人生の色々な場面に猫はいます。
子供のころ、飼っていた猫は三毛猫でした。
「みー公」という名前で、父がとてもかわいがっていました。
(「公」?…なんて高貴な!!)
「三毛猫は頭がいい」と父が自慢していました。
その時の写真を見ると、シッポが短く、癖のあるちょっとブサイクな顔をしています。
私が物心ついたときにはそばにいたので、いつからいたのか定かではありません。
たぶん野良猫だったのでしょう。
当時としては長生きで12年以上生きていました。
子供は猫にとっては迷惑な存在。
可愛がるというより、もうおもちゃでした。
今から考えると、ひどいこともたくさんしてしまいました。
机の引き出しに閉じ込めたり…頭をパカパカたたいたり…ひもでつないだり…
腕に、猫のひっかき傷が絶えませんでしたから…
押し入れで何度も子供を産みました。でも不思議と雄猫が狙って子猫を殺しに来るのです。
みー公はクロネコヤマトの猫のように、子猫をあちこち運んで守ろうとしていたけど、一度も育つことはありませんでした
みー公は何度か病気で死にかけたり、しばらく姿を隠したり、その度に父がとてもとても心配していた姿が思い出されます。
昔、猫は死ぬときは自分で姿を隠すと言われていました。
、
でも、みー公は最期は父の布団の中で、父の腕にしがみつき、抱かれて死にました。
その時、私は、初めて父の涙を見ました。
その頃は私は子供で、漠然と悲しかったけれど、今では父の悲しさ、さみしさや喪失感がよくわかります。
生きているということはいつかは別れなくてはいけない。 人も、猫も…。
そして悲しいけれど、猫は人間より短い寿命を生きているんですね。