goo blog サービス終了のお知らせ 

南英世の 「くろねこ日記」

徒然なるままに、思いついたことを投稿します。

面白い本、面白くない本

2016年07月31日 | 日常の風景

映画館に入って、おもしろくなかったらどうするか
① 我慢して最後まで見る。
② 我慢して最後まで見ようと努力するが、それでもつまらなかったら途中で出る。
③ 我慢せず、さっさと出る。

以前の私は①だった。しかし、最近は③にしようと決めている。お金より時間のほうがもったいない。

読書も同じである。面白いと思った作家の本は全部購入して読むのが私流だ。かつては、城山三郎、渡辺淳一、百田直樹などの本をよく読んだ。しかし、そうして買った本の中でも、本当に面白いと思う作品は少ない。

最近ハマッたのが池井戸潤である。とくに『空飛ぶタイヤ』は背景に正義感があり、非常に面白かった。『鉄の骨』も談合の必要性と矛盾を糾弾する面白い作品だった。『ペイオフの罠』も、ペイオフ情報を悪用して老人から大金をせしめるというなかなかの作品だった。

でも、あとは正直言ってあまりおもしろくなかった。私には合わなかったといったほうが正確かもしれない。一応、楽しめる作品にはなっているが、読んだ後何も残らない。途中で読むのをやめた作品が何冊もある。気に入った作品以外は、結局みんなごみ箱に捨てた。


本を買うかどうかを決める基準は、その本の持つ「力」にある。1行でも「琴線」に触れる言葉があれば迷わず買う。中には、書評を読んで買ってはみたものの、みごとに騙されてしまうこともままある。今日も1冊(上下本)捨てた。

その一方で、とんでもなく貴重な情報に出くわすこともある。今日読んだロッキード事件を扱った本がそうだ。ただ、その情報を授業でしゃべるわけにはいかない。政治の裏側を知れば知るほど、政治を語ることがどんなに危険なことかと改めて思う。ロッキード事件もそうだったが、「何とか事件」という事件が起きると、たいてい死人が出る。そして、真相は闇に葬られる。

政治とは恐ろしい世界である。

あしび山荘

2016年07月10日 | 日常の風景

天王寺高校は奈良県東吉野村に「あしび山荘」という自前の山荘を持っている。標高1300メートル。ここで、1年生が毎年クラス単位で一泊2日の宿泊研修をする。山荘には水道も電気もガスもない。もちろんトイレもない。穴を掘って簡易トイレを作る。女子生徒などはここで用を足すことで「クソ度胸」がつくというのは嘘か真か(笑)。

もともと山荘には燃料も何もない。そこで、宿泊研修の前に、山岳スキー部とワンダーフォーゲル部の生徒が事前に大量の薪などを山荘に運び上げる。この作業を「歩荷(ぼっか)」という。私も歩荷に同行することになった。

歩荷当日、奈良県には大雨警報が出ていたが、天気図を見ると昼過ぎには雨雲が抜けそうというので、ともかく現地まで出向く。
しかし、現地についても雨は相変わらずひどい。
傘を差しながら、とりあえず昼食を食べる。



あしび山荘までの途中に何箇所か川を渡らなければならない。
もちろん橋はかかっていない。
増水すると渡れなくなる。
今日の雨の具合だと、上流に降った雨の影響で明日はさらに水かさが増するかもしれない。
ということで、山小屋に一泊することをあきらめ、急きょ日帰りで荷揚げをすることを決定する。

普通なら、山荘まで3時間あまりかかるところを、2時間程度で登るという強行軍。
体力的に自信がなかった私は泣く泣くここでリタイアーを決める。全体の足を引っ張っては申し訳ない。
待機を申し出た生徒9人とともにバスに残る。

精鋭27人が、リュックに荷揚げに必要な荷物を詰め込み、登山開始。
しかし、残念ながらすでに川が増水し、山小屋にはたどり着けず、途中で引き返してきたことを後で知る。

「井戸の水を飲むときには、井戸を掘った人の恩を忘れてはならない」という言葉がある。
事前にこういう下準備があるからこそ、クラス行事がスムーズにいく。
それがどれだけの人にわかってもらえるか。
私もこういう経験がなければわからなかったかもしれない。

帰りに「やはた温泉」に寄り、ひと風呂浴び、びしょびしょになった服を着替える。
総檜造りの温泉は格別だった。



歩荷(ぼっか)

2016年07月08日 | 日常の風景

天王寺高校は奈良に「あしび山荘」という山小屋を持っている。
標高約1300メートル。
水も電気もガスもトイレもないらしい。
毎年、1年生がそこにクラス単位で1泊2日の宿泊研修を行なうことになっており、その準備のために毎年、山岳スキー部とワンゲルが荷揚げをする。その荷揚げを歩荷(ぼっか)という。

私も、歩荷についていくことになった。4月に、800メートルの新歓登山に行ってきたとかかりつけのドクターに話したら、びっくりされた。体力的に不安があるが、何とか頑張りたい。自分の荷物だけで8キロになる。