2013年10月28日、NHKのEテレ「テストの花道」という番組で、私の提唱する勉強法が紹介された。学習効果を高めるためには、予習・授業・復習にそれぞれ目的意識を持つことが重要であるとホームページに書いたところ、それを見たNHKの番組担当者から、突然、職場に電話が入り、勉強方法について番組を作るので紹介させてほしいという連絡があったのだ。もちろん快諾した。
1.予習
予習の目的は「わかる」と「わからない」の区別をすることである。わからないことまでわかろうとすると膨大な時間がかかる。しかし、わからないところを見つけるだけなら短時間で済む。だから、予習では簡単に「わかる」と「わからない」を区別する程度で軽く済ませる。
2.授業
授業では「わからない」ところを集中的に聴いて疑問を解決する。あらかじめ、聴く心構えができているから、必ずしも全部を真剣に聴く必要はない。
3.復習
復習では「わかる」から「できる」へと知識を定着させる。言うまでもなく「わかる」と「できる」との間には天と地ほどの差がある。何度も何度も繰り返すことによって、知識を確実に定着させる。
実は勉強で一番大切なのはこの復習にある。特に、英語や数学では復習の大切さはいくら強調してもしすぎることはない。せっかく理解しても、忘れてしまえばやらなかったのと同じである。
このように予習をサッと済ませ、浮かせた時間を復習に時間をかけることが学力を高める秘訣である。
ちなみに、おススメの復習方法は、覚えたことを「何も見ないで」「真っ白い紙に書き出してみる」という方法である。勉強にはインプットとアウトプットの段階があるが、実力を実感できるのはアウトプットである。「何も見ないで」「真っ白い紙に書き出してみる」。だまされたと思ってやってみるといい。効果は抜群である。
また、予習と復習の割合は、勉強が伸び悩んでいる人ほど復習に時間をかける(例えば予習3、復習7)。そうするとみるみる成績は上昇する。
放映された内容は、後日書籍化された。テレビで放映されたことはすぐ消えてしまうが、書籍はずっと残る。ありがたい。
『テストの花道流 夢がかなう人の勉強術』 河出書房新社 (p20, p21)1200円
勉強方法が間違っているために成績が伸び悩んでいる生徒を、これまでたくさん見てきた。成功する勉強方法は人それぞれに違う。しかし、失敗する勉強方法には共通性がある。圧倒的に復習時間が足りないのだ。成績を向上させ、明るい高校生活を送ってほしいと思う。