているのです。

⑤　あなたのやる善行、あなたの提供する親切、あなたの送り出す愛と善意は、いろいろな面で何倍にもなってかえってきます。

⑥　あなたは自分の世界の中で思考している唯一の人です。あなたは他人についてどう考えるかについて、他人のほうには責任がないのだということを忘れないでください。あなたの考えは再現されます。あなたはいまほかの人についてどう考えていますか。

⑦　情緒的に成熟して、ほかの人が自分と意見が違っても、それを認めてあげなさい。他の人には、あなたと意見が違ってもよいという完全な権利があります。またあなたのほうでも、他人と意見を違にする同じような自由があります。あなたは不愉快になることないし、異説を唱えることができます。

⑧　動物はあなたの恐怖の波動感じてあなたにかみつきます。あなたが動物を愛するならば、彼らはけっして攻撃を加えません。多くの訓練を欠いている人たちは、犬や猫やほかの動物同様に敏感です。

⑨　あなたの心の中の言葉は、あなたの声に出さない考えや感じを示し、あなたに対するほかの人の反応という形で体験されます。

10　自分自身のために願うことを他人のためにも願いなさい。これこそ調和的な人元関係に至る秘訣です。

11　あなたの雇い主に対するあなたの考え方や評価を変えなさい。雇い主は黄金律と愛の法則を実行しているのだと感じ、また、信じなさい。そうすれば、雇い主のほうもそれに応じた反応を示すでしょう。

12　あなたがそうさせないかぎり、他人があなたを苦しめたり、いらいらさせたりすることができません。あなたの考えには創造力があります。あなたは他人に祝福を与えることができます。ある人があなたを「鼻持ちならぬやつ」と言ったからと言って、あなたのほうでは、彼に「神の平和、汝の魂を満たす」と言ってやる自由があるわけです。

13　愛は他人といっしょにやってゆく鍵です。愛とは理解であり、善意であり、他人の神性に対する尊敬です。

14　あなたはまさか身体障害者を憎まないでしょう。同情を持たれることでしょう。否定的な条件付けを受けている精神的な弱点に対して同情と理解を持ちましょう。すべてを理解することはすべてを許すことです。

15　他人の成功や昇進や幸福を喜びましょう。そうすることによってあなたは幸福を自分自身に引きつけるのです。

16　感情的な議論や他人のかんしゃくにつられてはいけません。なだめてもむだです。靴ぬぐいになってはいけません。正しいことからあくまでも離れてはなりません。自分の理想を手離さず、自分に平和や幸福や喜びを与えてくれる考え方は正しく、善く、真理なのだと確信しなさい。あなたを祝福してくれるものは、万人を祝福します。

17　あなたが世の中の人みんなに支払わなければならないのは愛です。そして愛とは、あなたが自分自身のために祈るもの、つまり健康や幸福や、その他あらゆる人生の祝福をみんなのために祈ることです。