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メトロポリタンの『ローエングリン』

2020年05月24日 21時24分48秒 | ワーグナー
夏の甲子園も中止になりましたねえ。まあ仕方ないことですが、残念です。今年の7・8月は、これまでの休校時期を補うために休み返上のところが多い。これまで長期休業中や土日で大会を行っていたことからも、予選や全国大会をすることはとても無理だと思うのです。授業のある平日に試合などを行うことは、ほとんどありませんからねえ。学業優先の原則からもできるわけがないと思います。大阪の知事さんは、高野連に再考を要望していますが、この人の真意がわかりませんねえ。

さてさて、今回は前回も少し触れたメトロポリタン歌劇場の無料配信から。5/20は、ワーグナーの『ローエングリン』でした。このオペラが大好きな私は、仕事そっちのけで見てしまいました(笑)。これは、1986年1月の公演。エヴァ・マルトンとペーター・ホフマンの主役ふたりとレオニー・リザネクとレイフ・ロールの悪役コンビ。そして指揮はジェームス・レヴァインでした。私は見たことがなかったのですが、LDでもまた現在DVDでも発売されているものです。しかし、もう35年も前のものなんですねえ。

まずアウグスト・エファーディングの演出ですが、昔風に時代などに忠実なもの。まあ1986年という年代を考えれば穏当なもの。今の感覚で見ると、多少は物足りないかな。メットの公演は、欧州と比べると、伝統的なものが多いのですかねえ。舞台の意味を考えることなく、音楽に集中できるのはいいかもしれません。

レヴァインですが、このころは飛ぶ鳥を落とすような勢いでしたねえ。それと同様に音楽もたいそうな勢い。オケをガンガン鳴らせ、それにオケも存分に応える、まあアメリカだなあ、ということを実感させますね。レヴァインもVPOなどとの演奏ではあまり感じないのですが、手兵とでは個性全開なんでしょうか。また、それがたまにうるさいな、と思ったり、ちょっと違うよなと感じるところもあったり…でありました。でもツボにはまれば、至極いいな、でした。

次に、主役ふたりですが、マルトンはこのころが全盛期ですかね。声に張りもあり、感情も露わにした大熱演でした。少々この人の声はエルザには重い感じ。なにせブリュンヒルデやトゥーラドットもしはる人ですから。でも重い役では感じていたじんどさがなく、けっこう力強いまた安定感のあるエルザでよかったですね。また、ひたむきさや真摯なところも伝わり、エルザを立派に演じられていました。ホフマンですが、ローエングリンは1982年のバイロイトでも演じています。やはり、この人はこの時期のヘルデン・テノールとしてはピカイチですね。見栄えもするし、声も立派。ブーレーズのリングでのジークムントもよかったですが、それに匹敵するローエングリンでした。

また、悪役ふたりですが、テルラムントのロールですが、極めて生真面目。まあこの役がそんな感じの人ですが、それでも少々堅い。堅実と言えばそうですが。一方、オルトルートのレオニー・リザネクですが、これが本当によかったですね。その昔、ブルトヴェングラーとジークリンデ、バイロイトでも、エルザはもとより、エリーザベトやゼンタも歌ったソプラノでしたが、このときおそらく還暦あたり。やはり往年の声に比べればしんどさも感じされたが、はやりそれを補う技巧や迫力、凄みは見事。特に第二幕のテルラムントやエルザとのやり取りはなんともスゴかったですねえ。マルトンには悪いが、この人が断然光っていました。気鋭の人もいいですが、こんな人の活躍を見るのは、嬉しいですねえ。

緊急事態宣言も週明けにもすべて解除されるようで、少し光りが見えてきましたね。6月からは、「『コロナ時代』(この表現は違うやろ)の新しい日常」が始まるんですかねえ。一方では賭け麻雀!。まあこのどんでん返しにはもう笑うしかないですねえ。実にお粗末!
(DG 0734176 20091年 輸入DVD)

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2 コメント

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Unknown (七味とうがらし)
2020-05-31 13:53:28
このところワーグナーの楽劇を聴くようになりました。ローエングリンはご紹介されている数も多いので大いに参考にさせていただいております。
不思議とテルラムントやオルトルートといった悪役に感情移入してしまいます。
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コメント、ありがとうございます。 (mikotomochi58)
2020-05-31 21:45:48
七味とうがらし 様、コメント感謝です。ローエングリンは、私が最も好きなオペラです。数ある演奏の中でも、ケンペ盤とクーベリック盤が双璧と思っています。私もオルトルートとテルラムントの悪役コンビ、大好きです。特に、第二幕の前半のふたりのやりとりから、エルザとオルトルートの場面など、大好きです。この悪役コンビがしっかりしないと、このオペラはおもしろくありませんんね。またご教示ください。
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