走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

アシスタント

2017年06月16日 | 仕事
先日タスクシェアリングとして 多職種でチームとしての医療について書いた。

書き忘れた職種があった。ユニットクラーク(UC) 病棟秘書とメディカル オフィス アシスタンス(MOA)診療所のアシスタント。

UCは病棟に1人いて、電話の対応や面会人の対応そして医師からの指示を薬局に送ってくれて薬物の処方記録に書き込んだり、検査を呼んでくれたりととても助かる存在。しかしUCがしていることは転記。薬の知識も疾病の知識もなければ検査の事もなぜ検査をするのかを理解して転記しているわけではない。

看護師はこの指示をもとに投薬するので、どうして患者にこの薬が必要なのか理解して投薬することになる。ただ書かれていることを実行するのではなく考える過程が行為の前に入ってくる。これがUCと看護師の違いだ。
違う言い方をすれば看護師を指示処理にずっと使うのはお金と知識の無駄なのだ。

MOAは検査結果や紹介状の返事を患者のファイルに振り分けるが、振り分けているだけで結果を吟味しているわけではない。それは医師や看護師の仕事だ。アシスタントとして視力検査をしたり身長や体重、血圧の計測をしても測って記入しているだけで、それがどういう意味なのかを考えるのも医師や看護師の仕事。

もっと簡単な例で、シーツ交換。患者が退院してしまった空室なら掃除屋さんがしてくれる。
病状が安定している患者のシーツならば看護助手や准看護師で行うことができる。
病状が不安定で医療機器も大量についている方のシーツなら、機器の扱い方を知っていて、病態も理解している看護師がシーツを交換することで患者の負担が最小限になる。

どんな行為にしても考えるという作業が入ると看護師の役割になる。考えなくても良い作業なら看護師以外がすれば良いのだ。

看護師以外の職業でも似たことが。薬剤師の他に薬剤師助手の仕事。薬を袋に入れる作業は薬剤師以外でもできること。理学療法士アシスタントは理学療法士が立てた計画を実行する人。知識のレベル、その知識を使う思考過程が必要かによって仕事の分担が変わるのだ。

では看護師は医師のアシスタントなのでしょうか?

続く



週末の朝ごはん。ワッフルのトッピングは完熟マンゴー。甘くて美味しい!オレンジの横はターキーソーセージ。

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