春なのに・・・

2008年03月02日 | 日記
 春一番が吹き、なんとなく暖かい空気が流れ、明るい春がそこここに芽を出しているこの頃。

 隣の家の桜は御主人が丹精こめて育てていた。私が嫁いだころに植えられ、あっという間に大木になり、毎春見事な花を咲かせていて、我が家も近くで花見ができてとてもありがたかった。散りはじめると我が家の小さな庭にも桜吹雪がまいおり、小さいころの娘はどんなに喜んで遊んだことか・・

 その御主人が昨年亡くなり、残念なことに、この春を待たずに、あの桜は切られてしまうのだという。

 お隣のご事情も多々あると思うが、今年はあの桜が見られないと思うと寂しくてならない。そろそろ蕾をつけ始めただろう桜を見上げるたびに、早朝から毎日お庭の手入れをしていたご主人の姿とともに、懐かしく思い出すこともなくなってしまうのだろうかと、寂しさが募る。
 毎年あると思っていた景色が、今の日本ではすぐになくなってしまうことを実感する日々である。