走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

可視化の重要性

2021年01月18日 | 仕事
情報の透明性は医療においてとても重要視されています。この一年のコロナに関する情報は各国それぞれのやり方で公開されています。

コロナの場合、ほとんどの人が感染者数や死亡者数に注目していると思います。例えばカナダの衛生局のページより
こちらは感染者の数による地図の色分布




こちらは感染率




人口の密度が高い地域の感染者が多いのは当たり前。自分の地域を感染者が少ないからと気を緩めると感染はあっという間に広まります。SK州やMB州の北部の濃い青が気になります。医療資源は人口の比率で配分されている。人口が低いのに高い感染率の意味は医療資源不足により医療崩壊が起こりやすい、を意味する。

こちらはBC州の衛生局のページから。ダッシュボードと呼ばれ、誰でもありとあらゆる情報を閲覧することができる。





そしてこちらは1週間ごとに出されるレポート。12ページにわたるが数字の意味するところを色々なグラフを駆使して説明文もつけて州民にわかるよう説明している。

一般人はこのような数字を見ると状況というか過去のもの的な印象を受けると思う。成績表みたいな感覚。しかし疫学者にとっては現状の評価と将来の予測を立てる重要な情報源。BC州の週替わりのレポートを読んでいると、その細かさがわかる。これがカナダの中でも上手く状況をコントロールしているもう一つの理由だと思う。ボニー博士が「私は有力なチームに恵まれている」と言う。リーダーとチームの相互関係の結果がここに出ている。

日本はどうなのだろう?と思って厚労省のページを見た。使われているグラフの単純さ、数字が表す本意が国民に伝わらない残念なものだな、と思いました。規制が行われる理由、規制をして何を狙っているのか?対策を国民が理解するためにも、もう少し工夫と言う余地があるのではないでしょうか?ワクチンの接種状況にもよりますが、ワクチン接種が12月から開始されているカナダでも秋までは規制が続くと言われています。まだまだ長期化するコロナ。遅くはないですよ。

冒頭写真:カナダでは1月15日はBlack Shirts Day となり黒人のCivilRightsをサポートする日となりました。で、インスタにあげるために娘と写真を撮ったのですが忙しくて上げる暇もなく日付が変わってしまった写真。あー



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1 コメント

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orainobabas (チバ ユカリ)
2021-01-19 14:10:21
まさに激しく同感。

ごく最近から読ませていただいていますが、いちいちごもっとも同感!の連続です。

多分日本政府は全く方向性を決められないメンツばかり、ブレーンも本気の介入ができない者ばかりなのでしょう。
だれに言っても「仕方が無いのよ、たいへんなのよ」というとれらえ方に唖然、の日本現場です。
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