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水川青話 by Yuko Kato

時事ネタやエンタテインメントなどの話題を。タイトルは勝海舟の「氷川清話」のもじりです。

BBC『SHERLOCK(シャーロック)』第三話ももちろん、ネタバレで騒ぐ

2011-08-24 21:29:00 | BBC「SHERLOCK」&Benedict Cumberbatch

(文末に2012年7月追記あり)(モリアーティとカール・パワーズについて段落修正しました。2012年8月)


イギリスではちょうど本日8月24日、「シャーロック」シーズン2の撮影最終日だとか。それは(現時点では)『SHERLOCK』の撮影オールアップという感じらしく、関係者(マイクロフト兄ちゃん)のツイートにも思いがこもってる。

奇しくも同じ日に日本では、シーズン1の最終話『The Great Game』が放送。これを読んでくださってる方はもちろん、あの「えええええここで終わりいいいいい」なエンディングを観たはずなので(さもなくば、ここで引き返してください)、いやーーもう、どうにかしてよ、どこにも持って行けないこの思い!!!と共感してくださるはず。だといいな。

では、参りましょう! The game is afoot!

○ 脚本はマイクロフト兄役のマーク・ゲイティス。監督は第一話と同じポール・マグイガン。

○ 文法間違いだらけの依頼人Berry Berwickに乞われてホームズがベラルーシ・ミンスクまで行く経緯は、ジョンのブログシャーロックのサイトに。

ミンスク行きのチケット、ジョンに頼まず自分でとれや、シャーロック。おまけに、飛行機を(古いイギリス式のつづりで)「aeroplane」と書いたのに対して、ジョンが(アメリカ式の)「airplane」と書いたら、「ジョン、aeroplaneだ。間違いのないよう」とつっこむ。なんだお前。

○ この(労働者階級と思われる)依頼人の文法間違いをシャーロックがしつこく直していくやりとり、日本語脚本がどう扱うかわからないのと、日本人にも参考になるかと思うので、書き出してみる。

×「I weren't a real man」→○「I wasn't a real man」

×「he learned us how to cut up a piece」→○「he taught」

×「then I done it」→○「did it」

×「she weren't」→○「wasn't」

×「movin' no more」→○「moving any more」

×「I'll get hung for this」→「hanged」

……(笑)。なんか、『マイ・フェア・レディ』でイライザの英語をいちいち直すヒギンズかと(ホームズとヒギンズの関係性についてはまた言いたいことが山ほどあるけど、今は省略)。

○ DVD収録のコメンタリーで話す脚本担当マーク・ゲイティスによると、なぜベラルーシかというと「(1)死刑制度があり (2)銃殺や薬殺ではなく絞首刑」な国を選ばなくてはならず、最初はメキシコで書いていたのが、プロデューサーに「そこは暑すぎる」と却下されたと(撮影は冬だったので)。それを聞きながら、「日本、ていう手もあったのにな」と思った私。ブラックだ。

○ ホームズが退屈のあまり、221bの壁に銃で絵を描くのは『マスグレーヴ家の儀式』より。あちらでは「VR(Victoria Regina、ビクトリア女王)」と。その現代版が「スマイル」だという製作陣の感覚ったら(笑)。

○ 出ました、ホームズと言えばガウン! 原作では、灰色なのか濃い紫なのかなど、例によってシャーロッキアン百家争鳴。どうして一枚しかないと思うのかと、子どもの私は不思議だった。シャーロックの場合は、えーと、ブルーグレイ?

○ 冷蔵庫を開けたら生首が入っていて、「Aw…f*#$ !」と「f」の先をジョンが言うのを止めたのは、テレビドラマだから。その自制心や見事。

 ○ 地動説か天動説か云々は『緋色の研究』から。今作でシャーロックの無知にジョンが呆れてる、「A Study in Pink」のブログエントリーはこちら

○ ごめんなさい。主人公の真後ろで大爆発が起きて主人公がぶっ倒れる場面で、大爆笑してしまったのは初めてです。もうしません。

○ マイクロフト兄さんからの依頼は文字通り、原作にもある『ブルースパーティントン設計書』。展開もよく似ている。またこのプロットラインは、その後の展開が、原作上でもよく似ている『海軍条約事件』にも通じる(海軍省の役人が大事な条約文書を盗まれ大変なことに。盗んだのは、役人の恋人の(略)という)(ちなみにグラナダ版では、この『海軍条約事件』のブレットさんが実にきれいだったねえ……)。

○ コメンタリーで、マイクロフト役の脚本家マーク・ゲイティスが言ってたこと。知的作業が全てて肉体労働を見下すマイクロフトが「legwork(足を使った捜査)」と言う時の、あの言い方! そんなこと言われたら「現場百回」の刑事とか新聞記者はいったいどうしたら。第一話でマイクロフトが「Two-twenty-one B」という時の、「B」とこれまた侮蔑し切った感じで言うのは、グラナダ版マイクロフトへのオマージュと。自分の弟がそんな安下宿に……という呆れ切った言い方。

○ レストラードに呼ばれた、スコットランドヤードに行く。一緒に来る? 行っていいの?のやりとりの後の「Of course, I'd be lost without my blogger(僕の(ことを書いてくれる)ブロガーがいなければ、僕はどうしたらいいんだ)」は、原作の「I'd be lost without my Boswell」のもじり。Boswellとは『サミュエル・ジョンソン伝』で知られる伝記作家。

○ レストラード再登場、万歳! スコットランドヤードにて。犯人からの連絡として携帯のシグナル音(pip)が五つで始まるのは、『オレンジの種五つ(Five Orange Pips)』のもじり。便箋の紙が「ボヘミア製だ」と呟くのは、もちろん『ボヘミアの醜聞』。しかも、あれは手紙を取り戻すのが目的だった。ちなみに『ボヘミアの醜聞』ベースの話はセカンドシーズンでやるらしい。

○ ジョンがブログに「A Study in Pink」をアップ。シャーロックが発見。ご立腹。レストラード以下、警察の皆様もご愛読。「地球が太陽の周りを回ってるって、ほんとに知らないのか?」(爆笑)

○ バーツの検死官(?)モリーと「ジム」のなれそめは、モリーのブログに。悲しい。でもモリー、さんざんジョンのブログにコメント書き込んでるのに、なんで彼氏に紹介するとなったら名前が分からないの?

○ ジョンのブログのコメント欄にもときどき登場する気持ち悪い奴、theimprobableone。そいつが、ジム・モリアーティなんだろうけど、そいつがシャーロックのサイトで、なんとシャーロックが221bに引っ越す前からストーキングしてたのを読んだ時は、けっこうゾッとした。「うちに空き部屋があるよ。良かったらどう? こんど会って飲まない?」だって。ぶるぶるぶる。

完全ネタバレベースで書くけど、この第三話を観たあとの感触は「これって浦沢直樹の『モンスター』? それとも『20世紀少年』? モリアーティってまさか、カツマタくん!?」だった。『20世紀少年』読んでない人もいるだろうから、言葉を濁すが。被害者の少年の写真が出てくるあたりも、すごく浦沢直樹テイストだった。

[この段落↓書き直しました。2012年8月]

シャーロックが少年時代に出くわした、彼の「最初の事件(where I began)」。その失われていた物証を、ああやって221bの地下(ここが「221c」)に置いて挑発するなんて! モリアーティの言葉を真正面から信じるならばカール・パワーズについて「ずっと嫌いだった。カールは僕を笑ったんだ。だから笑うの止めさせたんだ」と人質(イアン・モンクフォード)に代弁させている。カール少年が死んだ現場のプールサイドでは「I stopped him」とも言ってる。これが文字通りその通りならば、シャーロック少年の「最初の事件」はジム少年によるものだったってことになる。カール・パワーズ少年を殺したのはジム少年だったと。うわあ。以下は妄想だけど、ジム少年はそれからというものシャーロック少年をずっと気にしていたのに、シャーロックの方はモリアーティの存在すらまるっっきり認識していなかったのだとしたら。そのギャップに、モリアーティが苛立って、ずーーーーっとストーキングしていたのだとしたら。……ぞぞぞぞ。

 

○ 爆弾を巻き付けられてピカデリー・サーカスに立たされている男性の車が発見された現場の実況見分。演技で変装して、男性の妻から情報を聞き出そうとするシャーロック。コメンタリーでも製作陣が騒いでいたが、演技で一瞬にして、カメラアングルぴったりの絶妙タイミングで涙を流すベネディクト、すごい! 君は大竹しのぶか!

○ モリアーティの教唆でラウールに殺された美容アドバイザー(というのか、美人改造番組の司会者)コニー・プリンス。モリーはシャーロックへの片想いとか寂しさのあまり、この人の信者にもなりかけてたんだよなあ。がんばれモリー。

○ シャーロック、内務大臣にどんな貸しがあるのやら。

○ 「ゴレム」のくだり、製作陣のスティーブ・モファットやマーク・ゲイティスはきゃっきゃと楽しそうに話していたが、私はちょっと「OTT(over the top、やりすぎ)」だと思った。男の子と女の子の感覚の違いかなあ。まあ、ホームズ的と言えばホームズ的だが。ただ、テムズのああいう場所でのロケ、しかも日の出からの映像を見られたのは、とても良かった。絵として素晴らしい。

○ テムズ河岸にて。「You see, but you don't observe(見ていても、視てないんだよ)」というこれは、ホームズの台詞の定番中の定番。君は見ていてもきちんと観察していない、と。京極堂じゃないが、目の前に死体がころがっててもちゃんと「視」て「観」なければ気づかないと。や、『姑獲鳥の夏』のあれはさすがに極端だが。

○ テムズ河岸にて。言い争いかけるシャーロックとレストラードを「all right, girls(彼女たち、もういいから)」とさえぎるジョン。確かに「girls」と言われてキャンキャン言い続けられる野郎はおらんわなあ。

○ しつこくテムズ河岸にて。シャーロックの立て板に水な推理に感嘆してジョン「Fantastic!」 原作なら「Elementary(基本だよ)」と答えるところをシャーロックは「Meretricious(見たままだよ)」。そしてレストラードは、「Happy New Year(おめでとう)」と。なんだそのボケなのか皮肉なのかわからんユーモアは。レストラード、らぶ(要するにレストラードらぶ、らしい。だってルーパートだもの)。

○ 犯人の代わりに脅迫電話をかけてくる被害者の中でも、声が幼い子どもの声になった瞬間に、見てる自分も凍り付く。レストラードの「It's a kid! Oh, God, it's a kid!」という台詞の怒りと当惑が生々しい。「グリコ森永事件」の脅迫電話でも、そうだったらしい。声の男の子はプロデューサーの息子さんだとか。楽しんでるといいな。

○ ついググったが、「Van Buren supernova(バンビューレン超新星)」なるものは存在しないそう。それから、そんなことよりフェルメールが板ではなくキャンバスに描かれてる時点で、ニセモノと気づくはず……と、マーク・ゲイティスがコメンタリーで悔しそうに暴露していた。

○ 天文観察が趣味の美術館警備員がそのマニア知識ゆえに殺されてしまうというのも、なんだか切ない設定だなあ……。

○ 警備員の上着まで、襟を立てるシャーロック。神戸系か。

○「僕がただ兄に嫌がらせする為だけに、こんな事件を手放すと思うか?」 いや、やりかねん。

○ この第三話で何度か出てくる、「死人が出るかもしれないんだぞ」「この病院には死にかけてる人がたくさんいるんだ」とか、「本物の人の命がかかってるんだぞ!」「僕が心配してあげたらその人たちは助かるのか?」などのジョンとシャーロックの言い争いが、二人の内面理解にとても興味深い。特に、「Don't make people into heroes, John. Heroes don't exist, and if they did, I wouldn't be one of them.(ジョン、人を英雄に仕立て上げるな。英雄なんて存在しないし、もしいたとしても、僕はそうじゃない)」という台詞は、素晴らしいな。ベネディクトの言い方も、マーティンの受け止め方も。

○ プールサイドのラスト。シャーロックとモリアーティの「You're going to die(お前が死ぬんだ)」、 「That's what people DO!!!(人はみんなそうだろ!!) 」というやりとりも、同じだね。

(脱線するが、「僕が心配してあげたらその人たちは助かるのか?」「いいや」「だったらそんな間違いはしないように気をつけるよ」というシャーロックとジョンのやりとりは、いやあ実に、『スタートレック』のスポックとマコーイだ(私はマッコイという表記が嫌い。だってMcCoyはマコーイて発音するんだもん)。問題解決のために自分が最も効果的に貢献するにはどうしたらいいかが大事なのであって、ただ同情したり心配するより冷静に推理する方がよほど自分は苦しんでいる人のためになるのだと。ちなみにスポックとホームズの共通点を語り始めたらこれまたキリがないので、略。でもSTVIでは、スポックがホームズの台詞を言うのだ)

○ シャーロック「最初の事件」でカール少年が死んだ現場。この素晴らしい色調のプール。マイクロフト兄で脚本担当のマーク・ゲイティスがブリストルでよく泳いでいた場所だそう。青と赤のカーテンが実に効果的。

○ そこで大きなコートをきたジョンがはりつめた表情で現れた時、私は一瞬、ま、まさか!と凍り付いた。「Evening(こんばんは)」と不自然に言う様子に、息をのんだ。ま、まさか、と。だってなにも原作にとことん忠実でなくてもいいわけで、実はワトソンがモリアーティでした!なんてウルトラCをやって、世界中のホームズファンを敵に回したんじゃないか!と。いやはや、そうじゃなくて良かったです(T T)。

○「電話番号ぉ、渡したのにぃ。かけてくれるかと思ったのにぃ」 恐ろしい……。モリアーティ役に今回初めてアイルランド人をもってきたとのこと(Moriartyはアイリッシュな名前)。にこやかなアイリッシュ発音がこんなに恐ろしいとは。

○ シャーロックが苦笑しながら溜め息のように漏らす「Dear Jim」。これはBBCの長寿番組『Jim'll Fix It』をからめたジョーク。解決してもらいたい問題や叶えてもらいたいお願いをもつ相談者(主に子供)が相談するという番組。ジム・モリアーティはその犯罪版の万(よろず)請け負いをやっていたと。まさに「悪の仕事人」。

○ 原作のモリアーティは「大きな頭をたえず左右に揺らしている。は虫類のようだ」と描写されている。コメンタリーによると、モリアーティ役のアンドリュー・スコットはこの動きをさりげなく取り入れていると。そのさりげなさが、実に不気味さを引き立てている。アンドリュー・スコットというこの役者さんは初見だが、いやあ、すごい! この役の、人間なんだけど化け物じみた、化け物なんだけどあくまでも人間的なこの不気味さ、瞳の奥には底なしの暗黒しかなさそうな、まさにモンスター的な恐ろしさを、こんな風に表現するなんて。「I will burn you, I will burn the HEART! out of you...」の言い方とか!

○ この彼がポール・マッカートニー役をやったことがあるというのは、顔の作りからしてさもありなん。と同時に、(パブリック・イメージとは全く異なる)ポールの実はじっとり暗い部分を、さぞかし巧みに表現しただろうなあと想像した。

○  シャーロック「I have been reliably informed that I don't have one.(僕には心臓=心がないと、確かな筋から指摘されてるんだが)」→この「確かな筋」とは医者でもあるワトソンのことね。人のことを心配しないのかと散々なじられたのが、効いてるるわけだ。

 モリアーティ「Oh, but we both know that's not quite true.(いや、必ずしもそうじゃないのは、お互いわかってるはずだ)」

 僕が一番君の事を理解してるんだよ、といわんばかりのモリアーティ。ブログでも同様のねっとりした粘着ぶり。

○ シャーロックの「Catch you, later」は、ダブルミーニング。「またね」という口語表現であると同時に、文字通り直訳通りの「あとでお前を捕まえる」と。

○ (順番は前後してるけど)「Sherlock, run!(シャーロック、逃げろ!)」by ジョン。泣く。少し後のシャーロックの、「Are you all right!? ARE YOU ALL RIGHT!?」もね。

○ やっと緊張が解けてホッとして、ささやかな軽口(「誰も見てないといいな。……暗いプールサイドで君が僕の服を引きはがしただなんて知られたら、あれこれ言われちゃうよ」「どうせあれこれ言うだけだ」って、おい)を交わしたと思ったら、また出た! ホッとさせてバアッ! 日本のお化け話か! 再度の怪か! あるいは『危険な情事』か!

○ 極限状態にあって眼と眼で語り合う二人。

○ あああ、そしてここでクリフハンガー!!!!! こ、ここで終わりかい!!!!!!!


……ふう………………。

ネタバレがイヤな私は、自分がこの目で見るまで、シーズン2の内容については(エピソードのタイトル以外)なーーーんにも情報を入れてません。これからも入れないつもり。シーズン2のイギリス放送は来年予定。おそらく私が観られるのはDVD発売後だと思います。もしかしたらその時は、好評につきNHKの放送がDVD発売より早かったりして。いずれにしてもこの続きを、ハラハラしながら待て次号!


 (以下、2012年7月追記)

……ここまでが去年の時点で書いたものです。すでに第2シリーズを観ている目で見直すと、「ああ、あれがこうつながって、これがこうなっていったのね」というつながりに色々気づきますが、それはまた改めて。

 

それにしてもこれ↑を読み返して、「アンドリュー・スコット初見」と書いている自分に、「そうだったねえ」と我ながらしみじみしました。ああ、なにもかも皆、懐かしい……(遠い目)。

初見だったし、この感想文がこれ以上長くなってはダメだろうと(これでも)自制して、(これでも)あんまりワーワー騒いでませんが(これでも)、当時の自分メモにはこんなことが。

「まるで彼の肌一枚の下には真っ暗で底なしの暗闇が広がってるみたいじゃないか! なんなんだあれは! あの存在感は! 派手なメイクをしてるわけでも、フェイスマスクに拘禁服なわけでも、なんかギミック的な小物を持ってるわけでもない。ただ一見普通の小柄な男が、ウエストウッドのスーツ着てるだけじゃないか。なのになんであんな異様な存在感が出せるんだ! 口を開いたその奥には骨も内蔵もなく、ただひたすら暗黒が広がってるみたいだ。恐ろしい」

久々に「天才だ!!!!」と思える俳優との出会いでした。

こんなことを思い、書き、同情的に聞いてくれる人にはワーワーワーワー言ってたので、去年12月にマーク・ゲイティスのこのインタビューを観た時は「そうだろう! そうだろうともよ!」と喜んだものです。今年の元旦放送開始の第2シリーズに向けてBBCが展開していたプロモーションの一貫のビデオです(残念ながら、日本からは見られないと思います)。

マークはこんなことを言ってました。

"There's a sort of blackness behind those black eyes which you can't quite fathom, it's really quite chilling. It's almost as if there's something else inside him, looking out."

(あの黒い瞳の後ろには、ちょっとよく理解できない、何か黒いものが広がってる。本当にかなりゾッとする。まるで彼の中に何か別のものが巣食っていて、中から外を覗いてるみたいなんだ)

 

ほんとにそう! マーク、あたしもおんなじこと思ってたの!!!とこれを見たとき騒ぎましたよ。このプールサイドでのモリアーティは本当にそう。アンドリュー・スコット自身はふだんはあんなにニコちゃんなのに。

そして! 第2シリーズがいよいよ今年1月に放送されて! DVDもすぐに出て!

日本では7月22日についに放送の第1話「A Scandal in Belgravia」。あのプールサイドのクリフハンガーがあれからどうなるんだあああ!を見せてくれるこの第1話も、そうきたのかあああ!という代物でした。

しかしアンドリュー・スコットの凄まじい才能を見せつけてくれたという意味では、第3話の「The Reichenbach Fall」がそれはもうもうもう、圧巻で! 日本では8月5日に放送ですか。

ただでさえものすごい話で、ベネディクトもマーティンも本当に素晴らしかった。本当に本当に素晴らしかった。さらに加えてあまりにアンドリューが呆気にとられるほどの天才ぶりだったので、私はしばらくふらふらしていました。興奮覚めやらず、脚本を訳してしまうほど。そしてかなり長い感想文を(ネタバレしないよう英語で)書き散らかしました。第1話についても第2話についても書きましたが、第3話のThe Fallについては特に、ワアワアと書き散らかしました。

7月22日から始まる日本での初放送に合わせて、この第2シリーズの感想文も、日本語にして適宜アップしていく予定です。特にThe Reichenbach Fallについては、かなりアンドリューについてワーワー書いています。

(ちなみに今年の英アカデミー賞テレビ部門において、モリアーティ演技で助演男優賞候補となったアンドリューに、私は本当に受賞してほしかったし、受賞した時は本当に嬉しかったです。アンドリューが喜ぶのを見たいのはもちろんですが、それに加えて、自分がひっくり返るほど「すげええええ、なんだこの演技はあああああ!」と感激したものについて、彼の同業者から認めてもらいたかったので。ああ、あの時は嬉しかったなあ……)

(さらにちなみに。アンドリューといえばSea Wallという短編一人芝居映画がネット公開されています。これがまた素晴らしくて! あまりのことに製作者に連絡して、脚本家から、日本語訳をしていいと許可をもらったほどです。これはいま鋭意作業中なので、近日中に公開します)