しかし米国大統領選ですよねえ。なかなか決着がつかないことはさておき、トランプさんの言い分がどれだけ米国に受け入れられるか、ですよねえ。次第に、マスコミどころか共和党からも見放されつつあるように思います。ただ、トランプさんが選挙の不正を主張すればするほど、支持者たちが騒動を起こし、米国内がますます分断されるのが問題。ここはトランプさんが大人の対応をしていくのが大切と思いますが…。とか言っていたら、トランプ大逆転があったり…。
まあ、そんなことはさておき、今回はワーグナー。楽劇『ニーベルンクの指環』。かの有名なフルトヴェングラーとミラノ・スカラ座との演奏。1950年4月ミラノ放送局による収録です。フルトヴェングラーの二種類のリングで、早く聴いたのは1953年のローマ盤でした。今でもそっちの方が私的には好きなんですが、フグスタートのブリュンヒルデが聴けることを中心に、歌手についてはこのスカラ座盤の方が評価が高いのでしょうね。
まあ、そんなことはさておき、今回はワーグナー。楽劇『ニーベルンクの指環』。かの有名なフルトヴェングラーとミラノ・スカラ座との演奏。1950年4月ミラノ放送局による収録です。フルトヴェングラーの二種類のリングで、早く聴いたのは1953年のローマ盤でした。今でもそっちの方が私的には好きなんですが、フグスタートのブリュンヒルデが聴けることを中心に、歌手についてはこのスカラ座盤の方が評価が高いのでしょうね。
スカラ座盤については、いろんなCDが出ており、私は「劇的な音質向上」と言われた独ゲプハルト(Gebhardt)盤を持っていますが、過日OTAKENレーベルからの復刻盤を入手しました。このCDは、テープより転写された音盤の保存の非常にいいものから復刻した、そうです。原盤は、ミラノ放送局テストプレス盤とあります。その復刻盤、Gebhardt盤と比較してもまったくいい。Gebhardt盤ではあまり伝わらなかったよさがガンガン伝わって来ます。生々しく蘇った音は、フルトヴェングラーと歌手たちの凄さが実によくわかるのであります。「ノイズ取りを含めた一切のデジタルリマスタリングは排して」います。それゆえ、ノイズも生々しく残っている箇所もありますがね。
ただ、このOTAKEN盤は『神々の黄昏』の抜粋だけなんです。①夜明け~ジークフリートのラインへの旅、②ホイホー!ホイヘー!~ジークフリートの死、③ジークフリートの葬送行進曲、④ブリュンヒルデの自己犠牲が収められています。ブリュンヒルデはキルステイン・フラグスタート、ジークフリートはマックス・ローレンツです。全曲では残っていないんですかねえ。可能なら全曲を復刻してほしいのですが、それはなかなか難しいのでしょうねえ。
この復刻盤では、まずはフラグスタートですね。この復刻によって、歌唱も再認識されます。ラインの旅と自己犠牲なんですが、まず、これを楽々と歌い上げてます。これまでのCDではこれほどの充実振りは感じなかった。声の輝かしさ、表情に深さ、歌唱のテクニック、どれもこれを凌ぐものはなかなか聴けない。加えて、暖かみのある声で、高音まで難なく歌い上げるところ、弱音のきれいさ、なども、実にいい。ただ、多少時代がかったところもありますが、この安定感と暖かさ、そして表現力は、何者にも代え難いものであります。
また、フラグスタートにも勝るとも劣らないのが、マックス・ローレンツであります。1952、53年のバイロイトでもジークフリートを歌っていますが、20世紀前半を代表するヘルデン・テノールですね。もう大昔にこの人のジークムントを取り上げたことがありました。私はこの人好きです。この人のローエングリンが聴きたいのですが、入手困難のようです。ラインの旅では、フラグスタートとの二重唱は多少分の悪さも感じますが、英雄の希望にあふれた輝かしい歌唱があります。またジークフリートが殺害される前後の歌唱もいいです。英雄の最期の叫びが心に染み込んできます。通常の心理とは異なる中に、英雄の真実の叫びがあるようです。私的には最上のジークフリートではないでしょうか。
そして、フルトヴェングラーでありますが、実に雄弁であります。フラグスタートとローレンツに対抗するように、際だった演奏を聴かせてくれます。表現の深さは尋常ではありませんね。ブリュンヒルデとジークフリートの心情があふれ出てくるようであります。
しかし、結果はどうあれ、アメリカの大統領選の熱狂はすごいですね。日本では考えられないことです。首相の選出でもこれくらいの関心と期待があればいいのに、と思ってしまいます。さてこれからどうなるんでしょうかねえ。
(OTAKEN RECORDS TKC-342 2013年)
ただ、このOTAKEN盤は『神々の黄昏』の抜粋だけなんです。①夜明け~ジークフリートのラインへの旅、②ホイホー!ホイヘー!~ジークフリートの死、③ジークフリートの葬送行進曲、④ブリュンヒルデの自己犠牲が収められています。ブリュンヒルデはキルステイン・フラグスタート、ジークフリートはマックス・ローレンツです。全曲では残っていないんですかねえ。可能なら全曲を復刻してほしいのですが、それはなかなか難しいのでしょうねえ。
この復刻盤では、まずはフラグスタートですね。この復刻によって、歌唱も再認識されます。ラインの旅と自己犠牲なんですが、まず、これを楽々と歌い上げてます。これまでのCDではこれほどの充実振りは感じなかった。声の輝かしさ、表情に深さ、歌唱のテクニック、どれもこれを凌ぐものはなかなか聴けない。加えて、暖かみのある声で、高音まで難なく歌い上げるところ、弱音のきれいさ、なども、実にいい。ただ、多少時代がかったところもありますが、この安定感と暖かさ、そして表現力は、何者にも代え難いものであります。
また、フラグスタートにも勝るとも劣らないのが、マックス・ローレンツであります。1952、53年のバイロイトでもジークフリートを歌っていますが、20世紀前半を代表するヘルデン・テノールですね。もう大昔にこの人のジークムントを取り上げたことがありました。私はこの人好きです。この人のローエングリンが聴きたいのですが、入手困難のようです。ラインの旅では、フラグスタートとの二重唱は多少分の悪さも感じますが、英雄の希望にあふれた輝かしい歌唱があります。またジークフリートが殺害される前後の歌唱もいいです。英雄の最期の叫びが心に染み込んできます。通常の心理とは異なる中に、英雄の真実の叫びがあるようです。私的には最上のジークフリートではないでしょうか。
そして、フルトヴェングラーでありますが、実に雄弁であります。フラグスタートとローレンツに対抗するように、際だった演奏を聴かせてくれます。表現の深さは尋常ではありませんね。ブリュンヒルデとジークフリートの心情があふれ出てくるようであります。
しかし、結果はどうあれ、アメリカの大統領選の熱狂はすごいですね。日本では考えられないことです。首相の選出でもこれくらいの関心と期待があればいいのに、と思ってしまいます。さてこれからどうなるんでしょうかねえ。
(OTAKEN RECORDS TKC-342 2013年)
さて、フルトヴェングラーのこの盤は、所有していませんが、やはり、凄い演奏なのでしょうね。彼の指揮したオペラでは、「トリスタンとイゾルデ」を持っていました。これは、セッション録音で、録音状態も良く、大好きな演奏でした。
さて、今年も残り少なくなってきましたが、コロナに始まり、コロナに終わる、とんでもない年になってしまいました。収束する兆しもなく、一体、来年は、どうなっていくのでしょうか?