
12月1日、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本の政府債務格付をAa3からA1に格下げした。格下げの理由は、言うまでもなく財政赤字の拡大と返済に対する疑念である。
ムーディーズの格付けは次のようになっている。(カッコ内はS&Pの格付け)
Aaa (AAA)
Aa (AA)
A (A)
Baa (BBB)
Ba (BB)
B (B)
Caa (CCC)
Ca (CC)
C (C)
格付けとデフォルト率(債務不履行の可能性)をグラフにすると上に示したとおりである。健全な投資とされるのはBaa(BBB)までであり、Ba(BB)から投資リスクが格段に高まることが分かる。
日本は今、Aまで来たのだ。もう後がない。Baa(BBB)まで残すところわずかだ。Ba(BB)まで格下げになれば、日本政府にお金を貸すのは危なくてできないという人が増えてくる。そうなると、金利が急騰する。ミナミの帝王という映画で、返せる見込みの少ない人にべらぼうな金利を吹っかけて金を貸すのと同じ現象が起きるのだ。
すぐには、日本国債が売り浴びせられたり、株が暴落することはないかもしれない。しかし、真綿で首を絞めるように、日本経済は徐々に最悪の事態に向かっているように思えてならない。