双葉社
2010年7月 第1刷発行
269頁
大泉洋さんと小池栄子さんの映画「グッドバイ~嘘から始まる人生喜劇」を観て、読んだのは思い出しましたが内容は忘却の彼方
というわけで再読しました
発刊されて直、読んだみたいです
太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語
人は悪くないのですが、その鈍感さゆえに身を滅ぼした男・星野一彦
借金を負い、虎の尾を踏み、それでも事の重大さに気づかなかったせいで〈あのバス〉の乗せられることに…
〈あのバス〉に乗るまでの2か月半、星野を監視するのが繭美という身長180㎝、体重も180kgはあろうかというガサツですぐ暴力で片をつけようとする大女(あまり使いたくない表現ですが…)です
〈あのバス〉に乗るまでの期間、交際中の5人の女性に繭美と結婚することになったから別れて欲しいと話をつけたいという星野と繭美と5人の女性とのあれこれ、そしていよいよ〈あのバス〉に乗る当日の星野と繭美
6つの連作短編集です
Ⅰ 不倫地獄から抜け出したかった廣瀬あかり
Ⅱ バツイチ、子連れの霜月りさ子
Ⅲ 黒装束で泥棒趣味の如月ユミ
Ⅳ 数字に強い神田那美子
Ⅴ 女優の有須睦子
Ⅰで早くも星野の人柄が垣間見え、話が進むにつれ内容が濃く面白くなっていきます
初読時にはスルーしたらしいリンクにホロリ
最終章、最後の3行は何故かクリアに覚えていました
繭美は脳内に大相撲力士の逸ノ城関で再生しながら読みました
逸ノ城関は飲酒すると人柄が変わって暴力沙汰も、とか
言葉より手足が出る繭美と重なります
そういえば映画のキヌ子も力持ちで担ぎ屋仲間や田島をぶっ飛ばしてました
有須睦子のマネージャー・佐野が口ずさむ「バイ・バイ・ブラックバード」
佐野の解釈では『悩みや悲しみをぜんぶつめこんで行くよ。僕を待ってくれているところへ。ここの僕を誰も愛してくれないし、わかってもくれない』
星野のことを一番理解していたのは繭美だったようです
YouTubeで視聴しました
哀しい歌詞ですね…
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます