走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

インスリンの調整 と2型の糖尿病

2016年07月09日 | 仕事
日本に着いて始めて食べたのが天ぷら。その天ぷらの写真ではないけど、この寒天のようなお豆腐がめっちゃ美味しかった。2週間の滞在中、食べ過ぎには要注意。いつも体重増加での帰国ですから。



さて、食事と体重といえば糖尿病。

2型の糖尿病で内服薬だけでは血糖値がコントロールできなくなると、インスリンを始めなければならない。

インスリンには2つタイプがあって速攻型と遅延型。
遅延型は1日2回投与が必要なものと1回だけのもの。

投与量をカスタマイズしなければならない。

1日一回投与の薬での調整の仕方。その一つのやり方で目標値を決め1日1単位ずつあげるやり方がある。自己管理が低い人や低血糖になりやすい人は3日に1単位の増加とか。

そのやり方を始めたこの彼。40単位から始めて3ヶ月後には90単位になっていた。

何故ってこの彼、糖尿食に興味はなく好きなものは好きなだけ食べて飲んでの生活をしていたのだ。

食事療法が出来ず血糖値が上がる分もっとインスリンを打てば良いと、悪気ゼロで食べ続けたのだ。彼の食生活は3ヶ月前に比べてひどく悪化していたのだ。

思いもよらない弊害に驚いた。良かれと思ってした事が裏手に出てしまった。

血糖値をコントロールできなければ臓器に害が出る。

インスリンを増やすやり方は血糖値をそれなりにコントロールできるが低血糖を起こし命取りになる危険性が上がる。

薬剤師と相談して自己増量を中止した。彼にはしっかり糖尿食を理解してもらわなければ。

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