悲しい時は悲しい歌を その１

「おはよう」
「買い物　行ってくるから待っててね」
「ただいまー」
「ごはんだよー」
「お風呂入ってくるからね」
「おやすみー」

ココには、いつもこうして声を掛けていました。
特に、この場所に引っ越してきてからは
必ず声を掛けるようにしていました。

引っ越しは、ネコにとってはものすごい大変革みたいなもの。
ココはかなり動揺して、鳴いてばかりいました。
落ち着けそうな場所を見つけてあげて、
当初は、私はなるべく家にいるようにしました。
私が出かける仕草をすると、ココは不安がるので
必ず「○○に行ってくるからね、必ず帰ってくるから待っててね」
と声を掛けていきました。
この「マッテテネ」という一言でココは安心したようです。

その習慣がずーーーっと続き、
今でもココの写真に向かって、話しかけています。
他人が見たら　ゾッとするかも知れません。


悲しい時に、それを打ち消そうと楽しい曲を掛けるのは逆効果だそうです。
悲しい時には悲しい曲で、カタルシス効果。
つまり、同調作用というか寄り添ってくれるような感覚ですね。

ふきのとうの“D.S.”（ダルセーニョ）は、
今の私にはまさにカタルシス効果のあるアルバムです。
CD以前のレコードの時代のアルバムですが、
私はカセットで聴いていました。
バラード調の曲が多くライヴ感もあり、気に入ってるアルバムのひとつです。
どの曲にも、琴線に触れるフレーズがあって、
ダム決壊、土砂崩れ状態・・・に拍車を掛けました。



特に、最後の曲「雨々　降れよ　しめやかに」は
ココの見送りの日が雨だったので、一層心に沁みます。



昨日、久々にこの絵本を出して読んでみました。
シンプルな絵なのですが、内容は深いです。

冬の森にひとりで暮らすエルシーは
神様にねこをください、と祈るのです。

祈りは聞き届けられ、
空から「ゆきのねこ」が降ってきました。
エルシーは大喜びするのですが・・・。


詩情豊かな表現と丁寧な言葉づかい、
エルシーの気持ちに「うん、わかるわかる」と
言ってあげたくなります。

ページをめくり　めくり　ダム決壊

ココはいつでも私のそばにいる、
と思わせてくれる絵本です。


手に入れるのが難しいかも知れませんが、
もし機会があったら　どうぞ読んでみて下さい。

「ゆきのねこ」
　文と絵　ダイヤル・コー・カルサ　　訳　あきの　しょういちろう
　　　　（発行所　　童話館）