走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

バイバイ学生さん

2020年02月13日 | 仕事
NP学生さんは私の元へ戻って来ない事に決まりました。うん、その方が学生さんにも私にもとっても良いと思う。平均のNPよりずっと忙しい私の診療環境で手取り足取りの指導はできませんから。これで学生の受け入れを辞めるなんて言わないよね、とリードから言われた。いやいや私も良い勉強になったからこれからも受け入れますよ、と返答した。電話を切ってから思った。????では学生の受け入れを断るNPがい . . . 本文を読む

移民

2020年02月12日 | 仕事
40代の彼の計画は夏から台湾へ行き英語教師をしながらギタープレイヤーとして音楽家になる事。ん?英語教師?彼はカレッジのディプロマはあるが学士はない。最近は各国英語教師になれる学歴を引き上げている。本当になれるの?従兄弟が既に台湾にいて15年も英語教師をしていて、その彼が大丈夫と言っているんだから、大丈夫さ。とえらく楽観的。滞在ビザに何が必要か調べた?それも従兄弟がしてくれる、と人任 . . . 本文を読む

緩和ケアと薬物依存医療の似ているところ

2020年02月11日 | 仕事
今回の事で思った事。薬物依存医療はホスピス緩和ケアが始まった頃に非常に似ている。もともと医療は人命を助けるところから始まった。なので緩和ケアは医療の敗北と言われ、その概念を受け入れる医師は少なかった。死に逝く人にも症状緩和の医療は必要と概念が広がっても、痛みの緩和に麻薬を積極的に使う医師は少なかった。危ない事はしたくない。麻薬に対する恐れとでも言おうか?処方する医師の拒否反応は強かった。しかし . . . 本文を読む

バカなくらい一生懸命

2020年02月10日 | 仕事
昨日の続き準備期間が短いのは十分わかっている。しかし社会復帰をして初めての海外旅行を楽しみにしている希望を奪えば、彼はやさぐれた生活に彼は戻ってしまうかもしれない。最後まで望みは捨てたくない。可能性を模索して奔走する。それが自分の性分だろう。誰か処方してくれそうな依存医を紹介してください、と頼んでも教えてくれない。なので私は級友に連絡を入れることにした。NP同士ならこのバカなぐらい . . . 本文を読む

遠回し

2020年02月09日 | 仕事
Beat around the bush の意味をご存知ですか?「遠回しに言う」これをされるのは嫌いです。言いたいことは単刀直入はっきり言ってくれた方が好きな自分です。誤解だって最小限に抑えられます。問題の彼が、2月に入ってから違法薬物を使うのをやめたぞ!と言います。彼はキューバへ行けるように必死です。5日目なので尿検査 いはまだ早い。このままずっと使わないでいてください。来週検査 . . . 本文を読む