
法政大大学院の坂本光司教授によると、「日本一幸せ」なのは福井県民ということなのだそうだ。上位3県は福井、富山、石川の北陸3県で、最下位は大阪だという。
幸福度ランキング
1位 福井
2 富山
3 石川
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45 兵庫
46 高知
47 大阪
はたしてそうか。石川県生まれの人間としては違和感を覚える。北陸3県の人が「幸せだと感じること」と、「本当に幸せかどうか」は別のことではないのか、という気がするのだ。
結論を簡単に言えば、北陸の人間は我慢強い。冬の自然の厳しさと貧困から、「ほどほど」と言うことを知っているから、不都合を不都合と思わない。だから、今日1日何もなければ幸せだと感じることができるのだ。
それに加えて、宗教も関連しているかも知れない。北陸は言わずと知れた浄土真宗王国である。報恩感謝の気持ちがあれば、多生の不便は我慢できる。当たり前のことにも、ありがたさを感じ、すべてを「他力」(=仏力)にまかせ、人生の悩みから解放される。そんな土地柄が、幸福度を押し上げているのではないか。
もちろん、海の幸、山の幸、持ち家率の高さ、家の広さ、自動車保有率、レジャー環境(海水浴やスキー)その他諸々のこともプラスに影響しているのかも知れない。
大阪に住んで約30年になるが、客観的に見れば、北陸より大阪の方が住みやすい。それにもかかわらず、大阪のランキングが低いのは、大阪の人は「文句いい」だからではないのか。現世利益を掲げる宗教が強いのも、そうしたことが影響しているのかも知れない。
いずれにしろ、アンケート結果だけを見て、北陸が一番幸せだと考えるのは早計だと思う。