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縁あって猫と暮らす

人生の友であり、師匠である猫たちとの暮らしの記録

存在

2007年03月28日 19時59分44秒 | 
今は猫とべったりな生活だけど、
田舎暮らしのときは、
猫と人間はある一定の距離感を保っていた。

我が家は、猫を家の中には入れなかった。
子猫や年老いてきたり病気の猫だけは、
特別に私の部屋に入れていたけど、
他の元気な猫たちは、外に適当な寝場所を見つけて
そこで寝ていた。

母屋とは別に、
同じくらいの広さの小屋があり、
いろいろな農機具や
古くなった服やいろんなものが
ゴチャゴチャと置いてあり、その中で暖かかったり、
風通しのいいところを見つけて、
そこで寝ていた。

人間が起きて、
動き始めるのがわかると
どこからか起きてきて、
裏の入口前で
ご飯を待っていた。

ご飯はやはり残りご飯だけど、
残りが少ない時は、特別におかかを足して
あげていた。よろこんで食べていた。

おっきいという猫がいた。
常に距離感を保った猫だった。
でも私が家の近所を散歩する時には
いつも一緒について来ていた。
家の周りは畑ばかり、
ゆるやかな山の斜面に、
段々と広がっていた。
その間を縫うように小さな農道があり、
そこをゆっくり歩く。
おっきいは私の前を行ったり、
後ろからついてきたり、
時々草を食みながら
チョコチョコと歩いていた。

私が疲れて座れば、
自分も少しはなれて休む。
決して一人で何処に行ったりしない。
夕暮れ時、そろそろ帰ろうというと、
今来た道をトコトコと先頭立って歩いてく。
時々私を振り返りながら、
私の歩幅に合わせて歩く。

家に着いて、
お疲れさんと頭を撫でると、
少しゴロゴロ言って
自分の居場所に帰っていった。

おっきいは
13年生きて、
ヨボヨボのお婆ちゃんになって、
最後は痩せてしまってたけど、
ご飯はいつも残りご飯で、
ある日静かに姿を消しました。


猫と写真

2007年03月15日 18時45分53秒 | 
昔、田舎で猫と暮していた頃は
猫の写真を撮るなんてことは無かった。
何かを撮るときに一緒に写ることはあっても、
被写体になることは無かった。

一度だけ、
桜吹雪があまりに綺麗だったので
何とか写真を撮ろうと、
慣れない手でカメラと苦戦していたとき
いつの間にか傍に猫が来ていて
被写体になってもらった。

全く偶然の産物
カメラ目線などもちろん無く
シャッターを押した次の瞬間には
スタスタと
どこかへ行ってしまった。

出来上がった写真は
ブレブレの失敗作。
その一枚は
私の記憶の中にだけ。

この季節になると、
記憶のアルバムから
引っ張り出してくる。


都会で暮らすようになって、
カメラも段々扱いやすくなって、
傍にはいつも猫がいて、
いやむしろ猫しかいなくて、

常にカメラを向けて
シャッターチャンスを待った。
そしてそれはいつも
絶妙のタイミングで
はずされた。

そんな中から
何とか撮れた写真で
ご紹介します。
我が家の猫たちです。


ミンミンです。
今年で11歳。
口内炎を患い、
苦しい毎日です。
これは一昨年の初冬。


奥・クロ君(解りづらいけど)と
手前・シマ君です。
兄弟ではないのだけど、
昨年8月下旬
一日違いで別々に
我が家に保護されました。
来た当時の頃です。


二人の兄貴分でハル君です。
面倒見の良い
やさしいお兄ちゃんです。
昨年5月中旬に保護されました。
来て間もない頃。
トイレの躾も出来ていて
どこかの飼い猫だったみたい。


仲良くお昼ね~

ちなみに
ミンミンさんは
近寄りません。

次回は
過去の縁(えにし)など・・・

猫の猫生

2007年03月14日 15時04分14秒 | 
私が生まれた時にはもう祖父母はいなくて、
両親と歳の離れた姉兄がいたけど、
物心つくころには家には誰もいなかった。
いつも一緒にいたのは「ミーコ」という三毛猫。
ミーコは毎年子猫を産んでたけど、いつも母がどこかに連れて行ってしまってた。
ミーコも私もいつもそれが悲しかった。

何にも悪いことしてないのに・・・

それでもミーコはまた子猫を産んだ。
少し大きくなった私はミーコと子猫を隠した。
今度はどこへも連れて行かれないように。
ずっとそばにいられるように。

でもすぐに見つかって、また居なくなってしまった。

ミーコは悲しそうに鳴きながら子猫を探した。

呼んでも呼んでも子猫は返事をしなかった。


猫の避妊手術なんて、まだ誰も知りもしなかった30年前。
そんなことがどこの家でも毎年繰り返されてた。

だから野良猫はいなかったけど。

とある地方の田舎の風景。
どこの家にも猫はいた。
ネズミ捕りなんてしてたのかどうか、見たことないけど。
たまにはそんな働きもあったらしい。

ミーコが何回目かの子猫を産んだ時、
子猫はうちに残ることになった。
ミーコは三毛だったけど、子猫はキジ猫2匹。
名前はオッキイとマル。
ミーコはそのあと子猫は産まなかった。

子猫は可愛かった。

私は初めて見る子猫の成長が楽しかった。
寝てばかりだったのに、歩けなかったのに、
階段は転げ落ちてたのに、段々と猫らしくなっていった。
私を見ると走りよってきた。
名前を呼ぶとお返事するようになった。

しばらくするとミーコは子猫を寄せ付けなくなった。
近づくと威嚇するようになった。
子猫は悲しそうに
少し離れたところにいるようになった。

ミーコは段々おばあちゃんになり、
一日中ジッとしていることが多くなった。
ご飯もあまり食べなくなり、耳が遠くなった。
なでると背中はゴツゴツしていた。

そして、姿を見せなくなった。

私はなんとなく覚悟はしてたけど、
名前を呼んでみた。
泣きながら探し続けた。

でも二度と姿は見せなかった。


田舎にいた頃は、
それが当たり前に繰り返された。

無事に生まれてきても
捨てられてしまう子。
ようやく生き延びられる子。
ご飯は人間の残りご飯、
でも元気に育って、
年老いて、体が弱って、
でも病院なんて行かなくて、
静かに死んでいく。

長い子で13歳だったかな。

今は20歳とか生きてる子もいるね。

一緒にいられる時間は長いほうがいい。
でもその分悲しみも深い。

そんなことは充分覚悟の上、
猫と暮す。

後悔しないように、
全力で暮す。←大袈裟?

どんなに捕まえてても
いつかは私の手の中をすり抜けていく。
そのときまで、
幸せだったと思えるように、
また私のところに帰ってきてくれるように、
そしていつか私を迎えに来てくれるように

祈りをこめて
猫と暮らします。

創めたばかりで、まだまだ未完成です。
ボチボチ更新になると思いますが、ゆっくり行こうと思います。
よろしくお願いいたします。

次回はうちの猫たちを写真でご紹介します。