「ロング・グッドバイ」 村上春樹訳 について

2007年05月13日 | 読書
 昔から、何度繰り返して読んだことか・・
 
 「長いお別れ」はレイモンド・チャンドラーの中でもフィリップ・マーロウがウェットでやさしい男としてそれまでの描き方とは一線を画している。
  
 「ロング・グッドバイ」を今回読みすすめていくうちに、たぶん現代の表現を意識して訳したと、村上氏自身もいっているとおりに、清水訳がセピアカラーの映画とすれば、現代に置き換わったカラーのテレビドラマの感じがして、最初はなかなか気持ちが入っていかなかった。
 
 ストーリーは確かに変わらず、確かに、あえて訳さずにいたのかわからないが、前には無かった細かい描写も含まれ、より正確なものに仕上がっているし、登場人物の言葉が幾分やわらかい表現が多い。
 しかし少しの違いが全体の印象に影響しているかもしれないが、読後の印象は大差は無い。
 
 個人的には、レノックスがマイオラノスとして最後にもう一度マーロウを尋ねてくるところが一番好きな場面だ。人として友人としてもう一度会いたい人が自分にもあるように、思わせてくれる。
 
 それが「長いお別れ」を何度も読み返す理由かもしれない。それは「ロング・グッドバイ」になってもちっとも変わりはしないのだけれど・・

犬が来た

2007年05月13日 | 日記
 6年ぶりに、又犬を飼うことにした。
 子供の何よりの慰めとも、弟分にもなるかと思って飼い始めたが、案外自分の精神安定剤になっているようで、世話が焼ける分かわいい。

 まだ3ヶ月なのに気は強いし、力もある。以前いた犬と性格もそっくり。
 しばらくは子犬に振り回される毎日だが、少しずつ家族になりつつあり、家族全員が優しくなったようだ。

 ただ、これから長期の旅行は無理かな~



 

5月になりました

2007年05月01日 | 美術
しばらく書かない間に5月になりました。
4月の総評などをかいてみます。

1.春の院展 (4月7日)
  久しぶりの春の院展。ことしは小粒な作品が多買ったように思う。同人クラス でいくつか取り上げて言うとすれば、田渕俊夫氏、西田俊英氏、手塚雄二氏、小 山硬氏はさすがに大きなスケールの中に繊細な表現が 春らしく素晴らしい。
  若手の中では武部雅子氏、川瀬伊人氏、大河原典子氏を注目している。特に武 部さんの作品は最近安定したものがあり、いずれ賞をとれば国司華子氏のような 売れっ子になるかも・・・
  初入選にこれから伸びそうな方がいた。平林貴宏氏は伝統的な技法をちりばめ ながら、現代的な表現の仕方が、個性的で、題名のつけ方も面白い。これから注 目していきたいと思う。

2、ジキル&ハイド(4月20日)
  久しぶりのミュージカルで、最初は戸惑ったが、すぐにアンサンブルの素晴ら しさに圧倒された。今回で鹿賀丈史のジキハイはラストなのだが、このミュージカ ルは主演の実力もさることながら、全体のバランスが素晴らしく、作品、オーケ ストラ、キャスト、演出等すべてが一体となって出来上がった珠玉の舞台だと思 う。最初のコーラスから涙が出そうになるほどで、初演から出ている浜畑賢吉氏 の言のとおり、一番の出来ではないかと思う。感動というものとは又違うが音楽 がもつ力を魅せてくれたうれしい舞台だった。日本語キャストで是非CD化され ることを望む。