『S』 作詞 吉田拓郎
とても長い間君は 愛なんてウソッぱちだわと
強い女が一番似合うんだからと
意地っぱりでいたんだよね 一人で居る時は
きっと涙も隠して 空を見ていたんだね
人を信じるって事は 泳げない僕が船に乗るみたいに
誰にもわからない 勇気のいる事だから
知らないうちに君も 臆病になってたんじゃないか
少し勇気を出して 誰かを愛してみないかい
自分の気持ちを抑えてると 例えば愛とすれ違った時
てれくさいし カッコ悪い自分が目に浮かぶから
言葉にするのももどかしく
結局男なんてつまらないわと
心にもない一人言が 君を支配してしまうだけ
例えば僕の話をしよう あれは何回目の恋だったっけ
それは街中が振り返る程 性格のいい女の人だった
その頃の僕はと言えば
今と違って頭はスポ-ツ刈りで
今と違って本当に 誰にももてなかった
そんな情けない男が
よせばいいのに身の程わきまえず
自分より大幅に 上のランクをねらうなんて
だけど僕だって生きているんだよ
熱い気持ちになれるんだよ
フラれてもともとの気持ちで ぶつかったっけ
彼女はその日まで 僕の事なんか考えた事もなくて
金魚のフンみたいに
追っかけてくる男達にうんざりで
”あなたチョット変わってるわね”
と海に行こうと誘ってくれて
溺れる僕を見て”好きよ”って言ってくれた
過去を忘れるのはむづかしいけど
また傷つくことを恐れないで
本当の事から逃げようとしないで
もう一度信じてみないかい
自分を輝かしてみないかい
明日の朝君は 素晴らしい君を知る筈だ
人生はいくつもの形に 変わっていく雲の様だ
その時々を精一杯生きていればいい
笑ったり悩んだりするのも 君が愛に満ちているから
ホラ 勇気を出して 誰かを信じてみないかい