走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

ゲイカップルの不和

2015年12月06日 | 仕事
ゲイカップルのホームレス。2人がやってきてカウンセリングが必要だから紹介してと詰め寄る。

何のカウンセリング? 薬物依存?トラウマ?メンタルヘルス?

首を横に振る2人。

リレーションシップ? ウンウンと頷く2人。よく見ると若い方の彼の顔には殴られた跡が、、、、。

理由を聞くと年上の彼が説明するがサッパリ何を言っているかわからない。2人の表情の雲行きが怪しくなる。

個別に話を聞く事に。

年上の彼が年下の彼の束縛に耐えられず、別れたいが彼の執拗な態度に困っているという事。仕事にも行けないと(ホームレスでも仕事持ちの彼)。口論だけでなく殴り合いの喧嘩になることも最近は頻回だと。2人とも私の患者でこの日が初診ではない。いつもは仲良しカップルで付き合っている期間も長い2人だったのに。

年下の彼は捨てられかもしれないとかなり不安がっている。その理由の一つに彼の持病の統合性失調症の他に不安症とうつ症状が出てきているからと。

実はこの2人、ハウジングプログラムに入れる寸前に街から消えた。年下は残りたかったらしいが、年上の方が強引に決断して新天地へ向かったとか。

上手くいかなかったので数ヶ月ぶりに戻ってきたのだ。

個別のカウンセリング、そして年下の彼には鬱と不安症の治療を開始して診察は終わった。

カウンセリングといっても私はカウンセラーではないので専門的な介入というより、気持ちを聞きモチベーションナルインタビューをしただけ。それでも第3者に話せたことでストレス軽減に繋がったようで、2人一緒に歩いて行きました。



どこもクリスマス一色。会議で行った建物の入り口付近。

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