杉の木桶仕込みの醗酵食品は昔ながらの伝統的製法のひとつです。
昔からお酒や味噌、醤油、お酢、漬物などの醗酵食品などを木桶で仕込むとなぜか、柔らかく、かつ温かみのあるやさしい味になるといわれています。
大阪の桶師様(桶屋の棟梁)はステンやホーローは硬くて、すぐ冷める材質、木は温かく、柔らかい材質、この違いが味覚の違いではないか?とディスカッションでおっしゃっていました。
木桶の特徴は…
通風性、吸水性、発水性があるという性質、自然の微妙な変化が桶にそして、お味噌に伝わるということ。天然醸造などの長時間の熟成の時はより効果があると思います。
また、木材には菌が住み着くことができます。それが、木桶のクセとなり、蔵のクセとなり、その蔵、独特の風味を醸してくれることが出来る。
また、環境に全く負荷をかけません。ゼロエミッションです。
そして、日本の古き良き伝統文化を知るきっかけとして木桶は非常に勉強になります。
欠点もあり、移動が不便、木のクズが異物に入る、桶の中に雑菌まで生息する、桶が漏れたり、水分を吸収して、重量が減る等々あるのも事実です。
しかし、杉の木は昔から神聖なもの、神様が宿るものとして伝えられていました。
桶には桶職人の巧みの技術と燃え上がる熱意の結晶が存在しています。
暗黙知の部分がたくさんある、日本人の粋な文化の表れだと私は思っています。