走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

個人の自由

2023年08月15日 | 仕事
昨日のブログの続き。コメントを頂き、なるほどそこがポイントだったのか、と腑に落ちました。ここに紹介しますね。


手続法の「証明」や「迅速な裁判を受ける権利」

https://blog.goo.ne.jp/hakusou_onlinechecker

についての事件ですね。


日本の経済法(独禁法・景表法)の事件に、『「やせ薬」の効能が、既存の科学論文と比べて明らかに過大である』と販売者の主張立証を待たずに、判断を示したものがあります。

また、日本のiMac事件(東京地定平成11920)も、「(言い分通りなら)出せるはずの証拠を出せないなら、審理を打ち切る」旨を判断。


動かしようのない証拠資料があるならば、審理を打ち切って判断を下すは、裁判所の必定(判事たちは、事件を数多抱えていますから)

扱われる対象が人の生命であれ、会社の命運であれ、手続法(特に民事)の下では、大した差ではないです。




しかし、えええ?人間の命も同じように扱われるの?と不快に思う方もいるでしょう。それに脳死でも死んではいないのに、人間でない様に扱われるなんて!と思う方も。しかしそれが法と言うもの。


と、法的話はここまでにして、ここからは違う視点で同じ問題を。


カナダに来てから思ったのですが西洋文化と東洋文化の間で死生観の違い。カナダでは、特に白人、クリスチャンの間では、意思を述べれない、自立できない、と人間としての価値を個に見出せない、という思考と態度です。問い掛ければ返答できる。手を握れば握り返すことができる。目で嬉しさを表現する、とか反応が重要視されていると感じます。その反対日本やアジア系は心臓が動いていれば、喋れなくても存在が重要、体が冷たくなるまで死を信じない、というか受け入れない、というか、そのあたりではないでしょうか?


前者は生きる屍と表現され、後者は体に温もりがある間は母であるアイデンティティーを持ち続ける、そんな違いです。


前者は脳死と言われれば生きる屍になるくらいなら、どうぞ人工呼吸器を止めてください、となるし、後者はまだ生きているのに何故それを早めるような事をする!となります。


どちらが正解なのか?正解という言葉もこれまた変な言葉。死生観も人生観もそれぞれですから、そこには自由があるはず。しかし社会というもには窮屈なもので社会が認めるOO像というものもあるわけです。それを形づけるものの一つが法律であったり慣例であったり、メディアであったり。


そうなるとそれに沿わないものは間違いと言われたり、、、、。だからある程度世の中で起こっていることを全く無視できない、、、、


と前置きがずいぶん長くなってしまいましたが、日本で前者のような考えがあっても良いのです。周りを驚かさないように会話は大事です。北米のように不毛な治療はして欲しくない!と意思を表明しても良いのです。だって死生観は個人の自由でもあるのだから。社会に同調しなくて自分の思いを伝えていくことが連鎖的に社会を変えていくことにつながりますよ。


冒頭写真旅行16日目のハイライト。ここも橋の右と左側で大陸が異なる場所。






いよいよ旅もこれが最終日。この国はほんと大陸創生を見て聞いて感じる国。






16日間の走行距離は2668km。今までしたどんな旅よりも長い距離を走りました。あああ、楽しかった!







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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
法学系では、大悪手です。 (舶匝)
2023-08-15 10:25:39
「意思表示困難な一個人」の内心を、探り当てようとするアプローチは。検証可能性に極めて乏しく、実体的真実発見とは相反し、結果、誤判を招きやすくなるからです(個人の内心は絶えず変動しうるものですし)。

たとえ(実定法の)「個人の自由」を持ち出したところで、その存否・内容を主張立証する「手続法」上の諸技術がなければ、「個人の自由」など絵空事です。


そもそも主張立証は、
まず人証以外の証拠資料から組み立てるものです。なので、「動かしようのない証拠資料」 https://gettr.com/post/p2o5ahqae62
と御指摘しました。

あなたのアプローチは、被疑者・被告人の自白「だけ」から被疑者・被告人を処罰するようなもの。
誤判を招くだけです。
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Unknown (missy0806)
2023-08-15 12:44:26
またまたご指摘をありがとうございます。流れ的に誤解を招いてしまいました。少し書き直しています。後半は法的なこととは離れて同じことを違う視点で書いていることがわかるようにしてみました。
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