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カミラ・ニールンドについて

2021年05月23日 23時50分00秒 | ワーグナー
コロナ感染、関西では少し減ってきましたかねえ。緊急事態宣言の効果ですかね。と言っても、感染しても医者にも診てもらえない状況は変わらず。熱が出ても在宅で様子を見るなんて怖いですねえ。これだけ医者や病院があるのに、ほんの一部しか診てくれない。そんな医者でもワクチンは優先接種?家と職場の往復の毎日ですが、感染力の強い変異株には、もはやワクチンしか対抗手段はないのでしょうねえ。看護師さんも接種して、速くして欲しいですね。

と、まあぼやきはそれくらいにして、今回はカミラ・ニールンドのワーグナーです。最近はそれほど熱心にバイロイト音楽祭などを聴いているわけではないので、今旬のワーグナー歌手も分かっていませんが、このニールンドはよく聴く機会があります。2014年のバイロイトでは「タンホイザー」のエリーザベト、RCOの『ローエングリン』ではエルザ、「ばらの騎士」の元帥夫人や「影のない女」では皇后なども聴いたり見たりしました。

そして、過日ネットでニールンドの「Transfiguration Wagner & Strauss Arias & Scenes」というCDを見つけ購入しました。ONDINEというレーベルで楽天市場のナクソス・ミュージックストアで、在庫処分ということで490円でした。バックは、ハンヌ・リントゥ指揮タンペレPO。2010年9月16-19日フィンランド テンペレ・ホールでの録音です。
ワーグナーは、①『ローエングリン』エルザの夢、②『タンホイザー』「おごそかな広間よ、ふたたび挨拶を送る」、③同エリーザベトの祈り、④『ワルキューレ』ジークリンデの独白「一族の男たちが全て」、⑤『トリスタンとイゾルデ』イゾルデの愛の死。Rシュトラウスは、⑥『アラベラ』「私のエレマー」、『ダフネ』「ああ愛しい昼よ、行かないで」、『ナクソス島のアリアドネ』「すべてのものが清らかな国がある」、『サロメ』「物音ひとつしない。なにも聞こえない」です。

このニールンド、私がいいな、と思ったのは、まず声質。たいそう優しく美しい。まあ声というのは、好みもありますが、いいなと思えば、もう「色白は七難隠す」的になってしまいます(笑)。そして、意外に高音などもしんどいかな、と思いきや案外無難にこなしていますね。それほどのしんどさは感じなく、ストレスは感じません。また、歌い方も決して荒くはならず、実に丁寧。言葉も明瞭でゆったりとしたテンポで、確実に歌うところは、非常にいい。そんな諸点で、私は非常に好きなのですが、課題としては、あっさり感とでも言いましょうか、全体的にあっさりといている。ねちっこさと言うか、ワーグナーのドロドロ感、情念の深さなどが、少し物足りなさがないわけではない。と言っても、いつも思うのですが、それがあればあるで、気持ちが重くなったりするので、そこは難しいところであります。

ワーグナーの曲は、どれも超有名曲。まず、トリスタン。伸びやかな高音でであり細部まで繊細。ストレスのない歌唱。いまひとつの力強さ、強靱さが欲しいですかねえ。ワルキューレでは、最初の語りと低音が美しく、円滑に進み後半への盛り上がりも心地よい。タンホイザーのエリーザベトの祈り。この曲は私が好きなこともあってかよかったです。バイロイトの演奏でもよかったですが、女性の優しさ、そして意志の強靱さも伝わり、じっくり聴かせてくれます。もうひとつのタンホイザーは、5曲の中では明るい歌唱ですが、伸びやかな高音が美し気持ちがいい。そして、エルザでは、スチューダーやヤノヴィッツにも劣らない、美しさや強さが実感できますね。イゾルデやジークムント、そしてできればブリュンヒルデも全曲で聴いてみたいのでありました。Rシュトラウスについては、またの機会に、ということで。

ワクチン接種が遅いながらも進んでいますが、接種するお医者さんへの報酬、これは驚くほどのものですねえ。敢えて金額は言いませんが、びっくりびっくり。頑張ってください。
(ondine ODE1168-2 2014年 輸入盤)

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