もぐらたたき!

CDのレビューとかなんとか

Vapor Trails/Rush

2015-06-06 23:21:16 | レビュー

<List>
1. One Little Victory
2. Ceiling Unlimited
3. Ghost Rider
4. Peaceable Kingdom
5. The Stars Look Down
6. How It Is
7. Vapor Trail
8. Secret Touch
9. Earthshine
10. Sweet Miracle
11. Nocturne
12. Freeze (Part IV of 'Fear')
13. Out of the Cradle
 
<Member>
・Geddy Lee(Bass, Vocal)
・Alex Lifeson(Guitar)
・Neil Peart(Drums)

2002年リリースの17th。Neilの相次ぐ不幸とその心の痛ましさを考えるとバンドの存続すら危惧されていましたが、GeddyやAlexが辛抱強く待った事もあって約6年のインターバルを経てリリースされた本作はグランジ色がなり後退したにもかかわらず、とてもハードでアグレッシブな作品となりました。
 
一曲目から一線に帰還したぞと言わんばかりにドラムソロから始まります。
そして、これまでの鬱憤を晴らすがごとくハードでアグレッシブな曲が続いていきます。
このアルバムはどのような位置づけでしょうか?
今回もAlexのギターが前面に出ているしギター、ベース共にチューニングも下げているので、グランジの作風を受け継いだと解釈される方もいるでしょうが、ギターとベースがシンクロして進んでいく事は少なく、Geddyのベースラインは、かなり自由にフレットを駆け巡っているし、Alexもいろいろ工夫して変化をつけていると思います。
一方、Geddyのボーカルは聴き手を突き放すようなクールな印象を与えます。人情味はありません。この傾向は後の作品にも続いていきます。
本作品には"Stick It Out"のような一聴してグランジであるような曲はありません。
グランジ色が大幅に後退したにもかかわらず、ラウドなアルバムだと思います。
効果を狙ってでしょうが各楽器のトラックを別々に録ってミックスしたようではなく、各楽器の付帯音を別のマイクが拾っている様なプロダクションです。うるさいロックです。
なので、80年代のような各楽器が非常にクリアで粒が揃っていて聴き取りやすくテクニックが見えやすいRushはここにはありません。

兎にも角にもNeilが帰ってきてくれた事だけでも有難かったのですが、テクニックも衰えておらず、それどころかバンドは実に若々しいロックを演っています。
最新作の"Clockwork Angels"では再びグランジ色の強い曲が復活していますが、それと甲乙つけがたい最もハードでアグレッシブなアルバムです。勿論曲も良いです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿