「つきぬけて 天上の紺 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」
私図書館屋の好きな俳人山口誓子の句です。
紺曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」とは「ヒガンバナ」のことで、 ちょうど今頃田んぼのあぜなんかで咲いています。この句は、秋の空気とヒガンバナの持つ凛とした雰囲気を詠み切った名句だと私図書館屋は思うのです。
さて、このヒガンバナは毒草ということで、子どもの頃は触ることも許されませんでした。
今手元にある『毒草大百科 愛蔵版』によるとリコリンというアルカロイドが毒の元で、皮膚炎や激しい嘔吐などの症状がでるそうです。やはり触らなくて正解でした。
ところが物好きはいるものでエッセイストの植松黎氏は毒草をとりあえず口に入れてみるという方です(『毒草を食べてみた』)。
この方はイラストの美しい『毒草の誘惑』という本も出しています。
ヒガンバナを食べた時は、「吐いても吐いてもむかつきはおさまらず(中略)自分がどうなっているのかさえわからなく」なったそうです。
一方、飢饉の時は食料にもなったヒガンバナはなかなか魅惑的な花ですね。
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