2013年3月26日 西八王子駅近くまで所用で行った私は、帰りも南浅川沿いにお花見を楽しみながら、上流右岸の桜並木の下を歩いていた。今年はチョー早く咲いてしまったのですが、ここのは満開に見えて実際には5分咲きだった。
富士森高校の土手まで来ると、ビィィィー と鳴く小鳥の声。あれ、この声、聴いたことがあるなぁ、何の鳥だったっけ?
野鳥の会 神奈川支部報 平成19年2月号に私が投稿した体験記を以下に載せる。
「ジュウーイ」と低音で鳴く鳥
(この当時、私は神奈川県横須賀市浦賀の高台に住んでいた。)
平成18年4月23日、午後4時頃。自宅近くの公園の木の上で「ジュウーイ/ジュウーイ・・・」と鳴いている。低音でジュウのふるえ音の目は粗く寂しげに聴こえる。立ち止まって見上げると鳴きやんでしまった。飛んだらしい。数十mのどこかに止まって鳴き続けている。病床で臥せっている中高年男性が力なく呼んでいるような鳴声で聴いたことがない。ジュウイチなのか?
図鑑を見るとジュウイチの渡来は5月中旬からになっている。するとまだ渡来してないことになる。でも結局、ジュウイチしかないのだろう、と思うのだが???
5月6日、午前8時頃、自宅でパソコンに集中していた私は、「ジュウーイ」と小さく届いてくる鳴声を頭の片隅で聴いていた。10分ほどしてからハッと気が付いて外へ飛び出した。緑濃い木々のどこで鳴いているのかわからない。まだあの鳥が居たのか。渡り鳥のジュウイチではなかったのか?・・・今日は快晴だがすこぶる風が強い。そのうち、新しいシナリオを思い付いた。新しく渡ってきたジュウイチかもしれない・・・半信半疑。
5月10日にも鳴いていたので捜してみたがわからなかった。・・・3羽めが渡ってきたのか?・・・それとも初めから1羽なのか?・・では何の鳥?
15日、午前7時半頃、また鳴いている。外へ出る。崖上の方から聴こえる。児童公園の中に入り上ばかり見ていると、すぐ傍のかん木から鳥が横一文字に飛んで逃げて行った。暗褐色の翼に黄色がパッパッと見えたように感じた。鳴声は止まってしまった。図鑑でカワラヒワの囀りを読んでみるとまるで違う。しかし最後に、オスは「ビーン」とも囀る、と書いてある。「ジュウーイ」を「ビーイ」と聴けば似ている。これかもしれない。
同じ日、午前11時頃、浦賀駅へ向って歩いて行くと、小鳥が「???チュィチュィチュィ??」ときれいな声で鳴きながら飛んできて真上の電線に止まった。止まる直前にまぁるく広げた翼の形が図鑑の写真で見るカワラヒワの形。止まってから鳴き出した。「ジュウーイ/ジュウーイ」尾が凹尾の形。それから20m先の木へ飛んで行った。途中に擁壁とフェンスがあるので、私は大回りして、人目を無視して走った。その広場へ近づくと道路沿いに植栽されているパンジーなどの草花の中から2~3羽の小鳥が飛び去った。仲間だと思った。家へ取って返し、小スコープを持って来てしばらく待っていると1羽が飛んできた。草花の中に、さやをびっしり付けた半枯れの草木が沢山あり、さやの中の種を食べに来ているのだった。「ジュウーイ」と鳴く鳥はジュウイチではなくカワラヒワだった。バード歴、丸4年になる。カワラヒワを詳しく見聞できたのは今回が初めてであり、かねてから興味のある鳥だった。

最新の神奈川支部報の表紙
飛んでいるときは可愛らしい声、止まると途端に老人の声
5月22日、奈良・柳生の里にて。早朝、近くの一刀石へ登った。(高度差50m位)やや遠くで小さく「ビー」と鳴いている。この辺りは松ノ木(松ぼっくり)が散見される。(何の鳥かわかるよ。)と、僅か10日前だったらわからなかったのに、ちょっぴり得意な気持ちだった。道々、あちこちで鳴いていた。