集英社
2010年8月 第1刷発行
234頁
9月のある日から翌年8月のある日まで、ひと月に数編
日記を書いているのは、もう若くはない女性作家
日常の出来事を書き綴った日記のはずが気づけば幻想の世界に導かれ、また知らぬ間に今日の終わりに戻される
最も感心したのは
「○○荒らし」をする者同士はその他大勢の中でも互いに相手を見つけることが出来る
エッセイで、電車の中で人間観察をし、色々想像するのがお好きだと読んだことがありますが、本当に優れた人間観察力です
他にも
苔を食材にフルコースを出すお店
野外アートを巡るツアー
盆栽フェスティバル
健康スパランド
隣町の小学校の運動会
子泣き相撲
私など、自分の日常生活とは関わりのない行事や事件には興味もわかず、ニュースなどで見ても聞き流してしまいますが、小川さんは360度アンテナを張り巡らして様々な情報をキャッチし、ご自分の中で料理されているのでしょうか
ただ単に、今日は何々をしました、どこへ行きました
そんな程度の日記しか書けなかった小学校時代
夏休みの宿題の絵日記は苦しかったです
観察力、想像力、注意力、構成力、他にも色々、が無かったんですね
これはこれで小川ワールドを楽しませてもらいましたが
そろそろずっしりとした長編小説を発表してもらえないかしら、と願うのは贅沢?
そうだ、そうだ、って色々思い出しました。
運動会とか、大勢が集まる場所での妙な行動、笑っちゃいました。
小川さんが書く、そういうヘンテコな人は、他人に迷惑かけずに、ひっそりと偏執的なんですよね。控えめな変態?というか・・
そういうお話、大好きです。
私も長編が読みたいなぁ~
最近はエッセイや対談集、短編が多いですね
>他人に迷惑かけずに、ひっそりと偏執的
その通りですね
そして他人から迷惑を被ってもじっと耐える
小川ワールドは完成の域に到達したのかしら
(^_^)