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おうち映画(海外)を5本

2021年09月12日 | 映画(海外)
「リトル・フォレスト 春夏秋冬」
原題 LITTLE FOREST
2018年 韓国
【Amazon Prime Video】

原作 五十嵐大介
日本では、2014年に夏秋、2015年に冬春が橋本愛さん主演で公開されています

恋愛も就職も思い通りにいかない日常から逃げ出し、自然に囲まれた故郷に戻ってきたヘウォン(キム・テリ)は旧友で地元で就職したジェハ(リュ・ジュンヨル)と一度は都会へ出たものの戻ってきてリンゴ農家となったウンスク(チン・ギジュ)に再会します
2人と一緒に自分たちで育てた農作物で食事を作る生活を送りながら季節は冬から春、そして夏、秋へと移り変わり、再び冬を迎えたヘウォン
これまでの自分を振り返り、新たな春を迎えるための一歩を踏み出そうとするのでした

ヘウォンが作る母直伝の料理はとても美味しそうです
何よりヘウォンの食べる姿から美味しさが伝わってきます
しかし、美味しそうというのは分かるのですが、如何せんヘウォンが作る韓国料理の味を知らないのでイマイチ現実感がわかなかったのだけは残念でした

ヘウォンの母が過去に彼女を置いて家を出て行った理由や、ラストの展開がシンプルで分かりやすかったです
そこは日本版で不満に思っていたところでもあるのですが

ラスト、再びソウルから戻ってきたヘウォンの家に誰かがいるようです
きっと、あの人に違いない、あの人であって欲しい…
とても温かな気持ちになれる作品でした
          



「シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢」
原題 LE GRAND BAIN
2018年 フランス
【Amazon Prime Video】

さえない中年男性たちがシンクロナイズドスイミングで人生を再スタートさせるスウェーデンで実際にあった実話をもとにしています
同じ実話をもとにイギリスで制作された「シンクロ、ダンディーズ!」という作品もありました

うつ病により2年前から家で引き籠りがちな生活を送っているベルトラン(マチュー・アマルリック)
ある日、地元の公営プールで男子シンクロナイズドスイミングのメンバー募集の紙を見て、家族から軽く見られ嫌味を言われる日常を何とか打破したいと思いチーム入りを決意します
入ってみれば、そのチームはいずれも家庭や仕事、将来などベルトランと同じように何かしらの不安を抱える中年おじさんの集団でした
それでも水球や女子シンクロチームに邪魔者扱いされながらも女性コーチ・デルフィーヌ(ビルジニー・エフィラ)の下、トレーニングに勤しみ、無謀にも世界選手権での金メダル獲得を目指すこととなります
女子シンクロの選手だったデルフィーヌは怪我をしたデュエットの相手をフォロー出来なかった事が原因でアルコール依存症になった過去がありました
完治したはずだったのですが、些細なことで再び酒に溺れてしまいコーチの仕事が出来なくなってしまいます
そこに救世主として現れたのが同じプールで女子のコーチをしていたアマンダ(レイラ・ベクティ)
彼女のスパルタコーチのおかげでめきめきと力をつけていくおじさんたちでした
若い女性に罵られ罵倒されながら必死に練習についていくおじさんたちの努力の涙ぐましいこと
皆、自分の人生を変えたい思いが強いのですね
変な奴ら、と鼻で笑っていた周囲も世界選手権の中継を見ながら、熱い応援を送ってくれています
そしてついに金メダルを獲得し、国へ凱旋…のはずが彼らの活躍は翌日の新聞にもネットにも一切載りませんでした
おじさんたちはそれでも満足
国民的英雄にはなれなくても自分の進む道を見つけることが出来たのです

イギリス版はほぼ主人公メインでしたが、本作ではチーム全員&コーチを人間臭く描いていて好感が持てました
世界選手権の様子が本格的だったのも良かったです

邦題の副題「イチかバチか」これはナイスでした
          




「パラサイト 半地下の家族」
原題 PARASITE
2019年 韓国
【Netflix】

家族全員が失業中で半地下の部屋でその日暮らしの貧しい生活を送っていたキム一家
そんなある日、長男ギウ(チェ・ウシク)が偽の卒業証明書を手にIT企業のCEOであるパク氏(イ・ソンギュン)の豪邸へ娘(チョン・ジソ)の家庭教師の面接を受けに行きます
続いて長女ギジョン(パク・ソダム)は弟(チョン・ヒョンジュン)の絵の指導に
父親(ソン・ガンホ)はパク家の専属運転手に
母親(チャン・ヘジン)は家政婦に
一家全員がパク家に入り込むことに成功します

パク氏も妻(チョ・ヨジョン)もお金持ちというだけで悪人ではありません
キム一家も仕事と収入を得て満足だったはず、なのですが…
追い出した前の家政婦(イ・ジョンウン)が訪ねてきたことから物語はとんでもない方向に進みます

水は高いところから低いところへ
豪雨による雨水は富裕層が暮らす高台にあるパク家から坂を下り階段を下り、さらに道路から半地下にあるキム一家の住まいへ流れ込みます
生活レベルの格差を描くのにこのような手法もあるのだとひたすら感心しました

よくもまぁこんな物語を考え付いたものです
監督・脚本、ポン・ジュノは韓国の宝ですね
      



「愛しい人から最後の手紙」
原題 THE LAST LETTER FROM YOUR LOVER
2021年 イギリス
【Netflix】

原作 ジョジョ・モイーズ

出版社に勤めるエリース(フェシリティー・ジョーンズ)は、ある記事を書くための資料集めの最中に社の保管庫から1965年に書かれた一連のラブレターを発見
そこに綴られた禁断の恋の謎を解こうと決心します
真面目な文書保管係(ナブザン・リザワン)の助けを借りながら他のラブレターも探し出し、裕福な実業家の妻ジェニファー(シェイリーン・ウッドリー)と、彼女の夫の取材にやってきた経済ジャーナリスト、アンソニー・オヘア(カラム・ターナー)の恋を紐解いていくのでした

過去と現在の物語が交錯するラブストーリー

ジェニファーとアンソニーの時代は手書きの手紙しかなく、相手の元に手紙が届いてからようやく、ですがエリースの時代はスマホやPCでメールを送ったり削除したり、遅れるとか変更などの連絡も簡単に取れます
この対比が面白く、手紙しかなかったが故の2人のすれ違いにハラハラドキドキでした
とんでもなく長い時間がかかったけれどエリースの働きかけで再会できたジェニファーとアンソニー
そしてエリースも恋の相手が見つかったようです

ツッコミどころは多々あれど、時にはこんなロマンチックな映画も良いものです
                   



「アンダーグラウンド」
原題 UNDER GROUND
1995年 フランス、ドイツ、ハンガリー
【BSプレミアム】

1941年、ナチスドイツがユーゴスラビアに侵攻
ベオグラードに住む武器商人のマルコは祖父の邸の地下に避難民たちを匿い、そこで武器を作らせて生活します
やがて戦争は終結しますがマルコは時に嘘の空襲の音を流すなどして避難民たちにそのことを知らせず、20年もの間地下生活が続いていきます

軽快な音楽にコメディタッチで進む物語ですが、後半のユーゴ内戦、最後には、新ユーゴの設立はとても重苦しかったです

地上に出てみたら、ずっと信じていた世界、祖国ユーゴスラビアが全く別のものに変わっていた
それを目の当たりにして人は生きていけるでしょうか

ラスト
ドナウ河に面した小さな半島で行われている結婚式
マルコをはじめとして地下で暮らしていた避難民たちなど死んだはずの面々が集い宴を楽しんでいます
やがて小さな半島は陸から離れ河を漂っていきます

「昔、あるところに国があった」
消えた祖国、辛い内戦、その事実を子供たちに伝えていくべきなのです
日本に置き換えてみようとしても想像が出来ません
かつて存在したユーゴスラビアという国家の歴史の勉強になりました
          


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2 コメント

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格差社会~ (cyaz)
2021-09-13 08:38:21
こにさん、こんにちは^^

『パラサイト』
>よくもまぁこんな物語を考え付いたものです
確かにそうですネ(笑)
お国柄っていうこともあるのでしょうが、
「水は上から下へ~」
格差社会の表現方法としては、お国柄を上手に描いていますね(笑)
これ、日本に置換するとどう表現すればいいのでしょうね?
cyazさん (こに)
2021-09-14 08:03:02
話題だったので避けていましたが、そろそろと思って鑑賞しました。数多くの賞を取ったのも納得です。
同じ格差社会を描いていても日本の「万引き家族」とは全く違いますね。
いつもながら韓国の人情の篤さには圧倒されるばかりです。

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