連日、コロナ禍のことばかり。18日には感染者が1万人を越え、9日間で倍増するという、止まるところを知らない状況。そんな中、10万円が支給されるとか。やはりここは全額パーッと使わないと。それが景気対策につながる。でも、そんなこと考えられるのは幸せなんでしょうね。まだまだ自粛は長引きそう。やはり国がしっかり支援をしなければねえ。自粛要請、PCR検査を増やす、支援策、アベノマスク、どれを取っても中途半端な印象を持ちますねえほんと。
そんな中で、今回はワーグナー。歌劇『タンホイザー』であります。このオペラ、それほど多くの全曲盤があるわけではない。思いつくのはショルティ、ハイティンク、バレンボイム、シノーポリなどなど。バイロイトのライブでは、少々古いが1955年のクリュイタンスなども有名ですかね。かのカラヤンも唯一録音がない(ライブはあります)ワーグナーのオペラ。やはり、この初期の歌劇は魅力に乏しいのかな。序曲は超有名だし、歌合戦や第三幕などにも有名な場面は多いです。でも内容的の充実度はイマイチなんかな。オランダ人の方がたくさんの録音があるかも、ですね。
そして、今回はフランツ・コンヴィチュニーとSKBによる全曲盤。1960年10月ベルリンでの録音です。コンヴィチュニーは、SKBの首席指揮者にありましたから、当然オペラの演奏も多かったんだろうが、意外にワーグナーは少ない。バイロイトにも東独ゆえか出演していない。1950年のトリスタンと1959年のコヴェントガーデンでの指環、1960年のSKBとのオランダ人があるくらいですね。
オペラの演奏の良し悪しは、歌手のこともありなかなか難しい。しかし、最近の演奏を聴くと、どうしても一昔前のものがいいなあ、と思ってしまいます。例えば、2014年のバイロイトでのライブ盤もCDで聴けますが、これとコンヴィチュニー盤を聴き比べると、まあ一目瞭然。なんと最近の演奏はひ弱なのか。歌手にしてもオケにしてもであります。まあコンヴィチュニー盤が、力強さや質実剛健さでは、比類なきものでありすぎることもありますが…。
この演奏では、1950年代からバイロイトなどで活躍していた歌手、ハンス・ホップ、エリーザベト・グリュンマー、ゴットロープ・フリックに加えて、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(以下DFD)やヴンダーリヒなどが加わっています。やはり、この時期の歌手の顔ぶれはすごいし、どれも強靱であります。タンホイザーのホップはあまり評判はよくないですが、まあタンホイザーはこんなもんで十分でしょう。堂々すぎるくらい堂々。領主ヘルマンのフリックは手堅い。さすがワーグナーのバスの歴戦の強者。そして、エリーザベトのグリュンマーは、これまで他のドラマティックソプラノと共演することなどから、比較しても確かにひ弱な印象が拭えなかったのですが、今回は最高にエリーザベトとも言える出来映え。気丈でしっかりものですねえ。第二幕と断三幕の有名な歌唱はもちろん、第二幕の終わりでも他の男声に負けません。そしてやはり一番は、DFDですよねえ。ヴォルフラムは重要な役。第1幕からタンホイザーを支える。喜び苦悩するところの表情の巧さは心憎いくらい。やはりうまい。第三幕の冒頭から「夕星の歌」あたりまでは、私大好きなところです。「巡礼の合唱」の力強さ武骨さがいい。そしてマリアへの「エリーザベトの祈り」。グリュンマーの澄んだ美声での真摯で説得力のある歌唱が心をうつ。続いて「夕星の歌」のDFD、この柔らかで刻々と表情の変わる柔軟性や素晴らしい対応力と表現力は、このあとのタンホイザーとのやり取りでも強烈ですよねえ。オケの迫力も含めて、ホップとグリュンマーとDHDの絡みの真摯さは、多少の息苦しさを感じるところもありまずが、でもそれがまた類い希なる緊張感を生み、これがまたいい。
これらの強力な歌手陣に加えて、コンヴィチュニーも強力です。序曲からその響きが固い固い。以降、その手は緩めることなく、それが限りない直向きさと迷いの一切無い力強さとなり、心を揺り動かします。弦は力強く弾きまくり、金管は地味な音色で強奏、木管も艶やかさを感じる硬質。このタンホイザーは、ワーグナーの作品の中でも、ドイツ色を最も感じるもの。まさにドイツ魂の塊のような演奏に、歌手も呼応し、この演奏はとても好きであります。
先週は、4日は出勤。3日は在宅でした。今週は、2日の出勤にしようと思います。家で音楽読書三昧できたら、いいですがねえ。とにかく感染防止です。
(Emi Electrola 0965502 2013年 輸入盤)
そんな中で、今回はワーグナー。歌劇『タンホイザー』であります。このオペラ、それほど多くの全曲盤があるわけではない。思いつくのはショルティ、ハイティンク、バレンボイム、シノーポリなどなど。バイロイトのライブでは、少々古いが1955年のクリュイタンスなども有名ですかね。かのカラヤンも唯一録音がない(ライブはあります)ワーグナーのオペラ。やはり、この初期の歌劇は魅力に乏しいのかな。序曲は超有名だし、歌合戦や第三幕などにも有名な場面は多いです。でも内容的の充実度はイマイチなんかな。オランダ人の方がたくさんの録音があるかも、ですね。
そして、今回はフランツ・コンヴィチュニーとSKBによる全曲盤。1960年10月ベルリンでの録音です。コンヴィチュニーは、SKBの首席指揮者にありましたから、当然オペラの演奏も多かったんだろうが、意外にワーグナーは少ない。バイロイトにも東独ゆえか出演していない。1950年のトリスタンと1959年のコヴェントガーデンでの指環、1960年のSKBとのオランダ人があるくらいですね。
オペラの演奏の良し悪しは、歌手のこともありなかなか難しい。しかし、最近の演奏を聴くと、どうしても一昔前のものがいいなあ、と思ってしまいます。例えば、2014年のバイロイトでのライブ盤もCDで聴けますが、これとコンヴィチュニー盤を聴き比べると、まあ一目瞭然。なんと最近の演奏はひ弱なのか。歌手にしてもオケにしてもであります。まあコンヴィチュニー盤が、力強さや質実剛健さでは、比類なきものでありすぎることもありますが…。
この演奏では、1950年代からバイロイトなどで活躍していた歌手、ハンス・ホップ、エリーザベト・グリュンマー、ゴットロープ・フリックに加えて、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(以下DFD)やヴンダーリヒなどが加わっています。やはり、この時期の歌手の顔ぶれはすごいし、どれも強靱であります。タンホイザーのホップはあまり評判はよくないですが、まあタンホイザーはこんなもんで十分でしょう。堂々すぎるくらい堂々。領主ヘルマンのフリックは手堅い。さすがワーグナーのバスの歴戦の強者。そして、エリーザベトのグリュンマーは、これまで他のドラマティックソプラノと共演することなどから、比較しても確かにひ弱な印象が拭えなかったのですが、今回は最高にエリーザベトとも言える出来映え。気丈でしっかりものですねえ。第二幕と断三幕の有名な歌唱はもちろん、第二幕の終わりでも他の男声に負けません。そしてやはり一番は、DFDですよねえ。ヴォルフラムは重要な役。第1幕からタンホイザーを支える。喜び苦悩するところの表情の巧さは心憎いくらい。やはりうまい。第三幕の冒頭から「夕星の歌」あたりまでは、私大好きなところです。「巡礼の合唱」の力強さ武骨さがいい。そしてマリアへの「エリーザベトの祈り」。グリュンマーの澄んだ美声での真摯で説得力のある歌唱が心をうつ。続いて「夕星の歌」のDFD、この柔らかで刻々と表情の変わる柔軟性や素晴らしい対応力と表現力は、このあとのタンホイザーとのやり取りでも強烈ですよねえ。オケの迫力も含めて、ホップとグリュンマーとDHDの絡みの真摯さは、多少の息苦しさを感じるところもありまずが、でもそれがまた類い希なる緊張感を生み、これがまたいい。
これらの強力な歌手陣に加えて、コンヴィチュニーも強力です。序曲からその響きが固い固い。以降、その手は緩めることなく、それが限りない直向きさと迷いの一切無い力強さとなり、心を揺り動かします。弦は力強く弾きまくり、金管は地味な音色で強奏、木管も艶やかさを感じる硬質。このタンホイザーは、ワーグナーの作品の中でも、ドイツ色を最も感じるもの。まさにドイツ魂の塊のような演奏に、歌手も呼応し、この演奏はとても好きであります。
先週は、4日は出勤。3日は在宅でした。今週は、2日の出勤にしようと思います。家で音楽読書三昧できたら、いいですがねえ。とにかく感染防止です。
(Emi Electrola 0965502 2013年 輸入盤)
明日から、いよいよ、「ステイ・ホーム週間」が、始まります。しかし、何故、「在宅週間」では、いけないのでしょうか?小池さんは、コロナが始まって、素晴らしい、手腕を発揮していますが、この英語多用には、ちょっと、嫌な感じを受けますが、私だけでしょうか?もっと、ハードなメッセージで、良いのではないでしょうか。コロナの怖さが、オブラートに包まれるような感じに見えます。今回は、安部さんを始めとして、各地のリーダーが、その力量を見せつけています。そのうち、誰か、通信簿をつけて、欲しいですね。我が千葉県の、森田健作は及第点がつくでしょうかね?それはともかく、私は自室で、音楽を聴きます。
コロナ禍は、ほんとにどんどん深刻になっていきますねえ。今日は、東京は久々に感染者が二桁になったそうですが、インターハイも中止になるそうですね。とにかく、家に籠もるしかないです。この土日も家から一歩も外に出ませんでした。走るのも自粛しました(金曜日に走った後から、花粉か黄砂かで鼻炎が深刻になりました)。感染防止には、これしかないですね、またご教示ください。