走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

タイトル

2021年11月05日 | 仕事
10月26日からコロナワクチンをしていない医療者は保健機構で働けなくなった。そしてその職を失った看護師たちがクリニックを始めたと言うニュース。

保健機構で働けなくなっても人を助けたい気持ちは変わらないから自分たちで自分の職場を作ったわけ。全ての医療を保健機構で行なっているカナダは保健機構で働けない措置は仕事をほぼ失うことになる。

どうりで免許を管理する団体からメールが来ていたわけだ。EBPにそぐわない発言や行動をするときは准看護師、看護師、精神科看護師、助産師、NP、のタイトルを使ってはならない、と。

そしてこのタイトル(題名と言う意味ではなく、タイトル戦と同じ称号といった方が良いでしょう)は守られており、あなたが使用できるのはプリビレッジで権利ではない、と。日本の方にとってはわかりにくいかもしれない。看護学校を卒業したから看護師と名乗ることができないのがカナダなのだ。試験に合格するのも一つの要件で、このタイトルを使うためには試験以外のカレッジ(免許を管理する団体)の要件(基準)に見合っていないとタイトル使用を許されない。これは看護師だけではなく、医師を含む全ての免許で管理されている医療職種で同じ事が起こる。だから免許は一年ごとの更新が義務づけられている。

で、今回の「保健機構で働いてはならない」はカレッジからくるものではなくて、州政府から来たもの。よって免許を取り上げには繋がらない。しかし先のメールを読むと、将来はそれも含まれるのか?と思いたくなる。

記者会見でボニーヘンリー博士が 「科学を信じられない医療者は、もしかしたら誤ったプロフェッショナルにいるのではないか」と言ったことがある。私もそう思う。中には科学云々ではなく自由主義についてプロテストしているんだ!と言う医療者もいる。しかし自由主義への主張であるのなら、患者を危険な状況にさせる必要はない。根本である科学の医療を施行するものとして、その科学の証拠を理解することができるか、できるかどうかの違いだと思う。よって私もヘンリー博士に同感する。

今はこのクリニック無料で活動しているらしいが、政府が認めるはずがなくプライベートなクリニックになる運命でしょう。採算が合うほど自腹を切って(通常のクリニックは無料)でもこのクリニックで診てもらいたいと言う人がいるのか?それも疑問だわ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。