走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

学んで欲しいこと

2022年10月12日 | 仕事
カナダの国民的スポーツの一つアイスホッケー。オリンピックでの優勝、NHLで活躍している多くのカナダ人選手。ジュニアも大人も世界選手権で輝かしいプレーをする選手たち。華やかなスポーツ。カナダホッケーリーグと言う組織がその活躍を支えている。その組織の存続にスポットライトが当たった数週間に大きな変化があった今日。

何があったのか?

2018年、カナダ代表のジュニア選手がグループ8名で女性をレイプした。女性は被害を届け出た。組織は独自捜査をして組織のお金で慰謝料を支払った。これをきっかけに1989年から21人にも上る被害届が出された。そして組織は組織のお金8.9億ドルのお金を慰謝料や捜査費に利用した。組織のお金とはメンバーシップ費など公的な費用。それを不祥事の穴埋めに使ったことは更なるスキャンダルとなった。これでは組織的なレイプと言われても仕方ない。長年にわたって容認続けたようなものだから。こんな事を聞いて国民が放っておくわけない。責任の追求。繰り返さないためにも組織改革が必要の声が日に日に増して行った。

普通、トップリーダーたちの辞職は責任を取る意味でも起こる。しかしこの組織の役人たちは辞めない、といったものだから次段階へ動いて行った。

スポンサーたちが離れて行った。大きな企業からの献金もこの組織にとって必要不可欠なもの。一社がその発表をすると次々とスポンサーが去っていった。スポンサー側からすれば、会社イメージや収益の打撃を受けるから。その決断は早かった。それでも役員たちは辞退をしないと居座っていた。次には首相が出てきて組織そのものの解散させることも政府として考えると発表。その次は各州のプレミアがホッケーリーグの開催会場になる事を拒否。世界選手権がクリスマス後に始まるのに、その会場州がキャンセルを言ってきたのだ。

週明けの今日。ついに役員全員の解任。全面的な組織改革に乗り出す発表があった。

ヒュー

首の皮一枚で繋がっていたところで、ようやく方向転換となった。

この件から日本の皆さんに学んで欲しい。

国民の声は必ず届きます。社会や歴史や悪習を変えることができる。だから間違っているものは間違っていると言える人間でいてください。それが民主主義なのですから。

どんなに素晴らしい身体能力のある選手でもスターでも暴力や性暴力が正当化されることはありませんから。子供たちにしっかり人の大切さを親として教えてくださいませ。



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