ゴキ研

ゴキゲン中飛車研究ノート

定跡の基本から最前線まで詳しく紹介。

ゴキゲン中飛車▲5八金右超急戦【▲1一龍△7二玉▲7五角②】

2009年12月17日 00時30分04秒 | ▲5八金右超急戦
遠山雄亮四段がご結婚されたそうですね。
おめでとうございます。^-^

今回は私のはまっている漫画の紹介を少し。



覇-LORD 1 (ビッグコミックス)

この漫画の著者は、北斗の拳でお馴染み武論尊。

物語の舞台は三国志です。

何が面白いかと言うと、主人公の劉備が倭人(日本人)という点です。

劉備が曹操に敗れた時に言った言葉「愚将、敗将の因、奢りが俺にもあった」
と言って泣くシーンが最も印象に残っていますね。

上のリンクから行けば、中古で1円(!)で購入できるので、皆様も読みませんか?^-^


さて、今回は基本図から▲1一龍△7二玉▲7五角△5一飛▲3一龍と進んだ
テーマ図11についての研究を乗せたいと思います。



恐らく、これが一番気になる変化だと思います。
と言うのも、二枚換えの筋が見えているからです。

果たして、二枚換えでも戦えるのか…。

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テーマ図11からの指し手
△3一同金▲4三桂不成△5六飛▲3一桂成



◇駒損でも効率は良し

第1図で形勢を判断すると、駒割は飛車と金桂香の交換となっており、
損はしていますが左辺がきれいに捌けたと考えることができます。

目標となりそうだった飛車も世に出て、自陣に迫ってくる駒もありません。
何より、最も脅威だった龍がいなくなった事が大きいです。

これだけで判断しても、後手が良いと言えますね。

しかし、後手良しと言っても具体的に勝ちきるのは難しいと思います。
どの様に進めればいいのか、寄せの段階まで研究しました。

まずは一手進めます。


第1図からの指し手
△9九馬(第2図)



◇このタイミングで香を拾う重要性

△9九馬は、駒損なのに手番を渡してつまらない様ですが、
好機に▲6六角とされると香車が拾えなくなってしまいます。

香車を拾っておけば、▲6六角に△8九馬と手順に桂馬を拾えますね。

また、第1図で△2六飛は気持ちの良い転換に見えますが、
▲2七歩(A図)で困ります。

△同飛成は▲2八香で飛車が死にます。

この筋は香車を手持ちにされていると無理筋になるのでご記憶願います。



第2図以降は、いつもの通り最強 東大将棋 デラックスを相手に研究した手順を掲載します。

ここでは、①▲5七香や②▲7八銀が考えられます。

まずは、攻防に利かせて自然な①▲5七香から。


第2図からの指し手①
▲5七香△2六飛▲2八歩△5六歩▲5三角成(第3図)



◇飛車取りだが…

香車を使ってくれれば△2六飛の転換が成立します。

▲2八歩の受けは仕方ないところで、後手は△5六歩と香取りを掛けます。

対する▲5三角成が飛車取りで△2三飛は▲5七香で失敗です。

▲5三角成で困った様ですが…。


第3図からの指し手
△5七歩成▲2六馬△5六香(第4図)



◇取った香で寄せに入る

飛車取りを放置して△5七歩成がありました。

▲同金は△5一香で十分でしょう。

本譜の▲2六馬には△5六香の継ぎ足しが強烈です。


第4図からの指し手
▲4八金△9八飛▲5八歩△同と▲同金上△5七歩



◇香車の重石で上から潰す

▲4八金は最強 東大将棋 デラックスが指した手なのですが、
△同とには▲同玉や、本譜△9八飛に▲5八歩を用意したものだと思います。

しかし、▲5八歩にも△同と~△5七歩で適当な受けがありません。
第4図からの仕上げ方は…。


第5図からの指し手
▲同金上△同香成▲同金△5六香(第6図)
まで、後手勝勢。



◇超急戦における香車の威力

5七の地点で清算した後、△5六香が急所中の急所。
超急戦における香車の価値の高さを良く表した例でした。

ここまで来れば、どう指しても後手必勝でしょう。

どうやら、先手は攻めを考えると良くならないようです。

そこで、じっと②▲7八銀と受ける手を考えます。


第2図からの指し手②
▲7八銀△7四歩▲4八角(第7図)



◇角を追われると逃げ場に困る

▲7八銀は桂馬を取られるのを防いで、局面を落ち着かせる狙い。

しかし、△7四歩が好手で逃げ場に困ります。

角の利きが5七から消えると、△5七歩が痛打になってしまいます。
なので、▲6六角は△同馬~△5七歩で無理筋です。

したがって、逃げ場は▲4八角しかありません。

第7図からの指し手
△8八香▲6六角△9八飛(第8図)



◇狭い場所から物量攻め

まずは△8八香で成駒の生産を狙います。
角の利きが止まったので、▲6六角の受けが可能になりましたが、一手損ですね。
ここは△9八飛と足して、△8九香成を狙います。

▲7九金打(B図)の受けはありますが、△8九香成▲同金△6六馬▲同歩△9七龍(C図)
の様な進行で十分でしょう。



C図では、△5七歩が見えていますし、▲5七香は△6六飛として
△4五桂を狙えばいいでしょう。

さあ、そろそろゴールが見えてきましたね。


第8図からの指し手
▲7七桂△8九香成▲4六金△5一飛▲8五桂△6六馬▲同歩△5七歩(第9図)
まで、後手優勢。



◇やはり上から潰す

▲7七桂は駒損を最小限に抑えた受けで、手順に▲8五桂と跳ねて攻めと
馬取りを掛けますが、バッサリと△6六馬と切って△5七歩が痛打。

やはり、飛車や香車、桂馬の飛び道具を使って上から圧力を潰すように寄せるのが基本。

△5七歩は、避ければ△5八銀から清算して、再度△5七歩と打てます。
ここまで来れば後手優勢ですね。

以上が、▲3一龍からの二枚換え対策でした。
あとは、以前紹介した基本図から▲1一龍△7二玉▲7五角△5一飛▲2三歩を
クリアすれば超急戦は後手有利の結論が出せそうです。

次回は、▲3七銀急戦の最前線「豊島新構想」を研究を載せたいと思います。
これは、早くも先日のC級2組順位戦で遠山雄亮四段が採用していたものです。

豊島将之五段はゴキゲン中飛車で数々の新構想を見せてくれています。
今後も豊島将之五段の動向に注目です。

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今月のマイコミ新書がAmazonにもアップされましたね。
これによると、発売日は12/23の様です。

高橋道雄九段の最新の8五飛戦法は、「プロ最前線シリーズ」と表紙に書かれていますね。

ゴキゲン中飛車でもリリースされるのを期待しています。^-^

また、浅川書房からも新書が出るようです。

タイトルは「パワー中飛車で攻めつぶす本」で、著者は鈴木大介八段です。

書店に並ぶのは12/19頃らしいのですが、宣伝が遅すぎませんかね?^^;

こちらも発売が待ち遠しいです。^-^



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