京都逍遥

◇◆◇京都に暮らす大阪人、京都を歩く

東林院・沙羅の花を愛でる会

2009-06-17 23:48:16 | まち歩き

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東林院は、妙心寺山内塔頭のひとつで、境内の東端にある。普段は宿坊らしいが、週2回の「精進料理を体験する会」と、季節毎の特別拝観(お正月の「小豆粥で初春を祝う会」、初夏の「沙羅の花を愛でる会」、秋の「梵燈のあかりに親しむ会」)がある。

妙心寺の南門から、立派な三門・仏殿・法堂を見上げつつ、石畳を進む。上の写真は、東林院の門に至る小道。紫陽花が、きれいだった。

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お抹茶付きの拝観料1580円を支払って、門をくぐる。本堂手前のお庭は、形良く整えられた羅漢槇がとても美しい。

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本堂に上がると、すぐにお抹茶の用意がされ、赤い毛氈に座って、お菓子とお茶を頂いた。鼓月の懐紙に、沙羅の花を模った生菓子と葉を模ったお干菓子が載っている。

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方丈前の庭は、「沙羅林」と呼ばれるらしい。真正面には高さ4~5mほどの幹しか残っていない樹齢300年の古木。広くはないお庭に、樹齢60年など、十数本の沙羅双樹が林立している。樹齢60年と言っても、その幹は頼りないほどに細く、古木が枯れた今となっては「沙羅林」という呼称も、不似合いに思える。

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この沙羅の木、正しくは夏椿という。釈迦入滅の際に一斉に開花して、その死を惜しんだという沙羅双樹とは別物なのだ。

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快晴の今日、団体客も多く、みな縁側に腰を下ろして、お坊様の話に耳を傾ける。「今日なすべきことを明日に延ばすな」。

沙羅の花が、苔に散り敷くさまを見たかった。なのに、雨不足のためか、手入れが悪いのか、土地に合わないのか、苔が茶色くて全然美しくない。人が多すぎて、ぼんやり過ごすこともできない。精進料理を申し込まなければ、パンフレットにあった「枯山水の大庭園」も見ることはできないのだろうか?お茶もお菓子も美味しかったけれど、これで、この拝観料は高すぎる・・・。退蔵院のお庭の方が、満足度は高い。

いろいろ不満足が重なり、帰りは妙心寺の飾り瓦を見て歩いた。花園天皇ゆかりの菊紋、また巴紋が多く見られる。そういえば、東林院本堂入り口の飾り瓦には、五七桐根笹の珍しい紋が入っていた。軒丸瓦には二つ引両の紋。これは共に山名家の家紋であるらしい。東林院は、細川氏綱が建てた三友院を、後に縁者の山名豊国が移転・改名したものという。

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