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大体出かけた後更新します。が、めっきり更新頻度低くなりました。ぼちぼちお付き合い下さい。

薪能を堪能する。

2009-09-12 | 美術館等
・・・自分の分類に困っちゃいましたが。。

9/11(金)に「第七回飛鳥山薪能」を堪能してきました!

飛鳥山公園には「飛鳥舞台」という能舞台をイメージした檜造りの野外ステージがあるのだそうです。そこを本格的に整えてるんでしょうか。
ですから、背景?の松の木は本物です。
思っていた以上に人が多くてびっくりです。
一番安い席までほぼ満席。
私はスタートが遅かったのでもはやS席しか残ってない、という時になってチケットを購入したので何も選択の余地が無かったのですが、舞台全体が見られる、ということでは良かったです。
ただ、お顔が良く見えない。
能については面(おもて)ももっと良く見たかったのですがさっぱり
双眼鏡についてすっかり忘れてました。。

お祓いがあり、火入れ式、ご挨拶、解説、その後に始まりました。

-演目-
狂言
 貰聟(もらいむこ)
  野村 万作
  野村 萬斎 ほか


 天鼓(てんこ)
   梅若 玄祥(六郎改メ)
   梅若 晋矢 ほか

貰聟(もらいむこ)。もちろん、読めませんでした(笑)
酒飲みの夫がよっぱらって帰ってきて妻と言い争いにり、勢いで「ヒマをやる!」と。でもこれも1度や2度ならずの事との様子。
それでも今度は本当です、と妻は実家の父に言い張ってかくまわれます。
父はどうせいつものことでまた迎えがくるのだろう、外聞も悪いし帰れと説得するんですが、押し切られた格好です。
それではと、迎えが来ても「来ていない」と言い張るから、絶対出てくるな、と申し付けておきました。
さて。
やっぱり夫が迎えに来ます。
いない、とさんざん言い張るわけですが、そんなわけないでしょうと問答が続くうちに子供が恋しがっているとの話も出、いつのまにか妻はすぐそこに。
さっくり帰ろうとするのを、父は力技ででも押しとどめようとします。
それを夫婦力合わせてやっつけちゃうのです。
ひどいですねぇ(笑)
でも、そんなことなのが平和な日常の証?


天鼓(てんこ)
字のごとく、天からふってきた鼓にまつわるお話です。
天からふってきた鼓が胎内に入る夢を見て妊娠して生まれた子供が「天鼓」で、ほんとにふってきた鼓があり、名手と評判になります。
帝の耳にも入り、鼓を召し上げようと(ようするによこせ。)しますが、天鼓は逃げ出し、山に入ります。
が、あえなく見つかり、鼓をとられるだけでなく河に沈められてしまうのです。
そのストーリーの語りからまず始まり、嘆く父(老人)が登場してきます。
鼓は手に入れたものの鳴らないのです。
天鼓を失って悲しんでいるのだろうと、ではその父なら鳴らせるのでは、と呼ばれました。
子を失った悲しみにくれながらも意を決して鼓を打つと、鳴ったのです。
ちなみに、舞台の前方中心にすえられた派手なこの塔みたいのはなんだろう?と思っていたらそれが天鼓の鼓でした(笑)
感激した帝は、褒美をとらせ、父は帰らせます。
そして、盛大に供養すると約束し、その通りにすると。
天鼓の幽霊があらわれるのです。
最初は静かな調子なのですが、だんだんと舞が激しくなっていきました。
首ふるし、足は踏み鳴らすし。←足拍子というもよう。
喜びの表現でしょうか。
鼓も打ちますが、舞がメインでしたね。

主人公を「シテ」というそうですが、基本的にはシテが去ったら終わりなのでしょうけど、その後に帰られる方が大勢いるわけです。
囃子方や地謡やら。
いつ拍手していいかわかりませんでした。。。
 →[追記]しなくていいそうです。

あらすじや写真(今回のじゃないですけど)が見られてお勉強になるサイト
the能ドットコム 演目事典 天鼓

型や衣装を見るのが楽しくて、また、できるだけ謡いを聞き取ろうとがんばったりしていてちっとも飽きずに堪能しました。
自分でも狂言や能を観劇することが苦にならないのが不思議でちょっと考えたんですが。(何年も前に行った歌舞伎は途中寝た。。)
国立博物館の年間パスポートを買って、散々見に行っていたからのように思います。
能の衣装や面、もっと古い伎楽面を見たりしましたし、日本画を見たり。
そこに特別に惹かれた覚えはないのですが、なんとなく以前より身近に感じられるようになっていたみたいです。

今回は薪能、ということで野外での薪を焚いて行われる幽玄な世界を期待。
良かったのですけども。。
すぐそばを車が通り都電が通り。いろんな雑音がしました(苦笑)
そしてスピーカーを通して声やら聞こえるので、そこはちょっと臨場感がかけてテレビで見てるかのような感じがちょっとしちゃいました。
以前行ったKYOGEN(狂言)ノススメ その六は能楽堂でしかも一列目だったものですから、顔をあげられないくらい近かったのです。
薪能は薪能としてまた見たいですが、能楽堂でもちゃんと見てみたくなりました。


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