映画館に入って、おもしろくなかったらどうするか
① 我慢して最後まで見る。
② 我慢して最後まで見ようと努力するが、それでもつまらなかったら途中で出る。
③ 我慢せず、さっさと出る。
以前の私は①だった。しかし、最近は③にしようと決めている。お金より時間のほうがもったいない。
読書も同じである。面白いと思った作家の本は全部購入して読むのが私流だ。かつては、城山三郎、渡辺淳一、百田直樹などの本をよく読んだ。しかし、そうして買った本の中でも、本当に面白いと思う作品は少ない。
最近ハマッたのが池井戸潤である。とくに『空飛ぶタイヤ』は背景に正義感があり、非常に面白かった。『鉄の骨』も談合の必要性と矛盾を糾弾する面白い作品だった。『ペイオフの罠』も、ペイオフ情報を悪用して老人から大金をせしめるというなかなかの作品だった。
でも、あとは正直言ってあまりおもしろくなかった。私には合わなかったといったほうが正確かもしれない。一応、楽しめる作品にはなっているが、読んだ後何も残らない。途中で読むのをやめた作品が何冊もある。気に入った作品以外は、結局みんなごみ箱に捨てた。
本を買うかどうかを決める基準は、その本の持つ「力」にある。1行でも「琴線」に触れる言葉があれば迷わず買う。中には、書評を読んで買ってはみたものの、みごとに騙されてしまうこともままある。今日も1冊(上下本)捨てた。
その一方で、とんでもなく貴重な情報に出くわすこともある。今日読んだロッキード事件を扱った本がそうだ。ただ、その情報を授業でしゃべるわけにはいかない。政治の裏側を知れば知るほど、政治を語ることがどんなに危険なことかと改めて思う。ロッキード事件もそうだったが、「何とか事件」という事件が起きると、たいてい死人が出る。そして、真相は闇に葬られる。
政治とは恐ろしい世界である。