そういえば先週になるか、職場の席に突然電話がかかってきた。
私のブースを含め、フロアの耳の届く範囲で見る限り、電話がなることなどめったにないし、心当たりもない。
久々なもんで応対の仕方もちょっと忘れつつ、それ以前に外線か内線かもうろ覚えながら出てみると、不動産の紹介をしているのですがと来る。
勧誘の電話?
さて、どうやって断ろうかと考えるが向こうもプロ。こっちに口を挟む余地を与えない。まちがっても疑問文など出してこない。
そんな中ですきを見て「興味ありませんから。」というと、「はい、それでですね、今ですと…」と話をつなげてくる。会話になっとらん。
しかし一方的に切るのはすっきりしない。細かいことを気にするようだが、向こうからすると「こちらが話している最中に一方的に切った」という痕跡を残すことになってしまう。
もう一度すきを見つけて「興味ありませんから、きりますね。」と切る意思を伝えてみる。当然のように話はそのまま続く。しまった。「きりますね」では相手に同意を求めている。返事をもらえないうちに切ったのでは結局同じことだ。
こうなったら変に口を挟むよりほっとくほうが賢明だ。
ああいう職種は、時間当たり契約をどれだけ取れたかがナンボだそうだから、契約する気もないのに時間だけとられるのは損なのだそうだ。
幸いこちらは回線を使われっぱなしだからといって困る予定はない。
話を打ち切る意思は伝えているのだし、このまましゃべらせておくことにしよう。
そうして10秒くらいたったろうか。向こうから切ってくれた。
一応耳は当てて話の表面だけは聞いていたが、切り際のあいさつのようなものは特になかったと思う。
次の機会があったら「会話にならないようなので、気が済んだら切ってください。」くらい加えることにしよう。切った時点で相手の気が済んだことになる。