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ことば咀嚼日記

日々読んだ活字を自分の頭でムシャクシャ、時にはゴックン、時には、サクサク咀嚼する日記

スタバと購買パンの思い出

2010-01-22 | 日記
待ち時間に久しぶりにスタバに入った。「本日のコーヒー」を頼むとき、大きさを聞かれたので、「真ん中のサイズで」と言ったら、「真ん中のサイズは二つあるので」と言いながら店員さんがコップを並べて見せてくれた。

空いている時間だったせいか、店員さんはとても優しかった。
「これにします」と言って、飲みたいサイズのカップを指したら、4種類あるうちの上から二番目だった。「グランデ」という名前だった。そう、そう、これが一番お得だと前に本で読んだことがあったから、名前だけは覚えているが、明日になるとまた忘れるような気がする。

カウンターの説明書に「その日のうちなら、コーヒーのお代わりが100円でできます」と書いてあるのも見えた。そうすると、ショートのコーヒー290円プラスお代わり100円で、グランデ390円と値段が同じになり、どっちがいいのだろうか、と一瞬迷ったのだが、もう注文してしまったし、まあ、いいかとそのままにしておいた。

初めて電車通学した中学生のころ、乗換駅のパン屋さんは今のように、セルフサービスではなくて、かなり高さのあるショーウィンドウの向こうに店員さんがいて、カタカナで書かれたパンの名前を客がひとつずつ言って、店員さんに詰めてもらうのだった。
ある日、私の前に並んでいた中年の女性がパンを注文した。名前が少し違っていたけど、きっとあのパンの読み間違いだとわかるぐらいの微かな間違いだった。
しかし、カウンターの向こうの女性の店員は、薄ら笑いを浮かべて「○○ってどのパンですか~」と、客の間違えたままの言葉を言った。女の人は、マゴマゴしてまた同じように間違えた名前を言った。

おせっかいな私は後ろから「これです!」とパンを指差してしまった。
店員は、クソッというような顔をして、そのパンを袋に詰めた。
私はそのとき、なんて意地悪な頭の悪い店員だ!と胸のうちで怒ったが、あれは、本当に分からなかったのか、それともただ単に意地悪したかったのか、今となっては不明だ。

そのうち、なんとなくそのパン屋でパンを買うのが嫌になり買わなくなってしまった。そしていつしか私は学校のパン当番の責任者として、朝クラス中のパンの注文を受けて昼休みに学校のパン屋さんに取りに行くのが、結構楽しみな仕事になった。パンをたくさん仕入れて持って帰ってくるというのが、豊かな気持ちがして嬉しかった。パン屋のおばさんは、注文したパンを、クラスごとにパン重に入れておいてくれて、新製品のパンがあると、いろいろ新しい情報を教えてくれた。そしてクラスに帰って、今度はこのパンが美味いらしいとみんなに話す時、きっと私はもっとも生き生きしていたに違いない。
今でも食い意地が張っているが、昔はもっとすごかったから。

それにしても今日のスタバの人は優しかったなあ。優しい店員さんはプロっぽくて好きだ。