いのちへの 問

私が死んだら　今の記憶は誰かに引き継がれるのだろうか

ふと考えた。

静かで　静かで　平和な一瞬だからこそ

考えた。

 

豪雨が過ぎ、秋晴れが広がり

高い空から聴こえる飛行機の音

風もなく　キラキラと眩しく静かな朝。

 

永遠に続けばいいのに・・・

暖かい太陽が全身を包み込むほどに
胸がぎゅっと苦しくなった。

私も親も皆　いつかは死ぬ。

だけど今この時に
それを感じる事は出来ない。

こんなにも素晴らしい世界の後に
何が待っているんだろう。

今見ているものすべてがない世界なのだろうか・・・

もっともっと素晴らしい世界なのだろうか・・・

いのちは　
どこから来て　どこへ行ってしまうのだろう。

母を泣かせてしまったあの日
父をなじってしまったあの日

急に涙が出てきた。

ごめんなさい。
ごめんなさい。

私が生まれてきた意味・・
私が選んだ親・・
私が選んだ伴侶・・

全てが自分で決めてきたことなのだろうけれど
そこにある目的はなんなのだろう。

全てが死を迎えた時
どんなふうになっていくのだろう。

今の自分が「懐かしい」と思えるすべては
私が誰かからもらった記憶なのだろうか

そして又私の記憶は
誰かに吹き込まれていくのだろうか・・・

いまこうしてみている風景
いまこうして吸っている空気

緑
砂
風・・

全てが愛おしくなってくる

私が生まれた日が一日違っていたら
一年違っていたら
１０年違っていたら
全く違う人生だっただろう。

自分には何か目的があって生まれてきたのだ。

いつかは終わる旅であっても

たった一度しか生きられない「今の自分」
もう二度と後戻りできないのだから

しっかり見て
しっかり感じて
しっかり愛そう・・・